3歳児、ピタゴラ装置を自ら作る

弊息子タケ3歳8ヶ月、彼はNHK Eテレの「ピタゴラスイッチ」を見るのを日々楽しみにしている。

ピタゴラスイッチを好むとは、我が子ながら良い趣味だ!と僕は思う。でも、「おかあさんといっしょ」のように歌や音楽にも親しんで欲しい、と願っている。残念ながら彼はそちらに才能と興味はあまりないようで、たまにその手の番組を見せても、無表情でじーっと画面を見ているだけだ。親としては、テレビの音楽につられて一緒に踊っちゃう!ということを期待しているのに。

彼には受動的に情報を摂取するだけの人間にはなって欲しくない。僕の希望は、彼が「インプット以上にアウトプットできる」人間に育つことだ。だから、テレビをボーッと見ているくらいなら、彼にテレビを見せたくない。

そんな彼が、ピタゴラスイッチを愛し、ついにはピタゴラ装置も作り始めた。

ピタゴラ装置というのは、見ていて面白いけれど、世の中の物理法則をある程度知っていないと真似できないものだ。重力、摩擦、慣性の法則など、教科書的に理解する必要はないものの、「この物体がこう動くと、次はこうなる」という予測ができる経験を持っていないと理解不能だ。

なので、3歳児にピタゴラは早い、と思っていたのだが、彼にとっては面白いコンテンツだったようだ。おそらく、球がコロコロ転がったり、ドミノが倒れたり、と目まぐるしく動く刺激に脳が興奮「させられている」だけであって、知的好奇心を満たしているわけではないだろう。

でも、彼が好きだというなら、見守ろうと思う。

ピタゴラ装置を作りはじめた彼は、ストレッチポール、フォームローラーといった健康器具を並べている。

アウトドア用の椅子は、装置としては全く意味がない。単なる飾りだ。彼の場合、「装置としては意味のない飾り」をあちこちに施す。その方が、複雑なピタゴラ装置っぽく見えるからだろう。

ピタゴラ装置っぽいのは、最初に木製の小さな人形がアルミホイルの芯の中を転がるところまで。

そこから先は、手動でモノが動く。

ピタゴラ装置というのは、人手を使わずにいろいろなものが動き続ける妙を楽しむものなのだが、完全に人力装置になっていて、コンセプトがそもそも間違っている。でも、それもまた観察していて面白い。彼がピタゴラをどう解釈しているのかがわかるからだ。

ちなみに、子供用椅子の上に乗っている「峠の釜めし」の釜の中には、クシャクシャにして球にした白い紙が入っている。彼いわく、「ビー玉ビーすけの敵の、黒い球」だそうだ。番組の中では、ピタゴラ装置内のビー玉を途中で追いかけてくる悪役だ。

白い紙を「黒い球」とみなす強引さがすごいし、この球は結局まったく動かないままのお飾りだったというのも、面白い。

フォームローラーを持ち上げて、ごろんと180度回転させ・・・

バランスディスクをひっくり返し・・・

折りたたみ椅子をクッションに向けて倒す。これを2回転させ、最後に音楽が「ピタゴラスイッチ!」と歌うタイミングで、この椅子をドシンと派手に床に叩きつけた。

「おい、ドシンはやめろ!」

と慌てた僕に怒られて、このピタゴラ装置は一旦終了。

近日、暇ができたら彼はまた第二弾を作るのだろう。そのために、トイレットペーパーの芯とか、使えそうなものを親は用意しておこう。椅子とかフォームローラーとか、硬いものをドスンドスンは下の階の人に怒られるから。

(2024.11.18)

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