レストランみどり

『ランチバイキング』
(広島県広島市南区霞)

2ちゃんねるで、たまたまこんな記事を発見した。

広島大学病院¥500でランチバイキングが食べ放題

1 名前:やめられない名無しさん 投稿日:04/11/22 01:08:50
広島大学病院新館2階にはレストラン「みどり」があります。
このレストランには(年末年始を除く)平日・土曜・休日・日曜・祝日構わず
午前11時から午後2時(14時)まで500円でランチバイキングを実施している。
料金は消費税込みで500円で入り口の食券自動券売機で購入してから中に入る。
消費税込みで500円でご飯やランチバイキングの10数種類の「おかず」が食べ放題だ。
非常にきれいで、できたばかりだが、地位の高い人や著名人の来訪が非常に多い。
オレは、広島大の学生だが、どんぶりで8杯ほど食ったことがある。
ただし、入院患者と広島大学に在学する学生、大学院生、留学生など学生に身分を置いている
全ての学生は利用が禁止されている。
見つかった場合には処罰の対象となっている。
利用者は一般の方々や、病院面会者、病院関係者、広島大学職員に限定されている。
そういう私は、こっそりと、毎日、東広島市の広島大のキャンパスから授業を抜け出して
食べに来ている。

広島大学病院は郵便番号734-8551広島市南区霞1丁目2番3号で
広島駅からは広島大学病院行きのバスに乗ればいい。

間違えて、東広島市の広島大学キャンパスには行かないように!!

500円でランチバイキング?いくら広島の物価は首都圏と比べて安いとはいえ、500円ってちょっと驚きのお値段だ。今日び、日本全国どこへ行ったって、定食メニューと呼べる料理を注文したら500円以上するだろう。なのに、このお店は500円で「食べ放題」なのだという。一体どんなひでぇ料理がでてるのだろうか。

ああ、「ひでぇ料理」と断言してしまった。申し訳ない。これはあくまでも冗談だ。味が美味いかどうかは兎も角、500円で食べ放題を提供するなんて神業としか思えない。国立大学の付属病院内食堂、という立地条件が価格を抑えた最大の功労者だと思われるが、それにしても安いわなぁ。

立地条件の良さ、といえば私の勤務先の社員食堂だって、その性質上料金は抑えられているはずだ。にもかかわらず、定食を注文すると500円を下回ることはまず無い。500円食べ放題、というのがいかに奇跡かということが伺える。

もっとも、病院に出入りする人で、お昼からおなかいっぱいになるまで料理を食べる人間がどれだけいるのかは判らない。とりあえず腹ぺこな学生たちは排斥しているようなので、お見舞いに来る人=中高年の方中心=「みどり」の利用者、ということになるだろう。それだったら、お店の経営が傾くほどバカ食いする人というのは割合が少ないかもしれない。

何にせよ、「500円のバイキング」には激しく惹かれた。一体どんな料理が出てくるのだろう、と興味津々だった。早速、広島に帰省したタイミングで広島大学病院に行ってみることにした。

昔の喫茶店風看板

どうでもいいことだが、「広島大学付属病院」じゃないんですな。「広島大学病院」という名前だ。31年間生きてきて、初めて知った。

さて、目指すレストラン「みどり」は、新しいビルである入院棟の2階に位置していた。隣には入院患者向けのよろず屋というかスーパー的な店舗があって、比較的往来が多い。車いすで移動しているお年寄り、白衣の看護師が行き来していて、「ああ、そういえばここは病院なんだな」ということに気が付く。

・・・もっと早く気づけ。敷地をまたいだ時点で気づけ。

いや、ごもっともなんだけど、今回は「病院に食事に来ました」というお気楽なスタンスだった。そのため、なんか白衣見たらびっくりしちゃって。病院に行って白衣見てびっくり、っていうのは滑稽な話だが、実話だ。そういえば最近病院に行ってないな。

なんだかここが病院の入口、みたいな大きな自動ドアの入口

2ちゃんねる情報によると、入院患者と学生は利用禁止という事だったが、とくに入り口近辺には何も記述がなかった。

レストランは、さすがに新しいビルだけあって小ぎれいな作りだった。もっと、殺風景でだだっ広くてくすんでいて、プラスチックの湯飲みとチープなプラスチックトレイがよく似合うような場所かと思っていたが、さにあらず。そうか、病院ってのは日々サービス面でも進歩しているんだなあと思った瞬間。

