実験その1:「ガルシニアV 減肥杜仲茶」

-1999年06月20日-

さて・・・やるべぇかな。こんなもの、早く軌道に乗せないと「ま、無かったことにしよう」といういつものイリュージョンがはじまってしまうに決まってる。早速近くの薬局に行ってブツを手に入れることにしよう。

おにーさん 「さあ、ここがおかでん君の主戦場となる薬局だよ」

おかでん 「わあ、たっくさんダイエットのおくすりがあるんだねえ」

おにーさん 「それだけラクして痩せたいっていうバカが多いって事だよ。全く間抜けだよねえ、そんな事ができりゃ誰も苦労しないってのにね」

おかでん 「あれっ、じゃ、僕がこれからやろうとしてることって一体・・・」

おにーさん 「あっ、おにーさんが言ったことはおかでん君は全く気にすることはないんだよ。安心してダイエットすればいいんだから」

おかでん 「ふーん。なんだかわかんないけど、まあいいや。 それにしても、数カ月前に来た時と品物が全然違うや。どうしたんだろう」

おにーさん 「ま、一言で言えば売れなかったんだろうな。薬といえども、商品だから売れなけりゃ取り扱い中止、だ」

おかでん 「ってことは、その薬は全然効き目が無かった、ってこと?」

おにーさん 「その通りだ。そういう薬は、買っても意味が無いニセおくすりだから、おかでん君は買ってはダメだよ」

おかでん 「でも、そういうダメダメなおくすりを意識的に試してみるってのも面白そうだけど・・・?」

おにーさん 「おっ。おかでん君も粋だねぇ。そこらへんの妙を知りつつ、手を出すってのはおにーさんも大賛成だよ。余裕が出たらやってみるといい」

さて、結局この日、おかでんが手に入れたダイエット薬といえば・・・

名 称:ガルシニアV 減肥杜仲茶
形 態:240g(5g×48袋)のティーバッグ
お値段:1,280円 (定価3,000円)
原材料:杜仲緑茶、エビスグサ、六堡黒茶、鳩麦、麦芽、ガルシニア、サンザシ、ギムネマ・シルベスタ、カワラケツメイ、玄米、キダチアロエ
お勧めの人・つい食べ過ぎる方 ・甘いもの油ものの好きな方 ・ダイエット中の方 ・もっと美しく健康でありたい方

正直、もっとキャピキャピした恥ずかしーぃダイエット薬にチャレンジしようと思っていたんだけど、まだそこまで踏ん切りがつけられなかった。ということで、渋い、渋すぎる!というパッケージの杜仲茶をセレクトしてみた。

おかでん 「おや、ダイエットコーナーとは別に、「当店おすすめ」コーナーにダイエットのおくすりがおいてあるよ」

おにーさん 「何がどうおすすめなんだろうね。不思議だね」

おかでん 「あ、ちょっとすいません、この杜仲茶なんですけど・・・」

店員 「はい、なんでしょう?」

おかでん 「なんで当店オススメになってるんですか?」

店員 「えっと・・・えっとですね、この杜仲茶は普通のものにさらにガルシニアなどいろいろダイエットに効くと言われている成分が添加されていますので、従来製品よりも効き目があると」

おにーさん 「(目をきらーんと輝かせながら)ってことは、この薬はキく、と思って間違いないんですね?」

店員 「ええ、普通の杜仲茶よりは成分が・・・」

おにーさん 「実証されてるんですね?間違い無いんですね?成分がどーのこーの、ってのはどーでもいいんです。キクか効かないか」

店員 「いえ、人によって効果ってのはまちまちですので、一概には」

おかでん 「おにーさん、あまり店員さんいぢめちゃダメだよ」

結局、薬局の店員はパッケージにかかれている成分表と効能書き以上の事を答えることはできなかった。ま、そんなもんだろう。一個一個の薬を実際に試してみるなんてのは不可能な話だ。ってことはだ、いかにも効きそうなパッケージにして、ダイエットに効くと言われている成分をごくごく少量でも含ませておいて成分表にデカデカと記述し、って事をやればどんな怪しげな薬でも売れるのかもしれない。

さあ、これからこのお茶でダイエット開始だ。結果はしばらく待て!

-1999年06月27日-  欠席裁判

おかでん、VAIO505Gハードディスククラッシュ。失意のまま唐津方面に失踪。どうやら、水上の格闘技競艇で、すさんだココロを癒そうとしているらしい。

ということで、今日はおかでん抜きで欠席裁判ということになった。

裁判長 えへん、えへん。ただいまより裁判を開廷するんである。

書記 一同、起立。

裁判長 さて今日は被告人おかでんは不在ではあるが、この一週間どういう経緯をたどったのかを確認したいと思う。深く反省の色が見受けられる事を期待してやまんのである。では、検察官よろしく。

検察官 ではまず参考人の証言を求めます。

裁判長 やけに早い展開だな、まあいいでしょう。

検察官 では参考人の博士に登場いただきます。博士、どうぞ。

博士 やあどうもどうも、ノストラダムスの大予言が迫っている今日この頃、いかがお過ごしじゃろうか。

裁判長 大丈夫か、このヒト。

検察官 大丈夫です、ちょっと色物っぽく演出しないといけないかなと思ったもんで。では博士、彼の一週間の体重推移を見せていただけますか。

博士 おやすいご用じゃよ。

体重推移グラフ1

博士 どうじゃ、こりが被告おかでんの体重じゃよ。

検察官 なるほど、で、このグラフから読みとれる事といえば・・・

博士 まあ待て、もっと多角的に物事は検討せんと、不十分じゃろうが。別の角度から検討したグラフを見てもらおう。

体重推移グラフ2

検察官 なんですか?これは。

博士 いやなに、さっきと同じ数値なんじゃけどな、たまたまExcelのグラフウィザードに「バブル」ってのがあったんで、試してみたんじゃよ。

検察官 ・・・で、これはどういう見方をするんですか?

