謎のものでも食べる勇気

これまでも何度か書いてきたが、2歳になる弊息子タケの「見たことがない料理に対する、食べてみようとするチャレンジ精神」には驚かされる。

猪突猛進でなんでも食べるわけではない。基本的に彼は見たことがないもの、見たことがない場所、体験したことがないものに対しては慎重だ。しかし、時折「えっ、この料理は何も疑わずに食べるの?」と驚くことがある。

写真は、「チーズアイス 芋んぶらん」という料理だ。紫芋をモンブラン風にしたもので、もちろん彼はこんな料理を見たことがない。49歳の僕だって、こんなスイーツは初体験だ。

紫芋独特の色あいと、うにゃうにゃと麺状のものがコーンの上に乗っている様相は、初見だと気持ち悪いと思う。そもそも、食べ物であることさえ、わからないかもしれない。

にもかかわらず、彼は僕がこの商品を買い求めると、すぐに手に取りたがり、そして僕から「持つだけだよ?」と念押しされたにもかかわらず、ぱくっと食べてしまった。早い。

この日は「夏のさつまいも博」というイベントに訪れていて、いろいろなブースを巡って多彩なさつまいも料理を買って食べた。この料理はその一発目だったわけだけど、おそらく彼は場の雰囲気から、「これは食べ物だ。これは自分が食べても多分大丈夫なやつだ。苦かったり、辛かったりしないっぽいぞ」と判断したのだろう。

場の空気を読む、というのは2歳の時点で身につくものなのだな、ということに驚かされる。

もちろん、「相手への配慮」とか「先回りして手を打つ」といった空気の読み方は2歳児だとまだ無理だ。現時点でできることは、「欲しい!食べたい!」という自分の本能的欲求に対して、敏感になる程度だ。でも、それもすごい成長だ。

とかなんとか感心していたら、「芋んぶらん」を半分近く食べられそうになったので、あわてて彼から回収した。「没収」すると、彼はべそをかく。なので、「他にもいろいろ、別の美味しいものがあるからね」と言って説得しながら「芋んぶらん」を回収だ。

なお、一度「これは食べたくない」と認定したものについては、なかなかその警戒心を解除しない。

美味しい桃でも、たまたま渋いところをかじってしまったら、それ以降は桃を一切食べなくなった。シャインマスカットも、皮を嫌がって食べない。「皮を剥いたよ。食べやすいよ」と言っても、ダイニングチェアから逃げ出して食べようとしない。

子どもに先入観を与えると、あとあとその是正がやっかいだ。食べ物でも、しつけでも、なんでも「まずはすんなりと子どもが受け入れられるレベルからスタート」というのは大事だと思う。

(2023.08.19)

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