話は脱線するが、私の祖父母が入院していた病院は、建物の中に植物園があった。温室がある病院。一体なんのために作ったのだろう。患者の憩いの場として、だとは思うが、場所が場所だけに「トリカブトを栽培して毒を」とか「実はケシを栽培していて麻薬を」といったブラックジョークが頭をかすめる。

レストランと名乗るだけあっていろいろメニューあります

てっきりこの食堂はバイキング専門なのかと思ったが、一品料理もごらんの通りずらりと提供していた。まあ、「ずらり」といっても、品そろえは一昔前のデパート屋上にあった大食堂みたいな感じだが。

オムライス、チャーハン、カレー、丼もの、うどん・そば、ラーメン。

今時こんなサンプルを見るのも久しぶりだなあと思う、光沢のあるサンプルを眺める。

値段はというと、えーと、チャーハンが400円。きつねそば350円。カレーライス430円・・・。あれれ?世の中一般的な値段よりは安いと思うが、飛び抜けて廉価というわけではないのだな。カツカレー530円、これなんてバイキングよりも高くつく。

ますます頭の中に「?」が沸いてくる。一体どんなバイキングなんだ。

牛ヒレステーキオリエンタル風に気を取られてはいけない。バイキングランチが目当てだ

「本日のお薦め」を店先に飾るのによく使う、メニューボードを発見。

「本日のスペシャルランチ800円」の下に、「本日のバイキングランチ500円」の文字を発見。

バイキングランチは総菜25品目の中からお好きなものをお取りいただくことができます

と書いてある。これだ、目指していたものは。やっぱり500円で間違いはなかった。え?25品目もお総菜があるの?それだけたくさん作ったら、手間がかかるだろうし閉店時に余り物が出るリスクも抱えてしまう。それでも500円か。ますます興奮気味のわたくし。

「1品目あたり20円だぞ、全種目食べたら」

と、あんまり意味をなさない計算をして、ますます興奮する。

自動食券機で食券を購入する

食券を自動販売機で購入しなければならない。バイキングは、幼児100円で、小学3年生までが250円、それ以上が500円という3段階の区分けになっていた。幼児でバイキング食べる人なんているのか?親が自分の料理を子供に分け与える、ということを禁止しようという考えだろうか。むむむ。

それにしても、やけに細かく年齢を区切って料金設定をしているものだ。感心する。500円でランチバイキング!というと、ドンブリ勘定で来店者数を想定したり料理の準備をしているようなイメージがあるが、この価格体系を設定するということは、綿密なシミュレーションに基づいているのかもしれない。

・・・考えすぎのような気は、するが。

バイキングランチBの食券。500円で間違いございません。

購入しました、「バイキングランチB」という食券。ランチバイキングではなく、バイキングランチと名乗るあたりにこだわりを感じさせる。何が「B」なのかは不明。「A」というのがあるのだろうか。

あ、Aってのはスペシャルランチの事を指しているのか。なるほど。

親切に時間が遅くなると総菜が減るよ、と教えてくれている。

まだ店に入らない。

これだけ、店に入る前に写真を撮りまくっているというところからも、ワタクシの興奮っぷりがよく伝わると思う。興奮すればするほど、ありとあらゆる光景を写真で収めたくなる。

お店の入り口には、こんな張り紙がされていた。

まあそうだよな、閉店時間まで潤沢に料理を供給するなんて事はしないよな。おっと、時刻は既に13時を回っている。14時でバイキングは終了するので、ちょっと急がなくちゃ。

渡されたお皿は大きい!顔が隠れるくらいだ!これに盛り放題!

店にはいって、おばちゃんに食券を渡す。すると、おばちゃんから「はい、これ」とトレイを渡された。トレイには、既にお皿とお茶碗、汁碗と割り箸がセットされていた。むむ、これを使って盛れということか。準備がいいな。

感心させられたのは、お皿が非常に大きかったということ。よくありがちなのは、たくさん盛られるのを嫌うお店の策略で、小さいお皿しか用意していないということ。いろいろ食べたいと思っても、テーブルと料理の間を何往復かしなければならなくなって、面倒に感じて「まあ、もういいや」となる。お店の思うつぼだ。

今回、そんな策略は500円バイキングこそふさわしい、と思っていた。しかし、予想を180度上回る、「これに好きなだけ盛ってください!」という気合いの入った巨大皿。凄いねえ、お店として、自身満々に「さあ食べてください」という姿勢を示してくれているのがうれしい。

