生後2か月の次男が39度発熱!ヒトメタ&ロタのダブル洗礼と入院顛末

我が家の最新メンバー、弊息子リョウが発熱した。生後わずか2か月だ。

医者は「生後6か月までの赤ちゃんは母体から受け継いだ抗体があるので、病気にかかりにくい。生後半年を過ぎたあたりから病気にかかるようになる」と言う。

実際、第一子タケがそうだった。彼は生後6か月まで元気だったが、待ってましたとばかりにRSウイルスに罹患し、1か月くらいグズグズと保育園を休んだり登園したりの無限ループを繰り返したものだ。

今はまだ安全圏にいると信じていた第二子リョウについて、最初発熱があったときは「まあ、すぐに下がるだろう」と高を括っていた。

しかし熱は一気に39度まで跳ね上がり、翌日になっても下がる気配がない。どうもこれはおかしいぞ、ということになり、クリニックへ連れ込んで検査をした結果、「ヒトメタニューモウイルス」の陽性反応が出た。やっぱり病気だ!

一体誰だよ、この凶悪なウイルスを家に持ち込んだ犯人は。

いやもう、容疑者は一人しかいない。弊息子、タケだ。

僕は「忙しい忙しい」と1日14時間くらいテレワーク部屋にこもってキーボードを叩いているし、いしは育休中でリョウと自宅にほとんどいる。外界との接点を持っているのは、タケしかいない。

そういえばあいつ、一週間前くらいにゲホゲホと咳をしていたんだよな。

おまけに彼は、弟への過剰な愛情表現ということで、やたらとチューをしたがる。

うっかりするとディープキスでもかますんじゃないかという距離まで顔を近づける。「やめなさい」と何度一喝しても、馬耳東風でやめない。間違いなく、あの密着濃厚接触で感染したに違いない。あの野郎。

そんな余計なファンサービスを乱発するから、生後2か月の弟が39度の熱で半殺しの目に遭っているじゃないか。2か月児の高熱というのは、親の精神衛生上も相当に厳しい。

クリニックの医師は、すでに大学病院への紹介状を書いてくれており、これを持って今すぐ病院に行けという。

生後3か月未満の赤ちゃんが発熱した場合、命に関わるリスクがあるため「原則入院」が鉄則だからだ。手渡されたのは東大病院宛の紹介状。

ところが、いざ病院に電話をかけてみると「あいにく現在病床が埋まっておりまして、受け入れ不可です」と言われてしまった。えー。東大病院ともあろう巨大要塞が、枠がいっぱいなのか。それは非常に困った。

では、ということで、家の近所にある小児病棟を併設していそうな総合病院にいしが電話をかけ、受け入れ可能か問い合わせてもらった。

すると、そもそも「別の病院宛てに書かれた紹介状では、当院では受け入れられません」という非情な仕様を告げられた。

しまった、紹介状というのは親展扱いで宛名が明記されているものだから、別の病院に使い回す運用はできないのか。大事なのは宛名に書かれた組織名ではなく、そこにいる病人(赤ん坊)の命でしょうが!と言いたくもなる。

が、「まあ、そういう返事になるよな」と電話口の担当者に同情もする。

結局、夜間・休日診療をやっている地元の医師会が運営するクリニックに行き、そこで改めて紹介状を書いてもらう展開になった。

ありがたいことに、このクリニックは受け入れ先となる病院を自ら見つけてくれるというし、入院の調整がついてから紹介状を作成するという。なんという神対応、助かった。

というわけで、弊息子リョウ、生後2か月半にして早くも「病院へ入院する」という急展開を迎えることとなった。

大急ぎで荷物をまとめたいしは、メルトダウンしかかっている小さなリョウを抱きかかえ、タクシーで病院へと消えていった。

病院によっては、病人である子どもだけが隔離入院となり、家族の付き添い同伴が不可のところもあるが、リョウが滑り込んだ病院は「同伴入院がデフォルト」の仕様であった。

現地に潜入したいしからの実況レポートによると、個室が用意されていて極めて快適であるという。付き添い者用の簡易ベッドのレンタルも不要だ、という。えっ、生後2か月にして個室!?なんという身分不相応な贅沢をかましているんだ。

翌日、僕がお見舞いに行ってみると、確かに立派な個室だった。下手なビジネスホテルよりも広い個室だ。

なるほど、入口を見るとそこには「感染対策C」と書かれた物々しい札がぶら下がっている。この部屋の中には危険な感染症患者がいるぞ!という事実を、医療従事者に知らしめるための警告灯だ。

