2歳なのに「健康歩道」を歩く

ごくたまに、公園の片隅に「健康歩道」が設置されていることがある。

中国や台湾で時々見かける、「足の裏を刺激して健康になろう」という歩道だ。そのため、地面には大小様々な石が埋め込まれていて凹凸が作られている。そんな場所が長い廊下として作られているので、「健康歩道」と呼ばれる。

健康歩道の上を歩くと、自分自身がびっくりするほど痛みを感じる。痛くて動きがギクシャクしてしまったり、その場から身動きできなくなってしまうこともある。そういう身体現象が僕にとっては面白く感じるし、この痛みに耐えたら今よりもっと健康になるのではないか?という期待もある。だから健康歩道は大好きで、見つけたら必ず僕は歩くことにしている。

この日、初めて訪れた隅田川沿いの公園に健康歩道があった。

さっそく靴を脱いで歩道を歩き、「痛い!ああ痛いなあ、これは厳しいなあ」と言いながらペンギンのようによちよち歩きをして痛さを楽しんでいた。

するとそれを見た弊息子タケ、健康歩道が何か面白い遊具だと勘違いしたのだろう。自分も靴を脱いで、歩道の上を歩き始めた。これにはびっくりした。

いしが「やめておいたほうがいいよ、痛いよ」と静止するが、タケは静止を振り切り、一人でどんどん歩いていった。

タケの足は、痛くないのか?

彼はまだ体重が軽いから、彼の足裏に負担がかからないのかもしれない。または、大人用に作られた健康歩道なので、子どもの足にとっては凹凸が大きすぎて、足の裏に突き刺さるような出っ張りがないのかもしれない。または、彼が健康だから痛くないのかもしれない。

いずれにせよ、マッサージなどで大人が喜ぶ「痛いけど気持ちいい」という感覚は、2歳児には理解できるわけがない。単に痛いだけだと、すぐに嫌がって歩道から逃げるはずだ。しかし彼はアスレチックを楽しんでいるかのように、健康歩道の石の上を歩いていた。

子どもってすごい。

(2023.03.19)

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