
町会の子供向け夏祭りに行ったら、スイカ割り体験のコーナーがあった。
この手のスイカ割りイベントは、本物のスイカを用意して本当にスイカ割りをやらせる主催者と、スイカを模したボールなどを置いて、スイカ割りっぽいことをやる主催者とに分かれる。
今回のイベントは後者で、スイカの模様が描かれたビーチボールが台の上に固定されていた。スイカ割り役の人は、角材のような物騒なものではなく、剣道で使う竹刀を手にする。
その傍らでは、おっちゃんがどんどん本物のスイカをカットしていて、「食べて行ってね!」とスイカを手渡してくれる。おかげで、スイカ割り(風)体験をする前に、スイカを食べることになって順番が逆転した。
弊息子タケが「やりたい」と言うので、スイカ割り(風)を体験させてもらった。
タオルで目隠しをして、その場で何周かぐるぐると回る。
2歳児からしたら、目が見えない状況でぐるぐる回されるだなんて、とんでもない大人の暴行なはずだ。しかし、彼はすんなりと状況を受け入れ、その後目が見えないまま、スイカに向けてソロリソロリと歩きはじめた。
「こっちだよ!」
という僕の声に反応し、声の方向に向かって歩いたりもする。
他人からすると些細なことだが、親としてはこういう行動が嬉しい。というのも、彼がこの理不尽な行為をゲームとしてちゃんと理解し、自分がそのゲームをプレイしようと試みているからだ。
おそらく、2歳になりたての頃だったら、目隠しをされただけで嫌がって振り払おうとするだろうし、竹刀を遊び感覚で振り回したり杖をつくように地面を叩いたりしていただろう。
しかし今のタケは、けなげに目隠しを受け入れ、竹刀をしっかり握り、スイカを叩き割らんと前に進んでいる。
親として嬉しい一方で、来るべき「子の親離れ」の時期がだんだん近づいてきていることを感じた。
(2023.08.19)
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