Zoom飲み会をやってみて気がついたこと

おうちでZoom飲み会

前回、Zoom飲み会を同時6人で開催して「これはいける!」と思った僕は、引き続きこのパターンでいろいろな人とZoom飲み会をやっていくことにした。

Zoom飲み会は従来の概念と異なるコミュニケーションのため、「勘所」というのがある。一回目の開催で気がついたところもあるし、まだよくわかっていないところもある。そのあたりを、回を重ねるうちに気づいていきたいと思っている。

初めて利用するまでのハードル

Zoomが非常に使いやすく、ユーザー登録などせずとも、PCやスマホからワンクリックで会議に参加できるのはとても大きな魅力だ。スマホを持ってメールを読み書きできるなら、実家のじいさまばあさまでも使える。

あとは、会議が始まってしまえばユーザーインターフェースは非常にわかりやすく、ご高齢者ならともかく日常的にスマホをいじっている年齢層ならば全く問題なく使いこなせるはずだ。導入部分でつまづくことは、少ない。

今後、Zoomが持つセキュリティ上の懸念がクリアできるならば、ますます裾野は広がっていくはずだ。

業務用パソコンとかで会社から貸与されているデバイスだと、会社とのネットワークに制限があったり、カメラやマイクデバイスが使えなくなっていたり、なにかとハードルが高い。でも、個人利用のPCやスマホなら簡単に使える。なにしろ、今のスマホでカメラがついていないものは(ほぼ)ないので、技術的なハードルは非常に低い。

おかでん予想

LINEグループを作ってPTA活動や町内会活動をやっている人も多いだろう。しかし、メンバーの中に「LINEはやっていないので」とか「LINEグループなんてよくわからない」という人がいて、結局その人に引きずられる形でグループのIT化が進まないという事例も、多いと聞く。

メールが使えること、そしてガラケーしか持っていないのでなければ、Zoomによるミーティングはできる。今後、LINEグループによるコミュニティはZoomに置き換わるものも出てくるだろう。

途中参加・途中退場OKにすれば、一応は参加率が上がる。また、投票機能もZoomにはついているので、評決もできる。

しかも、Zoomの場合、有料プランを使えば会議模様を録画し、不参加だった人向けに後から再生できるようになっている。参加できなかった人向けにこういうサービスを使うのも良いだろう。

MTGの最後に「本日のまとめ」を司会進行者が口頭で述べるルールにすれば、議事録を作って文章で周知するのを省く運用だってできなくはない。

家の中を見せる・見られることに対する抵抗感

中には、家を見せたくないという人もいるだろう。

でも、スマホのインカメラで撮影し、自分は小さなスマホ画面でみんなの動画を見ている状況だと、背景の映り込みは結構少ない。気になるなら、窓際でカーテンをバックに話をすればいいし、さほどこの点は問題ないとおもう。住所を特定されたくないアイドルなどは別として、友人とやりとりする分には。

あと、この問題は「テレビ電話」という概念が出てきた10年以上前から言われ続けてきたことだ。根深い問題のようではあるけれど、心理的抵抗感というのはだんだん下がってきている気がする。

おそらく、昔のテレビ電話は据え置き型端末で、リビングに置いてあって、家の中が丸見えという状態だったはずだ。しかしスマホのように移動可能なデバイスを使うZoom(等)の場合、自分に都合の良い場所にいつでも移動できるわけで、「見られたくない場所」を意図的に隠蔽できる。なんなら、トイレの中で中継したっていいわけで。

おかでん予想

「Zoom映え」という言葉がこれから誕生する。画面に映り込むインテリアを、「映える」ものにするための小物が売れるはずだ。

たとえば、一輪挿しとか、壁に飾るちょっとしたリースや時計。キャンドルや照明も。プチプラ系のお店は、「Zoom映えするインテリア小物」という提案方法で小物を開発し、売り場展開すると良い。

そうなってくると、「できるだけ背景を見せたくない」というZoom参加者とは別に、「敢えて部屋全体も見せたい」参加者が現れてきて、広角のカメラレンズが好まれるということもあるだろう。インカメラも、広角と標準レンズの切り替えができるようになるかもしれない。

