キリンビールとの関係は続いていて、今でも新製品が出る際には1月ほど前には届けて頂いている。ありがたい限りだ。で、そこで「僕は他の人より早く新製品が飲めるんだぞ、どうだどうだ」と威張っているだけじゃ意味がない。できるだけいろんな人に勧めてみたり、飲んだコメントを周囲の人たちにフィードバックするようにしている。もちろん、媚びを売る気はないので、まずいときはマズイとはっきりと言っているが。だから、おかでん周辺の人たちの間では、新製品が発売になる前から「買おう!」という機運が高まっている時がある反面、その逆のパターンもある。
ちなみに、発泡酒「小麦」のときは、「買おう!」という機運が高まっていた。でも、残念ながら現在ではほとんどの店で入手困難な商品になっている。もったいない。
できれば、毎回新製品を頂戴する都度レビューを書こうと思っているのだけど、ついつい書きそびれてきた。今回、久々にレビューを書いてみる。
頂き物は、キリン氷結プレミアムフルーツシリーズの最新作、「ラ・フランススパークリング」だ。11月上旬発売開始の予定だ。「氷結」の中でも、「プレミアム」の名前を冠している奴は「果汁の少なさの割にはらしい感じ出してるじゃん」という、褒めてるんだかそうでないんだかわからん褒め口上を僕は与えている。フルーツの瑞々しさが比較的よく表現できてるんじゃないか、と思う。安っぽいレモンサワーなんかとは大違いだ。あれ、レモン味すらしないもんな。「レモンっぽい味」でしかない。
というわけで、さすがはキリンと思うわけだが、褒めるのはここまで。この氷結、飲んだ人はみんなわかっていると思うが、一様にすこぶる甘い。はっきりいって、甘すぎる。デザート代わりになるんではないか、という印象すら受ける。
昔から氷結シリーズはこんなに甘かったはずではないのだが、1年半前に出た「プレミアム・シャルドネ」あたりから怪しい雲行きになってきたような気がする。甘さへの限界に挑戦!という訳ではないだろうに、とあっけにとられて見守っている、というのが現状だ。
一昔前、居酒屋でチューハイがブームになった80年代、世のおやじ殿は一様に「けっ、甘いと美味いの区別もつかんのか最近のワカモノは」と思ったと聞き及んでいるが、まさにボク、その心境ですわ。
ああ、おやじに一歩近づくとはこういう事なのね、とか思いながら氷結シリーズの充実を見つめ続けて早1年ちょと(うわ、短い)。
その間、バレンシアオレンジとか、結構好みのものも発売されていたが、やっぱり全般的に甘い。他メーカーのイマイチぴんと来ないブランドのサワーを買うくらいだったら、氷結の指名買いをするが、とはいってもいつも買っているのは甘さ控えめ・アルコールちょっと高め(7%)のレモンかグレープフルーツ。要するに、氷結の初期の頃の作品だ。
多分、ここまで連発して甘めのサワーを出すからには、きっちりとしたマーケティングに基づいた商品開発がされているのだろう。おかでんには理解できないが、きっと甘いサワーを愛する客層が相当数居るに違いない。誰だ、それ。
今回、新発売となる「ラ・フランス」も案の定甘かった。飲んだ印象は次の二つに集約される。
・相変わらず甘いなあ
・え?これ、ラ・フランス?青リンゴじゃないの?
以上
青リンゴ味ですー、といって知らない人に呑ませても、多分気づかれないんじゃないか。そんな味だった。氷結シリーズは9月上旬にグリーンアップルを出したばっかりで、よくぞ似た味を連発して出すなあ、と感心する。「またか」感が市場に出てしまい、販売に苦戦するんじゃないのか?
いや、実はグリーンアップル味を開発中に、「おい、この味を・・・ちょっといじればラ・フランス味って言えるんじゃないか?」「おお、言われてみればそうだ!凄いぞ、1度に2種類の味が開発できた!」なんていう派生商品だったりするかもしれない。まあ、そんなことは無いとは思うが。
甘いのイヤ、という嗜好のおかでんだけでは味のまっとうな評価ができないと思い、入社2年目の女性に渡して飲んでみるように指示してみた。オッサンであるおかでんとは全然違う観点で評価してくれるのではないか。
後日、彼女に電話してみる。
「どうだ?氷結ラ・フランスの味は」
「さっき飲んだところですけど、眠いですぅ。いまもう、ふわーっとしちゃってて・・・・・」
「・・・」
「・・・」
「おーい、起きてるか」
「ああ、半分寝てました。氷結飲んだら、なんか眠たくなっちゃいましたぁ。お酒弱くなったなあって思いますよぅ」
しまった、酒が弱い奴に飲ませるんじゃなかった。でも、希少な未発売商品だ、きっちりコメントだけは採取しておかないと。
「寝るなー、寝る前にコメントしてくれ、どうだったんだ?」
「おかでんさんが『青リンゴと似てる』って仰ってた意味、よーくわかりましたよぅ」
「それは君のコメントじゃなくて、僕のコメントだ。もう少し気の利いた事を」
「甘いですねぇ」
「それも僕が以前コメントした。で?何を食べながら飲んだの?この甘い氷結で」
「ピザですぅ」
「ピザか。なるほど、甘い食べ物はジャンクフードにあう、という事だな」
「・・・・・」
「おーい、ああ、寝ちまいやがった」
結局、まともな事が聞けなかった。おいおい。
ただ、一つ言えるのは、この甘いドリンクは、ジャンクフード向けということだ。さすがに、お刺身を頂きながら、飲むには向かないアルコールだ。肉料理だと、まあなんとか飲み食いが楽しめる。で、「じゃがりこ」とか「かっぱえびせん」といったスナック菓子だと・・・ああ、よくあうかもしれんな、これだと。
・・・ということは、今の自宅アルコーラー(今勝手に作った造語)は、スナック菓子でお酒を飲んでるのか。なるほど、そういうことか。
「食事のおとも」としてビールを毎晩かっくらっているおかでんとは次元が違うなあ・・・。
人間って生き物は、成人なりたての頃にお酒を飲む習慣がつかないと、歳とってからもお酒はあまり飲まないはずだ。だから、若年層に好まれるお酒を開発し、提供するのは酒造メーカーからすれば死活問題と言えるだろう。氷結は、ワカモノのアルコールへの登竜門としてのお酒、を目指しているのだろうか?
おかでんとしては、「ビールよりやや高めのアルコール(10%未満)」くらいで気軽に飲めるお酒、というジャンルが今一番欲しい。でも、なぜか6-10%のアルコール度数のお酒の数は少なく、該当するものとしては氷結に代表されるサワー類しか一般のお店では手に入らない。しかし、その氷結も、最近は5%という低めな度数設定のものばかりだ。世の中全体に、低アルコール化へのニーズが高まっているということなのだろうか。
いずれ、ワインも「度が高いから・・・」と言われて敬遠される時代が来るかも知れない。そうすると、5%とかの低アルコールワインが台頭してきかねないな。ブドウジュースじゃん、というスレスレの奴。でも、そういうワインがあっても、売れると思うけどなあ。氷結が売れている以上、熟成されたワインの奥深さ、なんてどーでもいいと思っている酒飲みはいっぱいいるはずだし。
と、いうことを、氷結ラ・フランスを飲みながらしみじみと考えた秋の夜長。
次回は、11月17日発売の「やわらか」をレポートします。1ケースも送ってもらっちゃったので、多方面にばらまいて、いろんな人の意見を聞きます。
(2004.11.03)
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