「しろくまちゃんのほっとけーき」を読みながら、「ぐりとぐら」ごっこをする

週末、いしが弊息子タケに「ねえ、『ぐりとぐら』ごっこをする?」と聞いている。

タケはその問いに対して、「する!」と答える。

何を始めるのかと思ったら、ホットケーキを焼く準備を始めだした。ボウルにホットケーキミックスと牛乳、玉子を入れ、ホイッパーで彼にかき混ぜさせていた。

絵本「ぐりとぐら」は、森の中で大きな玉子を発見し、それを使ってカステラを焼くという話だったはずだ。カステラを焼くとなると手間が増えるので、我が家ではホットケーキを焼くことにしたらしい。

僕は

「ねえ、どっちが『ぐり』でどっちが『ぐら』なの?」

と二人に聞いてみたが、ふたりともボウルの中身をかき混ぜるのに夢中で、僕の質問は相手にされなかった。

ホットケーキを焼く、といえば「しろくまちゃんのほっとけーき」という絵本が有名だ。参考になるだろうと思って、本棚から持ってきた。

僕が子どもの頃に読んだ記憶があるので、半世紀を越える不朽の名作絵本なのだろう。

いしは「しろくまちゃんは全然かわいくない。なんでこの絵本シリーズが人気なのか、全然わからない」と言う。言われてみれば、僕もそう思う。

でも、僕がまだ3歳か4歳のころ、この「しろくまちゃんのほっとけーき」を読んで、お皿にたくさん積み上がったホットケーキにものすごく憧れたことをはっきりと覚えている。ホットケーキというのは一つのお皿にたくさんの枚数が積み上がってこそ正義、と未だに思っている。

だから、フルーツがたっぷり盛り付けられて見目麗しい、パンケーキと呼ばれるフワフワな食べ物は僕にとって邪道だ。パンケーキに何の恨みも不満もないのだけど、「しろくまちゃんのほっとけーき」で植え付けられたホットケーキに対するイメージが完全に脳内でこびりついてしまっている。

タケは「しろくまちゃんのほっとけーき」に描かれているホットケーキと、目の前のホットプレートで焼かれている実物のホットケーキを見比べ、焼き具合を見ていた。いずれ彼も、僕と同じく「ホットケーキを何枚もお皿の上に積み重ねたい!」という情念が脳内に固着すると思う。

(2023.11.03)

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