
平日は朝から晩まで保育園で、週末は親に連れ回されあちこち移動する弊息子タケ。いろいろなものを見聞きしてきたとは思うが、彼が今まで夢中になったものは皆無だ。
「何か大好きなものはある?」と彼に聞いたら、「ないなぁー」とあっけなく答えられ、父親として大変にがっかりした。
でも、なにしろ彼には時間がない。家で自由に遊ぶ時間さえ、ないくらいだ。それじゃあ、ハマるものがないのも無理はない。貰い物のプラレールは家にあるのだけれど、組み立てる時間がないせいか、彼はまったく興味を示さない。時々、クッションをバンバン叩くための「棒」としてレールを使うくらいだ。
そんな彼が、「カブトムシを捕まえたい」と言う。
カブトムシを捕まえてどうするんだ、と聞いたら、クワガタも捕まえて戦わせたいのだ、という。
どうせ思いつきで言っているだけであり、ほっとけば彼自身が忘れる願望だと思う。でも、こういった「遊びに関する要望」を口に出すこと自体があまり多くないので、親としてはなんとか実現させてあげたいと思った。
もちろん、普段から彼はあれがやりたいこれが欲しいということは言う。でもそれは刹那的な欲望にすぎず、親からしたら「いちいち構ってられない」ものだ。
一方、「カブトムシを捕まえたい」となると、さあ大変だ。夏までまだ数ヶ月あるので、未来の話だ。それまでに、彼にはカブトムシの生態とか捕まえ方とか、いろいろ学ぶ機会を与えたい。
彼は単に「カブトムシかっこいい!捕まえたい!」と刹那的な欲望を口にしただけだと思う。でも、その発言を受け取った僕ら両親は、「数ヶ月先に向けた希望を言ってきた!計画的に叶えてあげたい!」と解釈した。
昆虫図鑑でカブトムシの勉強をしたり、カブトムシ採取の映像コンテンツを見たりして、さらにGWは実家近所の山に行き、カブトムシが集まるであろう木を探した。
目指すは、クヌギとコナラ。でも、「おっ、この木か?」と思って調べてみたらクスノキだった、ということばかり。
肝心のタケは山の中を走り回って遊んでいるだけで、親ばかりが苦労している状態。なんでこんなにお膳立てをしなければならないのか、という気持ちにさせられる。
(2025.04.28)
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