室内への進入条件として、アルコール消毒は当然の義務として、マスク、エプロン、手袋を装備、というチェック項目が並んでいる。ずいぶんと厳重なセキュリティだ。唯一、アイガードだけはしなくても良いらしい。

そんな大げさな、と最初は思ったが、実際に看護師さんたちは全員が総出でこの防護服バリの装備を纏って室内に現れ、用事が済んだらそれらの装備を1回の訪問ごとに容赦なく廃棄していた。本当にものものしかった。

個室=セレブな贅沢、だと思っていたが、本質は違った。他の患者から隔離せざるを得ないから、物理的に隔離されているだけなのだ。小児外科などで入院している他のな子どもたちに、この凶悪ウイルスを院内感染させるわけにはいかないから。

包帯でぐるぐる巻きに拘束されたリョウの手元からは細いルートが伸び、その先には「ヴィーンD輸液」というパックがぶら下がっていた。

いわゆるブドウ糖液で、これで生命維持の栄養補給を行うのだという。しかしこの1パック500mlで、得られるエネルギーはわずか100kcal。100kcal!?えらく燃費の悪い少なさだな、それじゃあ餓死してしまうんじゃないかと心配になる。

が、そもそも体重6kg程度の赤ちゃんの1日の基礎代謝量は300kcal程度に過ぎないのだった。

300kcalで生きていけるのか、赤ちゃんって。泣くときは「ヒエーンヒエーン」と全身全霊のエネルギーを使って自己主張しているくせに、案外エコドライブなのだな。

ちなみに、枕元で稼働しているシリンジポンプの数値を観察すると「25ml/min」となっていた。あれ、これだと20分でこの輸液1パックを使い切る計算になるな。じゃあ、1日3回、1回20分のお食事でひとまず基礎代謝分のカロリーは補える、というわけだ。

あとは、これといって特殊なイベントはない。ヒトメタニューモウイルス自体は子どもがよく感染するありふれた病気なので、それそのものに驚きはない。

ここから病状が急変して修羅場になる、ということはないはずだから、その点は安心だ。生命維持のための最低限の処置をこうやってプロの手で施してもらえているし、何かあってもナースコール一発で看護師さんが飛んできてくれる、という絶対的な安心感は、自宅監禁に比べれば非常に心強い。

3か月にも満たない未完成な子どもの病気なので、我が子とはいえ「やつれてしまって、見るのが耐えられない」「かわいそうにつらそう」などという情緒的な同情は、正直なところさほど湧かなかった。

もともと、まだ目がパッチリと開いて人と目線を合わせたり、こちらを認識してニッコリ微笑んだりする月齢ではないからだ。普段からぼんやりしている状態の子が、ぼんやりしたまま病院のベッドにスライドして入院している、という状態だった。

たぶん、これが生後5か月を過ぎてから入院していたら、僕はもっと深刻に心配したと思う。それくらいになれば表情も豊かになり、キョロキョロと世界を観察し始めているはずだからだ。そんな愛嬌を振りまくようになった子が、高熱でぐったりしていたら、さすがに僕のメンタルも気が気ではなかっただろう。


近代的な総合病院の医療制度と、そしてそれを裏側で支えてくれているありがたい社会保険制度のおかげで、無事に退院の日を迎えることができた。3泊4日の短期決戦だった。

入院期間中、いしはずっと付き添いとして現地に不眠不休で滞在し、僕は僕でタケと一緒に自宅を守る防衛任務に就いた。

退院後しばらくの間は、まだリョウの体内から菌が検出される恐れがあるということで、我が家は「いし・リョウペア」と「おかでん・タケペア」の二陣営に分かれて別室で寝るという、厳格な家庭内隔離を敷くことになった。

・・・しかし、そんな付け焼き刃の防壁など、ウイルスの前には無力だった。結局、いしは発熱こそ免れたものの、半月ほどゲホゲホと激しい咳が出続けるハメになったし、ワンテンポ遅れて僕も全く同じ呪いの症状を発症した。

タケから始まったドミノ倒しは、リョウ、いし、おかでん、と綺麗に伝染し、家族4名全員がことの大小はあれど病気に見舞われたことになる。小さい子どもを抱える家族というのは、この一網打尽のパンデミックがあるから本当に恐ろしい。泥縄式な家庭内感染だ。

ちなみに、入院中の詳細な精密検査の結果、リョウの体内からはヒトメタニューモウイルスだけでなく、なんと「ロタウイルス」まで検出されていたことが判明した。

乳幼児が感染すると重症化の危険があると言われているツートップの病原体を、まさかダブルで同時保菌していたとは。生後2か月にしてこれほどの毒素を抱え込むとは、我が子ながら実に懐が深いというか、大物感が漂う。

(2026.03.23)

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