マイクを使うことをどこで覚えたのだろう

弊息子タケは、日によっては親がいくら静止してもどうにもならないくらいテンションが高いときがある。

前日の睡眠時間や今日の疲労具合、夕ご飯でお腹いっぱいになったかどうか、などいろいろなパラメータがあるのだろうが、僕ら親からはそのパラメータが見えない事が多い。なので、彼が家中をドタドタと走り回っているのを、「なんだなんだ?何が起きたんだ?」と呆気に取られながら眺めることがある。

もちろん、呆気に取られているだけではダメで、彼の暴走を止めないといけない。マンション暮らしなので、ドタバタすると下の階の住人に迷惑がかかる。

この日のタケは、コンサートをやりたかったらしい。落書き用の大きな青い紙を引っ張り出してきて地面に敷き、その上に折りたたみの椅子とストレッチポールを並べ、自分は椅子に座ってマイクを手に歌を歌い始めた。

これまでもマイクを引き出しから引張してきて遊ぶ、ということを彼はやったことがある。長い紐状のものがあったぞ!という喜びがそこにはあったようだ。しかも適度な重さがあって、単なる紐よりスペシャル感がある。なによりも、このマイクを手にしていると、親が「壊すんじゃないぞ、振り回すんじゃないぞ」と注目してくれて嬉しい。そんな存在だった。

しかし今回は、マイクをちゃんと「歌を歌ったりおしゃべりをするために使うもの」として認識し、彼はマイクを手に歌っていた。一体どこでその知識を仕入れたんだ?保育園か。

なにせ、我が家ではマイクを使う機会がない。昔、自宅でカラオケ大会を開いたことがあったが、自分たちの声がどれほど周囲の家に響いているのかわからず、不安なので自宅カラオケはやめてしまった。

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その時の名残でマイクは置いてあるものの、彼はこれが実際に稼働しているのを見たことがない。

保育園でも、マイクを使うようなシチュエーションはないはずだ。先生がマイクを使わないと声が届かないような距離に、子どもを遠ざけることがないからだ。

ということは、保育園の同級生で、マイクで歌を歌う真似をする子がいて、それを見て覚えたのだろう。最近、我が家の外から彼の知識や文化がもたらされることが増えてきた。それは彼の成長であり、親の庇護からだんだん自立に向かっている過程だ。

いずれ、彼はマイクを僕に向け、インタビューをするようになるだろう。あと何ヶ月後だろうか?

(2023.08.30)

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