じゃばらのおもちゃ、「アオ」に対するこだわり

弊息子タケを連れてスーパーで買い物をしていたとき、彼が幼児向けおもちゃコーナーで強固に「これほしい」と主張を繰り返したものがある。それが、写真で彼が手に取っているジャバラのおもちゃだ。

僕は彼に安直におもちゃを買い与えたくない。家がおもちゃであふれるのは個人的にイヤだし、タケがいろいろなおもちゃを雑に遊んで、飽きっぽい性格に育つことも危惧している。

しかし今回は、彼がヘルパンギーナの病み上がりということもあって、彼のリクエストに応じておもちゃを買ってあげた。値段は500円弱だったと記憶している。「100円ショップのおもちゃで済ませたいんだけどなあ、高いなあ」と僕は思いながら、彼の希望のおもちゃを買った。

なにせ、彼を毎日保育園に送り出してはいるものの、いつ園から「彼の体調が悪くなったので、お迎えに来てください」という電話連絡が入るか、ヒヤヒヤしていたからだ。そういう事態になったら、彼を家で遊ばせる手段を僕が考えておかないといけない。

本当は、彼は冷蔵庫のおままごとができるセットを欲しがっていた。でも、牛乳パックやら野菜やらのミニチュアがたくさんパーツとして付属していて、これが家中に散乱したり紛失するのはイヤだった。なので、なんとか彼の関心を別の方向にそらし、なんとか納得してもらったのがジャバラのおもちゃだ。

なんで彼がこれを欲しがったのか、理由はよくわからない。単にカラフルで目に止まっただけかもしれない。

でも、袋から出して彼が遊び始めて、なるほどこれは子どもが好きなものだ、と感心した。

これ、という決まった一般名称はない商品のようだが、「ポップチューブ」という言い方をすることがあるおもちゃらしい。

チューブを引っ張ると、ビチビチビチ!と音を立ててジャバラが伸びて、伸びっぱなしの状態になる。チューブを押し込むと、引っ張ったときとは違う音程でプチプチ!と音がして、ジャバラが短くなる。

伸ばしたり、縮めたりするだけでもちょっとした気晴らしになる。

さらには、ジャバラを折り曲げたり輪っかにしたりすることができる。バネと違い、まっすぐの形に戻ろうという力は一切働かない。なので、自由自在に変形できる。また、ジャバラ同士を連結し、長いチューブを作ったり、輪っかを作ることもできる。

これを手に入れた彼は異様なまでにジャバラに執着し、それ以降半月くらいはずっとこれで遊び続けた。特に、彼がこのおもちゃを手に入れた直後、僕が彼に色を教えようとしていたこともあって、彼はこのジャバラのおもちゃのことを「アオ」と呼ぶようになった。そして、実際に青色のジャバラは特別な存在として彼の頭の中にインプットされ、この青色のジャバラが見当たらなくなると「アオは?アオは?」とベソをかき、うろたえ、家中をウロウロするようになった。

「青じゃない色のジャバラならあるよ」と別のジャバラを渡しても彼は納得せず、「アオはどこ?」とキョロキョロしている。なんだ、君は色の概念がわかってるじゃないか。

「この色は何?」と聞くと、未だに「とりあえず『黄色』と答える」癖が抜けておらず、色の認識が下手くそなんだけど。青色だけは覚えたらしい。

毎朝、保育園にアオを持っていこうとして親に阻止されたり、食事の際に食卓に持ってこようとして親に回収されたり、このアオのせいでドタバタが増えた。

(2023.06.24)

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