
お祝いごとがあったので、親はそれなりの食事を食べた。
弊息子タケだけ通常の粗食、というのはかわいそうなので、好物のハンバーグを与えた。
ハンバーグといっても、肉のハナマサで売っている、2個1パックで数百円程度の安いやつだ。肉ばっかりでなく、豆腐か何かの混ぜものがそれなりに入っているから値段相応のハンバーグ。でも、タケはこれが大好きだ。
いつもなら、半分だけとか1/4カットで、という与え方をしている。しかし今日はお祝いということで、ハンバーグまるごと1枚をお皿に盛ってみた。食べきれなかったり味に飽きたとしても、今日は特別なのでオッケー、ということで。
すると、彼はハンバーグの真ん中にスプーンをつきたて、ほじりながら食べ始めた。こういう食べ方があったのか!と目からうろこで、心底驚いた。
僕だったらどうだろうか。ハンバーグを真ん中から食べるということを思いつくかというと、まっっったく思いつかないだろう。端から食べるという発想しか出てこない。いかに自分が常識という枠に閉じ込められているか、よくわかる。
タケがこのままハンバーグを食べ散らかして残したならお行儀が悪いけど、見事なまでに全部食べてしまった。あまりに好きすぎて、胃袋のキャパを上回るレベルでも食べずにはいられなかった模様。ああ、こういう「大好きなものをお腹いっぱい食べる!」というエナジーも僕は忘れているな。
肉体的衰えよりもなによりも、「思いつきと情熱」が損なわれていることに、自分の老いを感じる。こういう話を人にしても、なかなか受け入れてもらえないのが辛いところ。
(2022.10.12)
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