高尾山でもっとも子どもが興奮した場所は、駅のすぐ近くにある川辺だった

高尾山ビアマウントに行く、というのが僕らにとっては定番行事になっている。

友人で「シーズン中は月に1度、夫婦で必ずビアマウントに行く」という人がいる。千葉県在住なので、片道2時間はかかる大移動だ。それでもビアマウントを目指すほど、魅力的な場所だ。

ケーブルカーを使って山の中腹まで登るので、何一つ運動をしていないのだけど何だか運動した気分になる。なので気持ちよく飲み食いできる。そして、ビアマウント自体が飲食店としてとても素晴らしい。

運営母体である京王電鉄は、このお店に到達するまでの乗り物運賃で稼げばよい、というビジネスモデルなのだろう。お陰でビアマウントは飲み食べ放題なのに、値段が安い。今年はさすがの物価高の影響で値上がりして残念だが、それでも世の中一般と比べて安いと思う。

弊息子タケは、屋外のビュッフェを存分に楽しんでいた。狭い店内と違って歩き回ることができる。屋外とはいえ、ちゃんと周囲が仕切られているので彼が迷子になる心配はない。親が彼にピッタリとくっつき、マンツーマンディフェンスをしないで済む。

彼は二言目には「公園は?公園!」と言う。すぐに公園に行くことを希望し、主張する日々だ。しかし、実際に彼を公園に連れていっても、その公園に遊具が置いていないと彼は納得しない。「抱っこ!」と僕に言って、公園内をお散歩することさえ拒否する省エネモードになる。

そんな彼なのに、高尾山ではいきいきと走り回るのでびっくりした。今回は時間の関係で山頂を目指さなかったのだけど、たこ杉のあたりまで行って走ったり、縁石を平均台がわりにしてバランスを取りつつ歩いたり、遊び倒していた。なんでこんなに彼が盛り上がっているのか、親としても意味不明でびっくりだ。

それでも、まだ帰りたくないと抵抗することもなく、思いっきり遊んだあとはすんなりと帰り道についた。こんなにメリハリがはっきりした遊び方をするのは珍しい。きっと疲れたからだろう。

京王電鉄の高尾山口駅に向かっていたら、道端に人工的に整備された河原を見つけた。平らなコンクリートが川に埋設されていて、川の水位より微妙に低いくらいの高さになっている。お陰で、子どもたちは裸足でこの水辺をバチャバチャと歩くことができる。

これはとても優れたアイディアだ。2歳児にとって、この浅瀬はとても楽しい運動場となった。

タケは裸足になって、コンクリートの人工的な浅瀬をひたすら走って往復しはじめた。端まで行ったらまた折返すことを繰り返す。心地よい水流、水位、水の抵抗、バシャバシャという音、水しぶき、全てが彼にとって新鮮に感じるらしい。

彼自ら、「バシャバシャ」と言いながら僕の眼の前を走り抜けていく。

このコンクリートに苔が生えていて滑りやすかったら危ない。または、小さな石があっても困る。しかし、ちゃんとメンテナンスがされているのか、そういうものが全くないのがすごい。なので、この空間を親子そろって安心して走り回ることができた。

彼がここまで走ることに意欲を示したのは、たぶん人生で初めてだ。

すぐに「抱っこ!」と言って歩きたがらないタケ。毎週のようにここに通って、歩く・走るの訓練をさせたいと僕は思った。

(2023.06.25)

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