「3歳」という言葉は尊い。最近そう思うようになって、夫婦でその会話をしている。
「3歳より◯◯に親しみ・・・」というプロフィールの音楽家やスポーツ選手は数多い。また、通りすがりのマダムなんかに「何歳?」と聞かれ、「3歳!」と弊息子タケが答えると、「あら偉いわねえ、3歳でもうそこまでできるの?」と言われることは多い。
これが4歳だとどうだろうか。
4歳なら、なんとなく「まあ、一通りのことができて当たり前」感がでてくる。3歳はギリギリ赤ちゃんの延長上にいて、4歳は大人の入口に足を踏み入れている印象だ。
なので、彼のこれからの経歴を華々しく飾るためにも、3歳のうちにあれこれやらせておきたい、と考えている。
単に「1度体験したことがある」じゃあ、プロフィールにならない。もっとちゃんと、3歳のうちにある程度のことができているレベルにまで育成しておきたい。
3歳のうちに、妙法ヶ岳(三峯神社奥之院)標高1,329mを4時間かけて登下山したのは良かったと思っているし、3歳のうちに日本百名山のうち一座は登頂させる計画だ。他にも、ピアノを始めている。
料理もその一貫として、機会を見つけては彼にやらせはじめた。
平日朝晩の料理はなにかと慌ただしく、彼に料理を託す余裕がない。なので、余裕があるときに、少しずつ。
まずは、「鼻くそをほじった手で食材をさわるな」ということから徹底させるのだが、現在はそこで躓いている状況。おいお前、人差し指と中指で「ダブル鼻くそほじり」はやめろ。
自分で作ったクッキーを前に、破顔している弊息子タケ。
100%全部任せようとすると、子どもは大変だし時間がかかって飽きてくる。そして親もイライラしてしまう。なので、子どもにもは全体の1/5程度を任せるのに留め、あとは親がテキパキと準備してしまうのが良さそうだ。
そして完成した料理は、100%息子の手柄とばかりに大絶賛する。
子どもはとってもいい気分。またやりたい!という気持ちになる。
ちなみにこの大量に焼いたクッキーは、いしの職場に運ばれ、職場同僚に振る舞われて好評だったらしい。その御礼として、同僚から子供用の包丁がプレゼントされた。しかも二人から、あわせて2本も。
餃子も作ってもらう。
この包丁は僕が愛用しているマジ包丁なので、3歳児が一人で使ってよいものではない。なので写真を撮るときだけ、一人で包丁を持たせている。いつもは僕が後ろで彼の手を支えているのでご心配なく。
彼は包丁を使った経験が少ないくせに、いっちょ前に
「左手は猫の手にするんだよ。指を切っちゃうからね」
などと言う。どこで覚えた、それ。きっと、保育園でおままごとをやっている女の子たちの会話を聞いて学んだのだろう。
餃子の場合、野菜を切るのはともかく、皮を包むということが子どもにとってはエンターテイメントだ。そこを楽しんでもらった。
次の日は、春巻の皮を買ってきて、余った餃子のあんを包んで油で揚げた。これも彼は大満足で食べていた。
大変微笑ましい料理イベントだったが、この調子だと彼が4歳になるまでに何か経歴書に書けるエピソードは手に入らないっぽいな。まあ、いいけど。
現在の彼は、しいたけを菌床栽培している。以前僕がチャレンジしたことがあるのと、同じだ。
ハサミできれいにしいたけを収穫してもらった後、彼に「どうやって食べたい?」と聞くと、
「えっとねえ、バターと、牛乳とで炒めてー、にんにくは少しでー、お醤油をかけてー、チーズをかけてー、それで食べるの」
とか偉そうなことを言っていた。「にんにく少し」だなんてラーメン二郎風の言葉、一体どこで覚えたんだ。
(2024.11.25)
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