興味から無関心への断絶は一体いつ訪れるのだろう

「我が子の人体実験」と称して、弊息子タケを頻繁に上野の美術館・博物館に連れて行っている。

金曜日の夜は19時や20時まで開館している施設がちらほらあるので、僕のような勤め人にとってはとても助かる。

特別展がないときは、東京国立博物館の常設展(19時まで開館)にタケを連れていっている。

大人の目線で展示物を眺めてみて、「これは・・・子どもはワクワクしないだろうなぁ」と思う。なにせ、掛け軸とか仏像とか、渋いものばっかりだからだ。少なくとも僕が子どもの頃だったら、全然楽しめなかっただろう。

しかしタケは、それらを不思議そうな顔をして眺め、何か気がついたことがあったら「あっ!◯◯!」と指さして指摘する。少なくとも現時点の彼にとっては、美術品の一部は驚きと発見と興奮の対象らしい。

いにしえの美術・工芸品に対してこのまま驚き続ける人生を彼が歩んでくれると、僕としては嬉しい。でもそんなことが続くわけがない。世の中にはもっと刺激に満ちたものが溢れているからだ。ショーケースの中に入って静かに鎮座している美術品に興奮するのは難しい。

一体いつ、彼がこういう美術に対して興味を失っていくのか、今後も見守っていこうと思う。残酷な過程を親として見守るわけだ。

ただ、親としては彼が興味を失っていくのを手をこまねいて見過ごすつもりはない。ワークショップがある美術展に連れて行ったり、刺激的な現代アートの展示に連れて行ったり、時々ネジを巻き直すような場所にも連れて行くつもりだ。その結果、彼がどういう反応を示すのかを観察していきたい。

(2024.05.17)

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