新幹線に釘付け

弊息子タケは電車が好きだ。

新幹線を指さして「でんしゃ!」と叫ぶ。

そういう様子を見て、周囲の親族とかから「やっぱり男の子だねえ」と言われる。

まだ2歳にも満たない弊息子に対して、「男の子だから○○」といった古典的なジェンダー感に基づいた教育や遊具の提供はしてきていない。それでも、なぜか彼は鉄道を好む。車も、そう。

同世代の女の子の遊びというのは、間近で見る機会がほとんどないのでよくわからない。でも確かに、姪が小さい頃にプラレールの電車で遊んでいる様子を見た記憶がない。

それはともかく、親としてはちょっと思案のしどころだ。ここで、「弊息子は鉄道が好きなんだな」と鉄道に関係したおもちゃや本、動画を与えていくのも選択肢の一つだし、「鉄道が好きなのはわかった。では、それ以外の好きなものもあれこれ探してみよう」と敢えて鉄道以外のものに接する機会を増やしていくか。

僕はいまのところ後者のスタンスだ。結果的に鉄道オタクになるにしても、鉄道の周囲、そしてその外にある世界との関連性と紐づけて考えられる人になっていてほしい。

彼を僕なりに観察していると、「鉄道が本当に好きだから好き」なのではなく、「鉄道という概念を(自分の数少ない知識や経験の中で)獲得したから好き」にすぎない。これは、ひたすらゾウの絵本を見ながら「ゾウ!」と叫んでいるのと一緒だ。ゾウが本当に好きかどうかはともかく、「知っているよ!」ということが嬉しいからゾウが好きなんだろう。

若いって本当に素晴らしいな、いくらでも将来に選択肢がある。格差社会だの分断した世界だの言われるご時世だけど、建前上、子どもには無限の可能性がある。

彼が大人になる頃の社会がどうなっているかは、僕にとってはまったく想像がつかない。真面目に学校に通って良い成績をとって有名な大企業に入る、という王道ルートが廃れるということはないだろうが、そうではないイレギュラーなルートの人が社会的に成功する事例が増えるだろう。

だからこそ、親として子どもに対してあれこれキャラクターの矯正をしないほうが良いのではないかと考えることもある。ただ、イレギュラールートで大成する人というのは特殊な事例であり、ほとんどの人はノーマルなルートで勤め人になるという人生を歩むことになるのだろう。

弊息子タケが特殊な才能を持っているとは思えないので、まずはノーマルルートで進むことができるよう、彼を誘導していくことになる見込みだ。

(2022.09.19)

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