恍惚の湯けむりの中で

うどんやそばのつゆを全部飲むのは塩分とりすぎで体に悪い、なんてことはテレビ雑誌等でさんざん告知された話なので、ほぼ日本人全員に浸透した認識だと思う。しかし、しかし。なぜか鍋の残り汁で雑炊を作るだとかうどんを作るといったことに関しては、全く無視されているという現実がある。うどんのつゆが体によくないなら、鍋のつゆだって体によくないに決まっている。

結局、「でも鍋の後の雑炊って鍋料理最大のイベントじゃない」なんてことになって、とりあえず目をつぶってもらっている、というところなんだろう。天皇陛下の悪口言ったら右翼の方々から厳しいご指摘を頂戴するように、鍋の後の雑炊の悪口を言うと、どこかの市民団体から抗議をうけたりするのかもしれない。恐るべし。

その証拠に鍋で雑炊を作っている人の顔をみよ!その恍惚としつつも、いっぱしの通ぶった顔を。さっきまで大人しかった奴が、雑炊になるととたんに元気になって「まだもう少し煮た方がよい」とか「それ、今こそ玉子を投入するタイミングだ」なんて陣頭指揮に立ったりするんだから、驚きだ。「鍋奉行」ってのはよく知られた存在だけど、それとは別に「雑炊奉行」ってのが存在するのではないか、と僕は踏んでいる。まあ、大体のシチュエーションにおいて鍋奉行が圧倒的存在感を醸し出しているがために、雑炊奉行を兼務しているようだけど。

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