跳ねる、跳ねる

埼玉県の秩父市に、「ちちぶキッズパーク」という場所がある。子ども用の遊び場で、秩父市が運営する、市営公園の位置づけらしい。

https://www.city.chichibu.lg.jp/1855.html

屋内施設と屋外施設があり、屋内にはボールプールや屋内用ジャングルジム、そして広大な屋外にはいろいろな遊び場が用意されている。

立派な施設だけど、これを市民も、そうでない人も、無料で使うことができる。せめて入場時に受付で氏名年齢住所等の記載と、簡単なアンケートに答えるよう求められるかと思ったが、それすらない。

なんでこれが無料?と不気味に思ってしまうレベルだ。それくらい、弊息子タケは大ハッスルした。

直径20メートルの屋根の下に設置された「ふわふわドーム」が彼にとっては最高の遊具だったようだ。このふわふわドームは、風船が地面に埋め込まれたようなもので、子どもたちははだしになってこのドームの上まで登っていき、そこでピョンピョンとジャンプしていた。ドームは弾力があるので、トランポリンのように跳ねる。そしてバランスを崩すと、ドームから滑り落ちてしまう。それがまた楽しいようだ。

ドームから滑り落ちた際に地面で怪我をしないように、白いドームの周辺は砂場になっている。こういうのも手間がかかっていて、よく配慮された作りだ。

また、子どもが遊んでいる様子を見ていられるように、親が座る用のベンチがドーム周辺に多数設置されているのもすばらしい。子どもは自分で勝手にピョンピョンはねてご機嫌、親は子どもにつきっきりにならなくて良いのでやっぱりご機嫌。みんなにとって都合がよい。そして跳ねて疲れて、その日の夜は子どもはぐっすり眠ることになる。

ただ、弊息子タケの場合、相当しっかり一人でドームから滑ったりてっぺんで跳ねたり楽しんだあと、今度は僕の手を引き、「オオカミだ、やろう?」と言い出した。要するに、追いかけっこがしたいわけだ。僕は「オオカミだぞー!」と叫びながらドームの周囲をグルグルと走り回り、彼を追い回すことになった。ドームは少々の体重で壊れることはないはずだが、子ども用の遊具に大人がズカズカと足を踏み入れるのはどうかと思う。そのため、ドームには極力乗らず、その周囲を走り回った。

この彼を追いかける行為が、結構しんどい。というのも、地面が砂地だからだ。砂地で、自分も裸足で走ると、かなり体力を使う。お陰で良い足腰のトレーニングになった。

それにしても、この施設をなぜ無料にしているのだろう?と最後まで不思議だった。お金をとっても全然違和感がない内容だからだ。

しかし、我々は案外秩父市にお金を落とすことになった。この場所は交通の便が悪いので、公共交通機関で秩父を訪れた人は、タクシーを使うしかない。往復で2,600円くらいかかった。そして、日が傾いてきたので、夕食を西武秩父駅で買った。さらには、お土産を買った。なんやかんやで、一家で7,000円くらいを秩父市で消費したことになる。

無料施設がなければ、こういったお金は使わなかっただろう。それを思えば、この施設が無料、というのは秩父市はうまい作戦だな、と思った。

(2023.11.04)

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