お寺から一足早い誕生日のお祝いが届く

いしが妊娠中、実家の両親が安産祈願でご利益があるとされるお寺にお参りしてくれた。わざわざ戌の日にあわせて、だ。

その時拝領した腹帯が送られてきて、いしは腹帯とともに妊娠後期を過ごした。といっても、グルグル巻きの包帯みたいなものではなく、へそ上までの長さがあるパンツタイプの腹帯なので脱着自在。実際は気が向いたときだけ、腹帯を巻いていたようだ。

さて、実際にはご利益あってか安産で健やかな子どもが産まれたわけで、そうなってくるとこの腹帯をどうすればよいのか?ということになる。さすがに燃えるゴミで捨てるわけにはいかないだろう。かといって、神社の「古札お焚き上げ」で奉納するのも宗教が違う。

結局、コロナの間隙を突いて、感染者数が激減したタイミングでそのお寺に母子ともども参拝し、お礼参りをした。

応対してくださったお寺の方に、「えっ、祈祷はされないんですか?」と聞かれた。「ええ、授かった腹帯を奉納だけしたいんですけど」というと若干困惑された。あれっ、奉納だけっていうのはイレギュラーなのか。

どうやら、無事産まれた子どもについては、神社でのお宮参りと同様にお寺の祈祷所に上がって成長祈願をするのが一般的らしい。しまった、そういうことまでは考えていなかった。というか、今更そこまでのことは考えていない。

周囲を見渡すと、ちょうど10月ということもあって、七五三のために訪れた子どもたちが結構いた。えっ、お寺でも七五三やるのか。知らなかった。

若干の「えっ」「あれっ?」というお互いの困惑があったものの、快く奉納を引き受けてくれた。ただし、腹帯そのものはご自身で処分して構わない、とのこと。護符だけを奉納した。

最近になって、何やら季節外れの年賀状みたいなハガキが届いた。

何事だろう、と思って見てみたら、その安産祈願のお寺だった。「満一歳のお誕生日おめでとうございます。」と書いてある。えっ、いや、まだ弊息子は11ヶ月目なんですけど。

フライングお誕生日お祝い。弊息子タケは世界最速のハッピーバースデーを祝われることになった。

「なんだろう、お礼詣りに伺った際に記帳した住所や生年月日に書き間違いがあったのかな?それともお寺が間違えた?」
「さすがにお寺が間違えるとは思えないですよ」

夫婦で首を捻る。しかも、誕生日のジャスト一ヶ月前、ちょうど生後11ヶ月目の日に届けられている。この日を狙ったようだ。

「これ、産まれて無事1年経ったんなら、ぜひお参りくださいね!というお声がけなんじゃ・・・」
「それだ!」

なるほど、よく考えられているものだ。

(2022.02.12)

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