「毎年1回、カメラを壊して買い換える」ことを繰り返している。
海も、川も、岩山も、全てノーガード戦法で持ち歩いているので当然壊れる。豪雨の日に三脚を立て、セルフタイマーで記念撮影を撮ったりしているし。
しかし最近は行動が地味になったのか、壊す頻度は落ちてきた。
今回、数年ぶりに購入したのは、ソニーの「RX100M3」。今年の1月から運用を開始している。
過去15台くらいだろうか?全て富士フィルム製品を使ってきたので、これからも富士フィルム製を使い続けたかった。しかし、僕にとって手頃な機種が見つからず、結局宗旨替えを余儀なくされた。残念だ。
結局、安いコンデジカメラはもうスマホに押されっぱなしで衰退の一途だ。コンデジを買うなら、やたら高級なものか、機能的に「そこそこ」で全然ワクワクさせられない中途半端なものが多くなっている。
この際だから、一眼レフやミラーレス一眼といったものも検討してみた。しかし、画像の美しさは強い魅力だけど、僕のスタイルからすると無駄にデカい。
僕は、武士の刀同様に常に腰にデジカメをぶら下げてスタンバイさせておき、撮影したいときにしゅっと取り出してさっと撮る。「とっておきの一枚を、身構えて撮る」ことはしない。だから、コンパクトでないと困る・・・という結論になった。
で、改めてコンデジの値段を見て、まあ驚きますわな。高っ!と。
折角新しいカメラを買うわけだし、これまでより機能がいいものを買いたい。しかしそうなると、「えっ!?」というくらい値段が高くなってしまうのだった。
結局苦悶した末に選んだのが、「RX100M3」。 RX100は、名機の呼び声高いコンデジだ。5年以上前に発売されて以降、ほぼ毎年微妙にバージョンアップし、現在は「M5(Mark5)」まで出ている。
外観はどれもほぼ一緒、基本性能もほぼ一緒だけど細かく機能追加がされている。
このRX100の変わったところは、初代から5代目のM5まで、全機種が未だにソニーの工場で生産され、全機種が店頭で販売されているということだ。普通、新機種が出たら古いものは販売中止するのに。
そんなわけで、RX100を買う際には、基本スペックはほとんど変わらない5機種を見比べて、どれを買うか選ぶことになる。当然、古い方が機能は少なく、そして値崩れをしている。 たとえば、初号機は36,000円程度で、最新のM5は107,000円くらいだ。 (kakaku.com調べ、2017/03/17付)
できるだけ安く買いたい。でも、最新機種のスペックと見比べると、古い機種は若干見劣りがする・・・このバランスをエイヤッと見極め、選んだのがM3。最新モデルから2世代前のものだ。 2世代前とはいえ、それなりにお高い。こいつを壊したらワシ、どうしようと心配になる。
コンデジは持ち歩きが楽な分、雑に扱いがちだ。首からブラブラぶら下げていて、ガツンとどこかにぶつけるとか。でもコイツについてはそうならないように気をつけないと。
これまで使ってきた富士フィルムXQ1と大きく違うのが、1型センサーを搭載しているということ。これで、ぐっと画像のボケ加減が出て、写真の深みが出た。あと、富士フィルムのデジカメは総じてもやっとしたピント感で、よく言えばマイルドな絵だけど悪く言えば眠たい印象もあった。
その点、このRX100はパキっとした絵作りだ。 しかし、買ってから2ヶ月以上経つけど、まだ慣れていないことがある。 それは、昔の「適当にシャッターを押したら、手前の被写体も奥の風景もまんべんなくピントがあっている」状態に慣れきっているからだ。特に僕の場合、すっとカメラを取り出し、目の前の光景をささっと撮影するスタイルなので、この「全方位にピントが合う」のは都合がよかった。そのかわりのっぺりした画像になるけど。
今だと、「この写真でメインに撮りたいのはコレ」と一枚一枚、明確に撮影者の「意思」を込めてピントを合わせ、構図を決め、シャッターボタンを押さないといけなくなった。フルオートのモードで撮影しても、だ。
いい写真を撮るってこういうことなんだな、と今更気づかされる。適当にシャッターを押していては、ダメ。
あと、僕が想定している以上に遠近感が出て、背後のものがすぐにボケる。なので、料理の写真を撮ると、料理の上に乗ったパセリにだけピントがあって、料理本体がピンぼけ・・・といった状況が多発している。慣れるまでかなり時間がかかりそうだ。でも、とても面白い。
(2016.時期不明)
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