久々の朝顔市に行って、朝顔を買う

台東区にある「入谷鬼子母神」の前の通りに、朝顔がズラリと並ぶ「朝顔市」が東京の夏の風物詩だ。

コロナによって2020年から2022年の間は休止していたが、2023年の今年は久々の再開となった。

この朝顔市は、夜になるとクルマがビュンビュン行き交う言問通りが歩行者天国となり、屋台がずらりと並ぶ縁日になる。DJポリスが出動して交通整理にあたるくらい、大勢の人が訪れるイベントだ。

しかし一方で、歩道に並ぶ朝顔屋台は夜は本番ではない。夜でも商売をやっているのだけど、朝に花を咲かせる朝顔という特性上、夜に朝顔を吟味しようにも、花が咲いていないという状況になる。

なので、僕らは「屋台目当てで、夜に一度行く」「翌朝早く、今度は朝顔目当てでもう一度訪れる」ということをやる。昔はさらに、「朝顔を買った後に、近くにある豆腐の名店『笹乃雪』で朝ごはんを食べて帰る」というムーブメントもセットになっていた。料亭のようなお店で、下足番さんが玄関に立っているような敷居の高いお店だが、朝顔市の日に限り早朝から営業をやっているからだ。朝、豆腐づくしの料理を食べるというのは特別感があってワクワクする。

この笹乃雪は移転のため閉店してしまい、今年は営業していない。

朝顔市に行ってみて驚くのが、ずらりと並ぶ朝顔の鉢植えが非常に高額ということだ。最低でも2,500円、他にも3,000円や4,000円といったものが売られている。そうやすやすと買えるものではない。

しかし今年朝顔市に行ってみて、またびっくりした。値段が下がっていたからだ。相場感として、だいたい2,000円くらいで売られていて、もっとコンパクトでもっと安い朝顔も売られていた。また、まだ会期中なのに売り切れじまいで店を畳んでいる屋台がいくつもあった。

おそらく、2023年に朝顔市復活といっても、どの程度客足が戻るのか、朝顔業者としては数を読みきれなかったのだろう。コロナが再度流行すれば全然売れず、旬を逃した朝顔は廃棄するしかない。感染症の流行状況を見ながら、種を撒いて数週間かけて植物を育てるというのは大変なことだ。

我が家では、弊息子タケに「植物を育てる」という体験をさせたかったので値段はともあれ朝顔を買うつもりだった。朝顔が安く売られていたので、これは渡りに船だった。

タケに朝顔を選んでもらう。とはいっても、「どれがいい?」と言っても彼が選べるわけがない。そもそも、2歳児の頭脳だと2択までしか選択肢は理解できないはずだ。なので、「こっちとこっち、どっちがいい?」と2つの、あまり変わり映えがしない朝顔の鉢植えを見せ、彼の思いつきで指さした鉢植えを買って帰った。

この日以降、タケは毎日朝晩2回、鉢植えに水を与えるというお仕事ができた。彼における定期的なお仕事は、これが人生初となる。

ゾウさんのじょうろに水を入れ、注ぐというのが水遊びとして楽しいので、彼は比較的嫌がらずにこのお仕事をこなしている。でも時々「やらないよ!」と癇癪をおこすので、親が彼をなだめるのに苦労する。

(2023.07.08)

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