あじさいとタケ、それよりもゾウ

東京・王子に「あじさいロード」と呼ばれている狭い道がある。JRの線路と、飛鳥山との境界部分にある、細い路地だ。

6月になると、飛鳥山の斜面一面にあじさいの花が咲く。おかでん家では、このあじさいを見るために毎年この地を訪れている。

堀切菖蒲園で花菖蒲を見ても弊息子タケは殆ど興味を示さなかったように、このあじさいロードでも彼の感動を引き出すことはできなかった。これは仕方がない。でも、タケは終始ご満悦だ。

というのも、ついさっき、西松屋でゾウさんの形をしたジョウロを買ってもらったからだ。こんなもの買う予定は全くなかったのだけど、店頭で売られているのを彼が発見し、とんでもなく執着した。買ってくれないと暴れるぞ、といわんばかりのこだわりっぷりで、店から彼を遠ざけても泣きながらゾウのところに走って戻る、という有様だった。

しかたがないので買ったのだが、なんでこのゾウが良いのかさっぱりわからない。このゾウのデザイン、数十年以上昔からあるはずだ。大してかわいいとは思わないが、なぜか子どものツボに刺さるらしい。

100円ショップで売っているならともかく、これは500円近くした。予想外の出費だ。

それでもタケは大満足で、この日はあじさいを背景に満面の笑みで記念写真を撮ることができた。まあ、本人がそこまで喜んでいるなら、いいか。

でも、彼のゾウへの執着は翌日以降も続き、保育園に持っていこうとして親に取り上げられて朝から大号泣、というドタバタの原因へと発展していった。子どもって、一体何にどういう理由で執着するのか、さっぱりわからない。

(2023.06.17)

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