コロナで緊急事態宣言が出た頃、僕のPCには「カラオケ@DAM for Windows10」というソフトウェアがインストールされた。自宅で、カラオケボックスと近いことができるサービスだ。
有料で月額1,000円前後するはずだけど、しぶとく我が家に残っている。テレワークでむしろ多忙になったのと、独り身じゃないことによる多忙でカラオケどころじゃなかったこの半年。なんども解約しようと思ったけど、踏みとどまってきたのは「紅白歌合戦として、年末にガツンと一発夫婦で歌おうじゃないか」という野望があったからだ。
「一人15曲ずつ。そして最後に1曲、デュエットを入れる」
というルールにし、予め曲名や曲順を相手に公表するという取り決めもした。当日に向けて盛り上げていくためだ。
さらには、「既に歌ったことがある曲は悔しいので、やめよう。ほとんどの曲を、初お披露目にしよう」というマイルールを設定した。パートナーのいしにはそれを強制していないので、自ら勝手に首を締めるルールだ。
なにせ僕は、売れ筋の曲なんて全然聴かない。あまのじゃくな性格なので、むしろ売れ筋からは背をそむける傾向にある。だから、いざ歌おうとすると選曲に困った。今更サザンとか福山雅治とか歌うわけにはいかん。名曲だと思うけれど、いずれ誰かとカラオケに行った際、歌が他人とかぶるのはイヤだ。苦労して覚えたのに。
サザンっていうのは、カラオケに行くと大抵男性メンバーの中で熱烈なファンがいるものだ。で、その人が情感たっぷりに歌い上げる。そこに僕が割って入るのはおこがましいので、カラオケの対象としてはアンタッチャブルにしている。
さて、ゼロから何の曲を覚えようか?と思った時、どうせ相手に理解されないマニアックな歌を歌うからにはアニソンまたはゲームソングにしよう、と決めた。アニメにもゲームにも疎いのだけれど、とにかくこれらの曲はバーンと華やかで、変化に富んでいて、盛り上がる曲が多い。世界観が独特な歌詞というのも、初めて耳にする人からすると楽しいだろう。
そんなわけで、12月31日、「第一回おかでんさんちの歌合戦」を開催した。
いくらある程度防音ができている家とはいえ、マイクで歌を歌うと近所迷惑になりかねない。なので、音量には常にビクビクしながら、微調整を繰り返しながらの歌合戦となった。
僕のセットリストは以下のとおり。
- 01.愛はおしゃれじゃない 岡村靖幸with小出恵介
- 02.staple stable 戦場ヶ原ひたぎ
- 03.創聖のアクエリオン AKINO
- 04.ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~ 森口博子
- 05.History Maker DEAN FUJIOKA
- 06.鳥の詩 LiA
- 07.ようこそジャパリパークへ オーイシマサヨシ
- 08.コネクト Claris
- 09.星間飛行 ランカ・リー=中島歩
- 10.ウィーアー! AAA
- 11.名前のない怪物 EGOIST
- 12.ガーネット 奥華子
- 13.君の知らない物語 supercell
- 14.炎 LiSA
- 15.トライアングラー 坂本真綾
- 【デュエット】打上花火 DAOKO✕米津玄師
トリに向けて、2020年レコード大賞受賞曲「炎」を持ってきて、最後は「トライアングラー」でシメるというところで、楽しく歌うことができた。
ただ、ほとんどがまだメロディを鼻歌ですら歌えない曲ばっかりで、本番中は「精密採点」の画面を見ながら音を探り探り、歌うことになった。試験を受けているようなものだ。
今回、歌を練習するのに大変重宝したのがAmazon Music Unlimitedだった。Amazonのサブスク型音楽配信サービスだ。
別にAmazonでなくても構わない。SpotifyでもApple Musicでも良いのだけれど、最近は歌詞が表示される曲がそこそこあってありがたい。スマホの画面を見ながら音楽を聴きつつ、カラオケの練習ができるのは素晴らしい。
歳のせいか、曲を覚えるのがすごく苦手になった。カラオケをやるときだって、「楽譜をくれ!楽譜がないとわからん!」と思う。五線譜がないのは本当に不自由だ。なので、ひたすら反復練習をするしかない。
しかし、最近の傾向なんだろう、メロディが難しいな。1番と2番でメロディが違うとか、言葉の区切り方が違うとか、まるでライブバージョンのようなメロディの微妙なゆらぎとか、再現が難しすぎる。で、そういうのをガン無視して普通に歌うと、ショボいカラオケになってしまう。「あっ、この曲って、アーティストの歌唱力で成り立っている曲だったのか」と歌って気がつくことが多い。
それはともかく、実は定額制音楽配信サービスの歌詞をテレビに表示させながら、それで歌うというのも十分カラオケになるんじゃないか説がある。メロディをそらんじていなくても、これならなんとか歌うことができるし。「しまった、わからなくなった」というときに黙っても、ホンモノが歌い続ける。
カラオケボックスという、防音がある程度しっかりして音響がガッチリしたところで歌う魅力は相変わらずある。でも、気楽に自宅で歌える環境、というのもありがたいものだ。
カラオケソフトを使っても、定額音楽配信サービスの歌詞を見ながらでも、どんどん音楽を楽しんでいければいいと思う。
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