世に言う「出産」という儀式を経て、我が家に第二子が降臨した。

第一子である「弊息子タケ」の時は、3,000g弱。
あの時の衝撃は今でも忘れない。
産声とともに現れたソレは、お世辞にも「人間」には見えなかったからだ。
細い顔、シワシワの皮膚、そして何より「まつ毛」という概念が存在しない顔面。
あれは完全に、矢追純一が追い求めた「宇宙人グレイ」の系譜だった。
その弱々しさに、「こいつ、地球の重力に適応できるのか?」と本気で心配したものである。
よく、赤ちゃんの顔を猿に例えるが、「全然猿には見えない!」と思った。
ところが、今回の「第二子ちゃん」は、仕様が根本から違っていた。
ほぼ40週というフルタイムの調整を経てロールアウトされたその個体は、3,600g超。
産まれた瞬間から、すでに「完成」されていたのだ。
宇宙人特有の儚さなど、感じさせない。
何しろ、産まれた直後から手の指をグニグニと動かしている。
「おっと、初期設定でマニュピレーターがそこまで動くのか」と、そのスペックの高さに感心してしまった。
タケの時は、皮膚ひとつとっても、人間らしいハリが出るまで半月、いやそれ以上かかった。手がグーからパーになるのを見たのはいつだったった?
特筆すべきは、そのフォルムだ。
栄養を余すことなく蓄えた結果、顔はパンパンに丸い。
グレイのような鋭角さはなく、どちらかと言えば「遮光器土偶」に近い造形だ。
圧倒的な重量感。そして、土着的な安心感。
このサイズ感、小さいなりに「ガッチリ」しているのが手に取るようにわかる。
タケが「未確認飛行物体からの使者」だったのに対し、こちらは「縄文の地から掘り出された守護神」といった趣だ。
それにしても、赤子の顔というのは不思議なものだ。
タケの時は、その細い顔とおでこに寄るシワのせいで、産まれた直後は「鈴木宗男」にしか見えなかった。
おっと、これは失礼。
だが、あの時の僕には、ムネオ氏が産着を着て寝ているよう見えた。
その後、順調にミルクを摂取して肥えてきたら、今度は「二階俊博」へとジョブチェンジを果たした。
地球の重力に適応する過程で、なぜか永田町の重鎮を経由していく仕様らしい。
今回の第二子ちゃんに関しても、やはりその「おっさん顔」の時期はやってきた。
宇宙人から可愛い赤ちゃんへと進化する狭間に、必ずと言っていいほど「誰か」が顔を出す。
ただ、今回は誰に似ているのか、自分でもよくわからない。
タケの時のような、明快な「大物感」が見当たらないのだ。
首を傾げていた僕に、友人が一つの解を提示した。
曰く、「中川昭一に似ている」とのことだ。
なるほど、言われてみればそんな気もしてくる。
遮光器土偶から中川昭一へ。
どうやら我が家の血筋は、乳幼児期に政治家の顔をトレースしやすい特性があるらしい。

そのバイタリティは、日々の生活にも遺憾なく発揮されている。
産まれて一ヶ月も経たないというのに、寝かせているベッドインベッドからは、すでに入り切らなくなった足がはみ出している。
規格外、という言葉が頭をよぎる。
どうやらこの第二子ちゃん、地球の環境に馴染むどころか、最初からこの星を制圧しにきているらしい。
次は誰が顔を出すのか・・・。
そのうち、閣議決定でも始めそうな勢いである。
(2026.02.03)

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