そうか、子どもはいちご狩りが嬉しいんだな

家族でいちご狩りに行った。

弊息子タケ3歳9ヶ月、これには大喜びだった。

「真っ赤で、大粒ないちご」を探して、摘んで、その場で食べる。彼は夢中になって、小さなお腹がパンパンになるまで食べ続けた。完熟いちごがビニールハウス内からなくなてしまったくらいだ。

これまで、彼は果物をあまり食べようとしなかった。りんごと梨、スイカだけは例外的に食べるものの、それ以外の多くの果物は「いらない」と言う。果物独特の酸味がイヤらしい。みかんさえも嫌がるのだから、困ったものだ。

いちごも、これまでの彼ならば拒否する対象だった。しかしどうだ、今回のいちご狩りでは食べる食べる。

最初は練乳のおかげかとも思ったが、所詮は食わず嫌いだ。一度食べることに慣れると、あとはどんどん自ら積極的に食べ進めていった。

「熟したいちごを探す」→「摘む」→「食べる」→「うまい」

という一連のPDCA動作がクイックに完結するし、自分ひとりでできるという達成感もあるし、3歳児にとって満足感が高い体験だったらしい。そうか、好き嫌いをなくすためには、「出されたものは食べなさい!」と子どもに言うのではなく、「自分で摘みなさい!」なんだな。

この日以降、彼はやたらと「いちご狩り、楽しかったねぇ」と嬉しそうに思い出しながら語るようになった。これまで、過去を振り返って「楽しかった」と語ることはあまりなかったので、彼にとってよっぽど印象深い、楽しい体験だったらしい。

いちご狩りをこれだけ絶賛するのに、数ヶ月前に行った梨狩りのことは全く振り返ることがない。梨狩りはどうだった?とタケに聞いてみると、「あれも良かった」と言う。ああ、一応面白かったのか。

おそらく、梨の場合はPDCAが自分一人で完結しないし、素早くサイクルを回せないのでワクワク感がいちごほどではなかったのだろう。

まず、身長100センチの彼が、木になっている梨を選ぶのは、はっきりいって適当だ。目線の高さにあるいちごを吟味して選ぶのとはわけが違う。

梨を木からもぎ取るのは、親頼みだ。そして、食べるために皮をむくのも、親頼みだ。そして、「あの梨にしよう」と選んでから食べるまでの間に、それなりのタイムラグが発生する。

その点、いちごはすべてにおいてクイックだ。「今食べたのはちょっと味が微妙だったな。もっと赤い実を厳選しよう」「葉っぱの奥に、まだ完熟いちごが隠れている場合があるぞ!」などと、自分のひらめきをすぐに次のアクションに反映できる。これが子どもにとってはたまらない、と僕は見立てている。

同様に、たけのこ狩りもそうだ。アウトドア感満載で楽しい行事だけど、あれもPDCAが遅い。食べるのは家に帰ってからだ。

じゃあ、いちご狩り並みに素早く狩れる食べ物って何があるだろうか?・・・ブルーベリー狩り、さくらんぼ狩り、みかん狩りなどが思いつくが、「何度も何度も食べる」という点ではいちご狩りが最強かもしれない。

(2025.01.03)

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