「一過性の面白さ」なのか、ある程度普遍性がある面白さなのか

一番気になるのが、「これは一過性の面白さなのかどうか」だ。

この手のコミュニケーションが楽しいのかというと、今のところ「慣れないことをやっているという面白さ」の要素が強く、はっきり言って膝を突き合わせてのコミュニケーションと比べて50%程度の情報密度しかない。

なので、対面で会うニーズはなくならないけれど、遠方にいる人とのコミュニケーションができるのは魅力だ。

まだ僕らは、「遠くにいる友人と、画面を通じて飲み会をする」ということに想像力が乏しい。「テレビ電話」ならばイメージができても、画面を見ながらダベりつつ勝手に飲み食いする、というのは「わかっているつもりでも、いまいちピンと来ていない」はずだ。

今はまだコロナの影響で、「実際に会える人だけど、こんなご時世だから会えなくなった。代わりにZoom飲み会」という発想だと思う。しかし、ちょっと考えれば「そうか、この仕組を使えばどんどんいろんな場所の人とミーティングができるんだ」ということが腑に落ちるようになる。この発想の切り替えが多くの人に発生すると、どんどん魅力的な企画が草の根的にも、商業的にも立ち上がると思う。

仕事ではテレビ会議・電話会議をやるのに慣れていても、「個人的な、遊びの範疇でテレビ会議をやる」という発想はちょっと思いつかなかったりするものだ。僕がまさにそうだった。

コミュニケーションのこれから

これまでは「今度東京にやってきたときに会って飲もうぜー」なんて社交辞令的に言ったまま放置だった友人なんかと、実際にZoomで会って遠隔地同士で飲むことができる。

そして、「ちょっと関係性を維持したいけど、わざわざ会ってまで飲みたいとは思わないな、あの人酔うと面倒くさいし」という人ともZoomでなら適当に繋がれる。

さらには、これから経済格差がますます広がっていくことも考慮に入れる必要がある。同じ仲間同士の飲み会であっても、年収1,000万円の人と年収300万円の人とがいると、全員の懐事情と趣味嗜好を納得させられるお店選びは難しい。

家飲みだと、そういう問題が解消される。各自が、飲みたいもの食べたいものを自分の財布で買ってくればいいのだから。お酒が飲めない人だって、気軽に参加できる。

僕みたいにお酒を飲まない人は、酒をガンガン飲む飲み会に参加して居心地が悪い時がある。雰囲気についていけないのと、出てくる料理が酒肴なので味がちょっとあわないのと、いくら割り勘で配慮してもらえても、やっぱり割高感があるからだ。その点、Zoom飲み会ならば全く気にしなくていい。酒を飲まない人こそ、Zoom飲み会に参加して飲兵衛たちと会話をすると楽しいと思う。

おかでん予想

これまで、幹事を任された人は、

「打診した人からなかなか参加可否の連絡がこないのでやきもきする」
「ドタキャンされたので、結局費用を幹事が払った。全員に請求すると揉めるし」
「お店と予約や人数確定の電話連絡をするのが面倒」
「参加者から『ごめん、今小銭がない。今度会ったとき払う』と言われて1ヶ月経っても支払ってもらえていない」
「きりの良い数字でワリカンにしたら、幹事が端数分負担してこれまでの累積損が結構馬鹿にならない」
「選んだお店に対して、参加者から『なんでこんなお店にしたの』と不満を言われた」

という経験をした人はものすごく多いはずだ。幹事をやるだけ無駄。幹事をやるだけストレスが溜まる。ますますそんな時代になってきている。僕がまさにそうで、最近は幹事をやることがあっても、できるだけローテーションで他の人にも次回以降責任を回したいと思っているくらいだ。

そんな人向けに、Zoom飲み会は良い。もちろん「美味いものをみんなで食べに行こうぜ!」「いいねえ!」っていう会ならば、お店に行く必要があるし、従来どおりの幹事は必要だ。しかし、なんとなく義理で集まって飲む、的な会であればわざわざお店を選ぶことはない。とっとと「今回はZoomでやります」と宣言しちゃえばいい。

