40度の熱を出した弊息子タケだが、2日連続で病院のお世話になった。
ほぼ丸一日、飲まず食わず状態だったからだ。飲み食いすると、その後に咳が出て、その咳のせいで吐く。原因はよくわからないが、よく小児科の先生が「あー、胃腸の風邪ですねー」と言うやつだろう。要するに、RSウイルスとか、そんなの。
食えないのはしょうがないとして、水も飲めないのはなかなか大変だ。3歳児に、「吐き戻さないように、スプーン1杯ずつくらいの量で水を飲んで」といっても伝わらない。
そうこうするうちに、だんだんとタケがどす黒くなってきた気がしてきた。先日お出かけした際の日焼けかな?と思ったが、だとしても遅効性で今更日焼けするのも変だ。そして、なんとなく3歳児にしては肌のハリがなくなってきたようだ。若干シワっぽい。どうやら、飲み食いしていなさすぎて干からびてきたらしい。
病院に行って点滴を打ってもらったほうがよかろう、ということで病院につれていき、先生に事情を説明して「点滴を打ってほしい」と伝えた。治療法をこちらから指定するのは、医者によっては嫌がられるパターンかな・・・と思ったが、点滴を打ってもらえることになった。
タケは「注射するの?」と不安がっていたが、僕は「注射じゃないよ。点滴だよ」と言ってごまかした。嘘ではないが、正しくもない答え方だ。
ギャーという鳴き声が聞こえてしばらくして、点滴を吊り下げた状態のタケが待合室に戻ってきた。手はまるで骨折したかのように、ギプスのように包帯でぐるぐる巻きにされている。チューブを引っ張って針が抜けてしまわないようにするために頑丈に固めたのだろう。
頭上に吊り下げられているのは、「ソルデム1」という輸液だった。看護師さんに聞くと、生理食塩水が大半で、一部ブドウ糖が入っているのだそうだ。200mlを1時間ほどかけて、ゆっくりと体内に入れていく。
何事もなく時間を過ごして帰宅したが、点滴の効果はてきめんだった。まだ38度台の熱があるくせに、俄然元気を取り戻し意欲的に家の中を動き回るようになった。
輸液のブドウ糖でカロリーが手に入ったから元気を取り戻したのだろう、さすがブドウ糖だぜ、即効性がある!と感心したが、ソルデム1の添付文書を確認したら20.8kcalしか熱量がなかった。おにぎり1/8個分しかないカロリーで彼が元気を取り戻すとは考えにくい。ということは、ブドウ糖の効果というよりは水分補給の効果なのかもしれない。
いずれにせよ、点滴後の彼は発熱が続きながらもずいぶんと元気になり、だましだまし飲食ができるようになっていった。点滴の効果てきめんっぷりには改めて驚かされた。やっぱり体内に直接ぶち込むっていうのは効果がある。経口摂取なんてずいぶん遠回りだ。
後日医療関係者から聞いたのだけど、じゃあ子どもがぐったりしているからといって、簡単に点滴を打ってもらえるかといえばそういうことはないそうだ。我が家がそうであったように、丸一日程度飲み食いできていない、という「やむにやまれぬ状況」でないとお医者さんは点滴を打ってくれないらしい。
その人によると、小児科は「小児科外来診療料」という制度があって、なんの処置をやったから診療報酬何点、という出来高制度ではなく、包括(通称「マルメ」)で決まっているのだそうだ。つまり、何をやっても報酬は一緒。
聴診器をポンポンと胸に当てて、「風邪ですね、お薬を出しておきます。お大事にー」で済ませるのと、「じゃあ点滴を打ちましょう」と輸液を用意して、看護師に処置をさせて、というのがまったく同じ報酬となる。だったら医者としては、できるだけ点滴はやりたくないのは当然といえば当然。
今回、お医者さんが点滴を打ってくれて良かった。
(2024.06.20)
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