「大きくなったらできる?」と聞く子どもの無垢さに心打たれた

ビールのメニューを見ながら、

「大きくなったらこれ、飲める?」

と僕に聞いてきた弊息子タケ。

最近の彼は、子どもとは別に大人だけで食べている辛い料理や、彼にとって食物アレルギーを誘発する食材を使った料理を見て、「大きくなったら食べられる?」と聞いたりする。

また、「大きくなったらシュッシュッポッポ、乗るんだー」なども言う。

この新鮮な言葉に、僕はとても心が癒やされる。自分の未来に、夢と希望と可能性を見出しているからだ。いや、「癒やされる」という言葉は妥当ではない。たぶん、僕はびっくりしたんだと思う。「えっ、未来に希望があるのか!」と。

気がついたら僕は、老後資金が足りるかどうか日々電卓を叩いていたり、体力や記憶力の衰えを実感したりしていて、未来というのは暗いものだと思いこんでいた。しかしどうだ、2歳の我が子は、前途洋々ではないか。

彼の、健気な願望はできるだけ叶えてあげたい。それがせめてもの、僕ができることだ。僕は僕自身に対してさほど未来に希望を持っていないから。

ただ一方で、彼に対してはベタベタしすぎず、ある程度距離を開けた付き合い方をしようと思っている。というのは、彼と僕とでは年齢差が45歳あって、彼が成人し社会に出た頃には僕は相当な老人になっているからだ。手塩をかけて育てても、その成果を僕が見届けることはなかなか難しい。そして、学生時代の子どもなんて、親の存在を全然ありがたがらず、家庭よりも友達と遊ぶことを大事にするはずだ。

僕が将来がっかりしないためにも、彼に過度な期待を持たないようにしたい。

(2023.09.30)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • よくある子供が大人になったら一緒にお酒を飲む、というヤツができないんですね。
    ジャイアンの声優交替の後、楽しみにしていた乾杯ができた話が好きです。
    ノンアルなら完全成人待たずに乾杯できるかも。

  • ネーマさん>
    我が家ではほぼ毎日、夕食時に家族で乾杯をしています。子どもって、乾杯が好きなんですよね。なんだか晴れやかな気持ちになる。
    でもやっぱり、アルコールを乾杯するというのは格別な意味があるので、それは機会があれば本当にやりたいと思ってます。
    その際に問題になるのが、僕が断酒しているということ。彼が成人になる頃には、僕は肉体的にもう酒が飲めてもあんまり飲めない気力体力になっているのではないか、と期待していて、それならば彼が20歳になる18年後に断酒を解禁しよう、と考えています。
    ただ、その判断は慎重である必要があり、18年後に僕が老いぼれていないようなら、断酒は続行しなければいけないとも考えています。
    先日、僕がアルコールを止める際に書き記した文章を少し読み返してみたのですが、あまりにすごい内容にびっくりしました。アルコールで脳がおかしくなっていたとしか思えない、歪んだ世界が書かれていたからです。
    今から10年前、リアルタイムでこのサイトに掲載していた文章だったのですが、問題が起きたために記事を削除したものです。しかし、かなりすごい内容なので、いずれこのサイトで再掲したいな、という希望を持ちました。今はまだ時期尚早ですけど。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください