大人の常識に子どもが染められていくのが果たして良いのだろうか?

弊息子タケが1回トイレトレーニングに成功するたびに、僕は彼にシールを1枚渡している。

そしてそのシールを貼るための台紙は、トイレの扉に貼っておいて、彼が好きなところに貼れるようにしている。

台紙は線路と列車の絵が描かれていて、シールは客車がデザインされたものだ。なので、基本的には先頭車両の後ろから順にシールを並べて貼っていくことになる。

ただ、子どものセンスというのはそういう大人の常識とは違うところにあり、時々シールの向きを上下逆にして貼ったり、線路がない野原に貼ったりもする。

こういうとき、「これは上下逆だよ」と指摘するのが良いのか、それとも「これも子どもの個性だから、暖かく見守るのが正しい」と放置したほうがいいのか、判断に困る。

彼の個性を伸ばすにしても、まずは常識を知ってもらったほうが良いのではないか、と僕は思うので、彼のやっていることを否定しないよう言葉を選びつつも「大人が考える常識的なシールの貼り方」に彼の行動パターンを誘導する。

本当にこれで良いのだろうか?いつも僕は悩む。

悩んでいるうちに、彼は「台紙を一気に手で薙ぎ払い、これまで貼ってきたシールの大半を剥がしてしまう」というグレートリセットをやった。「これでもう一度シールを貼る楽しみができた!」と彼が喜んでいるなら、僕は「知恵が働くなぁ」と感心するのだが、彼がやったことは単にシールを剥がして散らかすだけだった。単なるクラッシャーだ。

彼が剥がれたシールをそのままにしてトイレを立ち去ったあと、僕は剥がれたシールを「大人のルールに基づいて」並べ直し、二度と剥がれないようにセロハンテープで台紙に固定した。

(2023.05.15)

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