たけのこを掘りに一家で大多喜に行く

たけのこ狩りは、弊息子タケの体験教育のためにも、家族のレジャーのためにも、そして食材の彩りのためにも、ぜひ行こうと思っていたイベントだ。

弊息子タケを、いずれは山登りに連れていく計画を目論んでいる僕としては、彼にどうやって足腰を鍛えさせるかは大いなる課題だ。山に連れて行ったはよいものの、すぐに飽きて、疲れて「抱っこ!」と叫ばれたら僕は「ザケンなコラァ!」と怒鳴ると思う。そうならないためにも、山のようで山でないような場所で、いかにタケに場数を踏ませるかというのは僕が常に考えていることだった。

だから、「高低差がある、丘のような公園」で遊ばせるのではなく、もう少しガチな山につれていきたい。公園はどんなにワイルドでも、所詮公園に過ぎないからだ。

そういう観点では、たけのこ狩りというのは最高だ。たけのこを探して山の中を探検する、という楽しさがあるし、どんどん先に進みたい!というモチベーションが持続する。そして、たけのこ狩りなんて所詮1時間程度のレジャーなので、3歳児が飽きる前に終了できる。

飽きっぽい3歳児の足腰鍛錬には、ちょうど良いと思った。で、たけのこ狩り決行。

たけのこというのは御存知の通り、成長がものすごく早い。なので、旬というのはとても短く、だいたい4月入ってからぼちぼち収穫されはじめ、GWにはもう遅い、というくらいだ。つまり、家族のレジャーとしてたけのこ狩りに行こうとすると、4月のわずか数回の週末にスケジュールを確保する必要がある。

今回、訪れたのは僕が2009年にも訪れたことがある、「平沢たけのこ村」だった。千葉県の房総半島のど真ん中あたり。都心からだと車で片道ざっと2時間かかる。

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今年は別のたけのこ農園に行ってみようとしたのだけれど、大多喜町界隈のたけのこ農園はどこも電話予約制で、しかも電話をかけてみると「予約でいっぱい」と断られた。その点、「平沢たけのこ村」は「予約なしでいい」と電話で言われたので、ここにお世話になることにした。

2009年のたけのこ狩り記事でも、「webなどに情報が載ってなさすぎる」と嘆いているが、その状況は2024年においてもほとんど変わっていない。「たけのこ」という、季節限定にもほどがある作物なので、いちいちwebサイトを立派に作り、予約機能を設けるほどの手間暇はかけられないのだろう。

今回はたけのこ狩りの旅行記ではないので、「平沢たけのこ村」でのあれこれ話は割愛。

無事家族でたけのこ狩りを楽しんだが、あいにく今年はたけのこが不作の年だった。「どこにもないねー」と言いながら、家族で地面を探し回るのは、それはそれで有意義なひとときだった。家族みんなで目標物を探す、というのが、一体感が醸成されて良かった。

で、ようやく見つけたたけのこを、みんなで掘り出す。

もちろんタケにも手伝ってもらう。クワを手に地面を掘り返してもらったり、たけのこの周りの土を取り除いてもらったり。彼からすると、大規模な砂場遊びみたいなものなので、とても面白がっていた。

とはいえ、クワはとても重たくて3歳児が扱える代物ではない。そして、砂場と違って大地の土は固く締まっている。掘っても掘っても、たけのこを切り取れるほど深くは掘れない。

彼は途中で音を上げていたが、それでも楽しかったようだ。

まだ手のひらの皮膚が軟弱なので、ほんのちょっとクワを触っただけなのに手の皮がめくれかかっていた。いいぞ、こういう体験を積むことは、きっと君の今後に役に立つはずだ。

掘り出したたけのこと一緒に記念撮影するタケ。

たけのこの成り立ち、質感などを実体験できて、よかった。これは都会に住んでいると、体感できないことだからだ。

ちょうどこのたけのこ狩りがあった2週間後、彼は僕の実家で「ふしぎなたけのこ」という本を見つけ、読んでいた。

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たけのこを実際に掘る、たけのこが生えているのを実際に見るという体験があったからこそ、このおとぎ話にでてくる「ものすごい勢いで伸びていくたけのこ」の話を(なんとなく)理解できるのだろう。もし、たけのこ狩り体験が彼になかったら、「ねえ、たけのこって何?」と僕らに聞くだろう。そのとき、僕はたけのこをうまく説明できる気がしない。

絵本の読み聞かせをやっていて、大人として「あっ、これは子どもには理解できない物/概念だな」とヒヤッとすることがたくさんある。ただ、子どもにとってはそんなことは日常茶飯事すぎるのか、いちいち「これ何?」と聞いてくることはないのだけれど。

教育としてのたけのこ狩りは今回でおしまい。とても楽しかったので、来年は純粋なレジャーとして同じ場所にたけのこ狩りに行きたい。

(2024.04.14)

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