子供が見ている世界は笑顔

息子のタケには、時々、絵を描く時間を設けている。

朝ごはんを食べたあと、保育園に出発するまでの5〜10分ほどの短い時間で描くので、実際には描けない日のほうが多い。そのせいか、絵を描き始めた半年前から、あまり腕前は上達していない。

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むしろ最近は「紙が小さいから描けない」「色が足りない」と、いろいろと条件をつけるようになってしまい、なかなか筆が進まない。

今のところ、彼が描くのはお手本の教本をもとにした生き物が一つだけ。「家族で電車に乗ったよ」とか「キャンプで焚き火をしたよ」といった、物語のある絵はまだ描けない。場面を思い浮かべて、登場人物やモノを紙に配置するという構成力が、まだ頭の中で育っていないのだろう。

お絵かき教室に通わせたい・・・と思うこともあるが、いまの我が家にはそんな余裕はない。だから、独学で頑張るしかない。絵描きにしたいわけではないが、「絵を描くために、日常の中で見たものを頭の中で整理する」習慣は身につけてほしいと思っている。そして「失敗してもいいし、下手でもいいから、とにかく手を動かす」というクセも。彼はまだ失敗を恐れて、すぐに「できない」「はずかしい」と言うので、それを少しずつ変えていきたい。

そんな彼の絵を見ていて気づいたことがある。どの絵にも口があって、しかも口角が上がっているのだ。みんな笑っている。

トノサマバッタが微笑んでいる。

ショウリョウバッタも、ほら、微笑んでいる。

ミツバチも。

サイまで微笑んでいた。サイはもう少し怖い顔になるかと思ったのに。

4歳の彼にとって、世の中は微笑みに満ちているのかもしれない。これからも、そんな優しい心を持った子に育ってほしい・・・と、親としては思うけれど、現実の世界は、笑ってばかりではいられない。いつか彼も、サイが笑っている絵を見て「こんなの、ありえないよ」と言う日が来るのだろう。そうなる前に、せめてもう少しの間だけでも、この世界が笑って見えていてほしいと思う。

(2025.11.11)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • いつぞやの記事に オカ・デウスが発展的解消になるんじゃないか?とお書きになっていたので心配しておりましたが、続けておられ安堵致しました。

    描く物 全てが笑っている、微笑ましい限りです。ホント、出来るだけ長くタケちゃんには此の世界が笑って見えて欲しいと切に願いたいですね・・・

  • ばびぶべバサラさん>
    コメントありがとうございます。オカ・デウスの行く末まで案じていただき、恐縮です。

    僕が面白いと感じたことを細かいディティールで書こうとすればするほど、タケちゃん個人のプライバシーや家族の情報が白日の下に晒されてしまう・・・というジレンマには常に悶々としております。

    彼の世界が笑って見える状態を維持しつつ、どこまで「読み物」として踏み込んでいいのか。その境界線上で悩みながら、今年も低空飛行で書き続けていくつもりです。

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