肌を指差し、「これは何色?」と聞かれて答えに窮する

最近の弊息子タケは、色に対する興味がようやく湧いてきたようだ。保育園でお絵かきをする機会が増えたからだろうか、これまでは青色しか興味がない、というレベルだったのに他の色の名前も口に出すようになった。

青色の次に彼が気に入っているのは赤色で、しきりに「こまち!」と叫んでいる。秋田新幹線「こまち」の車体色が赤いからだ。

色の識別がついてくると、いろいろな物が新鮮に見えるらしい。ハロウィンの飾り付けで使われているカボチャのお化けと自分のコップの色を見比べ、同じオレンジ色があることに気がついて「ここにあるよ!」と叫んで教えてくれる。また、そのオレンジ色がみかんと同じだということに気がついて、「みかんも!」と叫ぶ。

いちいち、同じ色であるものを発見する都度興奮しているのだから、若いって本当に素晴らしい。

一方で、僕が答えに窮したことがある。彼と一緒にお風呂に入っている際、彼から僕の肌を指さされ、「これは何色?」と聞かれたからだ。昔ならシンプルに「肌色」と答えることができた。しかし、21世紀の今では、「肌色」という言葉は人間の出自の多様性を損なう可能性がある言葉だ、ということで望ましくないのではないかと言われている。そこまでの知識を僕は持っているのだけど、じゃあどういう呼び方が一般的に妥当なのか、という解決策までは知らなかった。

答えに窮した僕は、「ええと・・・茶色」と答えた。すごく違和感を感じながら。

「ベージュ」という言葉も僕の頭に浮かんだのだけど、全く新しい色の概念を彼に今教えるのは混乱を生むだろうな、と思って言わなかった。

今の彼は、色の解像度が上がってきている。どこまで詳細に色の違いをわけて説明するのがいいのか、難しい過渡期だ。たとえば「赤色」と「ピンク色」を分けようか、それとも一緒として扱うかどうか?「黄緑」のことを「緑」と言い切ったほうがむしろ話が早かったりもするけど、どうしようか?とか。

(2023.10.11)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 色鉛筆を例にとると、かつて「はだいろ」だった色は「うすだいだい」もしくは「ペールオレンジ」となっていることが多いみたいですね。
    でもこれって、うーん、どうなんだろう。色の表現としては間違ってはいないけれど、タケちゃんの年齢の子どもに伝えるには高度過ぎやしないだろうか。
    「うすだいだい」はもちろん「だいだい」からの派生(?)ですけど、自分が子供だった頃を思い返すと「だいだい色」よりも「オレンジ色」を先に覚えたような気がしなくもない。
    かといって「ペール○○」という概念なんて、どう考えても中学生以降じゃないとピンと来ないような気もします。難しいところですね。
    …なんて話をしてたら、小さい頃「どうして青信号っていうの?緑色なのに」って親や祖父に聞いて困らせていたことをふと思い出しました。どういう回答だったのか思い出せないのが残念ですが。

  • 一平ちゃん>
    たとえば小さい子供が鳩を指さして、「鳥!」と言ったとする。「そうだね、鳥だね。あれは鳩という鳥だよ」と親は教える。これって、子どもにとってはややこしい。
    正解なのか不正解なのか曖昧だから。
    こういう、「当たり判定」をどの程度のレベル感で設定するかは、親がじっとその子の成長を見ながら、チューニングしなくちゃいけない。それが今、あれこれ試行錯誤中。

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