パン購入のオキテ

弁当の季節ですな。

いや、僕みたいな社会人にとっては毎日社員食堂で昼飯食べているんで、弁当エレジィだとかビバ弁当!といった事は一切ないんだけど。学生諸君!夏休み明けで弁当の日々が復活、なのだよ。ご苦労様です。

弁当のふたを開けてみたらギネス級の寄り弁で激しく食欲がうせた事ある人手を挙げて。「ここまで寄らなくても・・・俺、何か悪いことしたかぁ?」とがっかりしながらぎゅうぎゅうに詰まった弁当をほぐすときの空しさといったら!諸行無常って、この世の中に確実にあるなと思った瞬間です。

弁当の中にフルーツが入っていて、その汁が激しくおかずや神聖なる白米を汚染しているのを発見した瞬間、やり場のない殺意を抱いた人手を挙げて。

同級生で、食べ終わった弁当箱に避妊具を入れられるというハードなイタズラをされて、それに気づかずに母親に「ごちそうさまでした」と返却したもんだからそりゃもう家中大騒ぎさ、になった人がいるけど可哀想なので内緒にしておいてあげてください。<もうバレとるやん

学園ラブコメの漫画やゲームを見ると、どうも世の学校というものは「学食」を備えているところが多いみたいなんだけど、果たしてどうなんでしょう。少なくとも、おかでんの出身地界隈では学食完備の学校なんて聞いたことがなかった。

何しろ、聞いて驚くな。売店にパンを買いにいくのに「教師の許可」が必要な学校だったんだからな、おかでんの出身校は。担任から発行してもらった「パン購入許可証」がないと売店のオッチャン、頑としてパンを売ってはくれなかった。あらかじめ断っておくけど、おかでんが在学していたのは戦中でも戦後すぐでもないからな、平成のご時世でもそんな配給制みたいな鉄の掟があったのだから素晴らしい。

きっと読者は「何ちゅー意味不明な制度なんじゃ」と興味があるだろうから、もう少し細かく説明しておこう。いやー、その当時は当たり前として受け止めていた制度だけど、今から考えてみればネタになるほど奇妙なローカルルールだったとは。アワレみ隊のネタに詰まってうんうん唸っている時にようやく、10年以上前のキテレツな制度に「あれ、よく考えてみれば理不尽だったなあ」と気が付いた次第で。

まず、クラスの週番は朝8時に教卓を廊下に出す。そこで、弁当を持参していない生徒のパンのオーダーを待ち受ける。廊下は当然冬になると寒いが、そんなのは関係ない事だ。冬でも夏でも、必ず廊下。教室内でもいいじゃん、というのは今だから気づく事であり、当時はそれが当然だと思ってた。何事も根性であり、忍耐なのだと言うことを学校は教えたかったのだろうか。それとも、単にその理不尽さに気づかないくらい僕らが馬鹿だったのだろうか。

週番は預かったお金を確認した上で、オーダー表とお金を1時間目終了後の休憩時間に売店に提出する。お昼になったらその品物を取りに行って、注文した人に配れば良い。決して、各自がバラバラと売店に買いに行ったりしてはいけない。なんのこっちゃない、売店の商売を生徒が肩代わりしているわけだ。今から考えると、なんでそんなことせにゃならんのよと思うが、今更遅い。

で、この週番がオーダーを受け付けるのが朝8時から1時間目が始まるまでの間だけであり、それ以降は受け付けないルールになっていたのであった。結局、遅刻ギリギリで登校してきた弁当無し生徒は週番にオーダーができず、担任に頭を下げて「パン購入許可証」をお情けで発行してもらうというシステムだったわけだ。

カネはあっても許可がないとモノが買えない、食べられない。こんな禁欲的な生活を学生時代送ってきたおかげで、大人になった僕らは・・・

すまん、ここで気の利いたせりふを書こうと思ったのだけど、なーんも思いつかなかった。結局何だったんだろうね、あの制度って。

(2001.09.04)

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