弊息子、お子さまランチの弁当箱にご満悦

僕らが実家に帰省するとき、少し気を遣うことがある。それは、僕らを迎え入れてくれる親が、すでに年齢が高いということだ。

昔のように「帰ったよー」と気軽に玄関の扉を開け、「お腹空いた!今晩の食事は何?」と無邪気に親に聞く、ということはしないほうがいい。自分が想像しているよりも、遥かに親は受け入れが大変だ。できるだけ親に負担をかけないように、子どもとして気を配りたい。

そんなわけで、滞在中のご飯はお弁当で済ませよう、とか布団の準備と後片付けは自分たちで完全にやろう、などといろいろ省力化が行われている。

実家に帰省中のある夕食時、僕ら全員はスーパーで買ってきたお弁当を食べることになった。

弊息子タケに用意されたお弁当は、大人が食べるものよりも大きなサイズだった。それは、青い車の形をした容器に弁当が盛られていたからだ。あっ、お子様ランチだ!

こんな子ども大喜びな容器で弁当が売られているのを見るのは初めてだ。

いつでもこんな楽しい弁当が売られているのか?と義母に聞いてみたら、「普段はお店で見かけないけど、今日は売っていた」という。なんでだろう、と思ったら、ちょうど今日が「こどもの日」だったからだ。あっ、そうか、こどもの日には子供向けの特別な弁当が売られるのか。

この弁当箱を見て、タケが喜ばないわけがない。むしろ、弁当の中身よりも、容器に喜んでいる。しかし、彼の理解ではこれが車だとは思っていないのかもしれない。どちらかというと、「他の大人たちとは違う、何か特別な箱に入っている」という優越感による喜びの方が強そうだ。

これは僕の推測に過ぎないが、彼にとって車というのは、車輪があって押せば転がるものなのだろう。この弁当箱のように、「外観は車だけど、車輪はついていないし押しても転がらない」ものは車として認識できないか、認識できていても遊ぼうとは思わないようだ。

むしろそれでよかった。彼が食事そっちのけで車の形をした弁当箱で遊び始めたら、お行儀が悪いですよと彼に親が注意しないといけないところだった。

(2023.05.05)

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