外食産業のこれから

遠隔地の人とコミュニケーションが簡単に取れるようになったので、「食事会・飲み会」そのものの市場規模は拡大する。ただし、外食産業が潤うわけではない。宅飲み需要が見直され増加することで、外飲み需要はある程度縮小を余儀なくされるだろう。

カフェは影響が少ないかもしれない。奥様がお昼に集まって井戸端会議をする、といったニーズはZoomでは代替できないと思う。外出して気晴らしするというのが重要な要素だからだ。あと、外で気分転換しつつ読書やPC作業をやりたい、と思っている人は、相変わらずZoomを使う。

夜の集まりに関して言えば、Zoomなどに外食産業は一部食われることになる。

おかでん予想

外食産業は、こういう「宅飲み需要」に応えるために、どんどんテイクアウトメニューを充実させるべきだ。お店で飲む、というのは「コミュニケーション選択肢の一つ」に過ぎなくなる、ということを真剣に考えるべきだ。

コロナ禍が終わって、「やれやれ通常営業に戻ろう」とテイクアウトをやめるのではなく、今回始めたテイクアウトを継続させた方がいい。

その際は、インテリアがそうであるように、「Zoom映え」する料理のニーズが絶対にある。

・彩りが良い
・料理の高さや太さ、大きさがある
・意外性がある
・音がするなど、目を引きつける要素がある

というのがZoom映えすると思うので、単にコンビニ弁当的なものを売ればよいのではないし、晩酌セット的なお惣菜でもつまらない。見栄えをもっと考えた方がいい。

家飲みのあり方

おうちでZoom飲み会

これは、昨日家でやったZoom飲み会の時の食卓。結果的に改善の余地あり、と思った。

まず、Zoom飲み会というのは画面を凝視してしまう。相手の声を聞き取り、わずかなタイムラグを考慮しつつ、相手と会話を成立させるのは結構な集中力を必要とする。お味噌汁をすすったり、御飯をむしゃむしゃと食べている暇がない。一対一のミーティングなら、なおさらだ。

このため、サラダなんてとても食べづらかった。

慣れてくればもう少し器用に取り回せるのかもしれないけど、Zoom初心者なら特に、「簡単に食べられるもの」に特化した方がいい。唐揚げとかフライドポテトといった手でもつまめるもの。または、おしゃれにいきたいなら爪楊枝を使ったピンチョスとか。

そして、盛り付けるお皿にも工夫がいりそうだ。

平皿が良い。器の形をしていると、画面で見て何の料理があるのか、全然わからない。自分の顔だけ見せて飲み会に参加するならともかく、自分のところのテーブルと料理を公開しつつ、Zoom飲み会をやるならば器の選択は重要だ。

おかでん予想

簡易な料理がこれからより一層流行るし、平皿も売れるかもしれない。

食器も、これから新しいものを買おうというニーズが高まると思う。

2020年4月12日に感じたのはざっとこんな感じ。きりがないので文章はここで終わり。

新しいビジネス

外食産業は、みすみす宅飲みにシェアを食われるということはない。新しいやり方はある。テイクアウトで宅飲み需要に寄り添うやり方の他に、「ウチでZoom飲み会ができます」というお店があったっていい。

外食のお店でZoom飲み会、というのはピンと来ないかもしれないが、遠方の友人と飲み会をやるのであれば十分にありえるだろう。

・自宅を見せたくない
・せっかくだから美味いものを食べつつZoom飲み会をやりたい
・料理の準備、後片付けが面倒なのでお店に任せたい

という人向けに、Zoom飲み会ができるブースを持つお店、っていう業態は新しく立ち上げられる。ラーメン店「一蘭」のように一人ひとりパーティションを区切った形でのブースでもいいし、一人カラオケ「ワンカラ」のようなネットカフェ的スペースでもいい。または、カラオケボックスを改装して、多人数でもZoom飲み会に参加できるようにしてもいい。

Zoomというのは「お一人様、対、大人数」とは限らない。こっちだって人数が多いことがあったっていい。

まだまだこれからアイディアの出しどころだろう。

(2020.04.12)

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