結構な大皿なので、「まさか1回盛り切りで、おかわり禁止のお店なのか?」と不安になったが、ちゃんと「おかわり自由」という張り紙が張ってあった。何から何まで、われわれの理想型を表現してくれている。ありがたい。

ずらりと並ぶ総菜ちゃんたち

で、肝心の料理がヘロヘロだったらどうしようもないのだが、これがアンタ、結構本格的なのですよ。肉もあるし野菜もあるし汁物もあるし和洋中あるし。なんだ、下手なビアガーデンの食べ放題メニューよりもはるかにイイカンジですよこれは。

冷菜はちゃんと冷やされているあたり気配り十分

こちらにも料理が。確かに、25種類以上並んでいる(漬け物類含む)。いやぁ、驚いたなあ。これで500円だなんて。

ご飯にはご丁寧にふりかけまで用意されている

ご飯とおみそ汁も。ご飯は、白米と炊き込みご飯の2種類が用意されていた。白米用にふりかけもスタンバイ。おみそ汁は、葱を自分で好きなだけ入れることができるようになっていた。

うん、これは確かに広大の貧乏学生たちが禁を犯してまでも潜入する訳がよくわかった。これだけいろいろ食べることができるんだったら、1日分の食事をここで済ませてしまおうと考える人間が続出するに決まっている。

あるもの全部盛っちゃいました

さて、社会人生活9年目の「貧乏ではない」おかでん様の盛り方はというと・・・。

盛っちゃいました。陳列されている料理、全種類を一つのお皿の上に、全て。そこまでやらなくても、と思ったのだが、500円の重みをぜひ体感したいと思い、何とかお皿に詰め込むだけ詰め込んだ。やりすぎだ。

しかし、これだけ盛って500円。どうだ!

本来、「美貌の盛り」はバイキングを対象にしていない。食べ放題であれば、いかようにでも盛りを加減できるからだ。もっとナチュラルな、お店がお客に料理を出したまんまの状態で美貌であることが条件としてきた。

しかし、今回はあえて、バイキングであるにもかかわらず「美貌の盛り」で紹介することにした。この盛りを見たら、納得せざるを得まい。いや、美しい盛りだとか、縁ぎりぎりまで料理を盛った俺ってすげぇ、なんて言うつもりはない。500円で、これだけの種類を、取り放題取っちゃったという事に対して非常に美しさを感じるのだ。

料理の境界線が行方不明。これは美貌ではない!

せっかくなので、盛りをアップで。

「一日30品目以上食べよう」という事はよく言われるが、どうですかこのお皿。「一皿で30品目食べちゃいます」と言える。漬け物の横に肉じゃががあって、その横にカボチャがあって、ともう何だかすごいありさまだ。味が渾然一体となってしまっている。

まあ、胃袋に収まる前と、収まった後の状態に大して差は無いのではないか、と真剣に思う。

「どれから食べようかなー」といいながら、思いっきり迷い箸。お行儀が悪いが、これほどまで迷わせるお皿はなかなかないだろう。

味のほうは・・・塩辛いねぇ。この日、たまたまだったのかもともとそういう味付けを指向しているレストランなのか判らないが、食べていくうちに喉が渇いて仕方が無かった。しまった、かやくご飯にするんじゃなかった。これは明らかに白米向けだ。

同席した仲間も、「これは塩っ辛い」と顔をしかめていた。なるほど、少量のおかずで大量のご飯を食べる、というのが500円バイキングランチのあるべき姿・・・なのかもしれない。

味はあまり口にあわなかったが、それでもこのバイキングランチは尊敬に値するメニューだと断言できる。こんな存在が、突然変異のように大学病院の中に現れたというのは奇特としか言いようがない。危篤、じゃないぞ、奇特だぞ。今後、この「みどり」が有名になったら、お昼時には行列ができるんじゃないか。そんな気がする。ただ、大学病院ゆえにキャンパスが非常に広大であり、外部からわざわざこの食堂にたどり着くにはちょっと時間がかかる。それもあって、危惧する行列という事態にはならず、「知る人ぞ知る」お店のままずっと愛され続けるのかもしれない。今後のこのお店に注目したい。

ps.
「入院患者は利用できないって、そりゃそうだよな。こんな塩気が強い料理食べたら、病気が一気に悪化しそうだもん」なんて話題で盛り上がったのは内緒だ。

(2005.08.17)




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