博士 知らん。興味があったから試したまでじゃ。

検察官 いい加減にしてください、こんなデカイ表を掲載するだけで、傍聴人にとってはダウンロードに時間がかかって迷惑なんですから。

博士 わーはっはっ。すまんすまん、次こそちゃんとしたグラフ出すから。

検察官 お願いしますよ、もう。

謎のグラフ

検察官 ・・・。

博士 あら?面白くないか?ここで体重のグラフがでてくるかと思いきや、っていう意外性、これぞギャグの王道じゃな。わはは。

検察官 つまみ出せ。

書記 はっ。

博士 あ、こら、何をするか、やめんか。セクハラだ、セクハラだ、訴えてやる。はなせっ。

裁判長 訴えは棄却します。

(どたばたどたばた・・・・)

(数分経過)

検察官 先ほどは大変しつれいいたしました。

裁判長 なんなんだね、彼は一体。法廷を侮辱する気か。

検察官 いえ、そういうことは決して。

裁判長 では、しきり直しで裁判を続行します。

検察官 ふっふっふっ。

裁判長 ん?検察官、一体どうしたのですか。

検察官 (べりっと顔面を引き裂き)わしじゃよ、わしっ。

裁判長 あっ、さっきの博士!

博士 そう簡単に人生幕を降ろせるかっって。検察官君には、ちょっと睡眠薬で眠ってもらったよ。

裁判長 だぁぁ、収拾がつかなくなったので、裁判は延期!延期!

弁護士 あのー、ワタシの出番が一度もなかったんですけど・・・

裁判長 延期じゃーっ!
いや、まじな話、書いている自分がワケわからなくなっちまった。ということで、とりあえずこの話題はやり直しにさせてください。それにしてもチープなソープオペラになっちまったよなあ。アメリカンプロレスみたいだよ、まったく。

-1999年08月21日-  いきなりだけど、まとめ

いきなりだけど、まとめなんである。えへん、えへん。

おにーさんと会話をしているまではまだ良かったんだけど、裁判だとかわけのわからない概念を取り込んだが為に、収拾がつかなくなってしまった。ってなワケで(どういうワケだ?)、面白可笑しく書くのはあきらめて、もう一気にまとめにはいってしまおう、過去を振り返っていてはダメ!前向きに生きなくちゃ!というなんだか一世代前の青春映画的な事を口走って誤魔化してしまおう。

さて(強引な話題転換)、懸案の「減肥杜仲茶」だが、結果はどうだったか。結論を知りたい?知りたくない?・・・と周囲の人々を煽ってみたところ、「聞くまでもない」という回答、多数。がくっ。そうか、聞くまでもなかったか。

ということで、「聞くまでもなかった」という事で、このコーナーは終わりだ。さらばだ。

・・・で済むなら、最初からこんな文章書いているワケがない。気を取り直して、結果報告をば。減肥杜仲茶、減量効果認められず。

味は、ごくごくふつうのお茶の味だった。杜仲茶というと、相当クセのあるお茶というイメージが強いが、このお茶はそのイメージはほとんどない。だから、飲みやすい。お手軽で非常に結構。

なんだけどなあ、だからってこのお茶を毎日2リットル近く飲め、ってのは無理があった。人間ペットボトルじゃないんだから、2リットルなんて飲もうと思っても飲めるもんじゃない。平日だと、朝出社前に1リットル、帰宅後寝るまでに1リットル飲まないとノルマが達成できない。これは一種の荒行ではないか。そうか、ラクして痩せるって事はやっぱりあり得ないのかと妙に感心。

感心したはいいんだけど、やっぱり一日2リットルは続かなかった。夜寝る前にやかん丸々減肥杜仲茶を飲んだ時は、トイレが近くて近くて熟睡できなかった。おかげで翌日の勤務時間中眠たくて、仕事に支障がでかかったなんて事は誰にも内緒だ。

ダイエットの薬をやるからには、二つの条件ってものがあると俺は考えている。

(1)ダイエット薬としてそれなりの効果を発揮する。
(2)いかにも「ダイエットやってます!」という気分にさせてくれる。

(1)は、当たり前の話だ。高いカネ払っているんだから、効果がないんだったら詐欺だ。当然だな。しかし、この効果だって「2カ月後から効いてくる」みたいな「大器晩成型」では駄目。できるだけ早めに、「あれ、ひょっとして効果出てる?」と思わせる何かがないと。そうでないと、徐々に「ホントにこの薬効いてるのかいな、ニセモノじゃなかろうか」と不安になってしまったが、自然自然とクスリの飲み忘れなんかが増えてくるのだな。

(2)は、盲点だけど重要。これ、実は(1)よりも比重高いと思う。結局、どんな効果バツグンなクスリを飲もうが、並行して毎日の食事を減らしメニューも考えないと意味がない。そりゃそうだ、究極のダイエットは「食べない」事なんだから。で、クスリが苦いとか値段が高いとか、飲む側からしてみると相当な負担を強いられると、「ぬおお、俺はこれだけ苦労しているんだ、毎日の食事だってちょっとは気をつけないと」という気分になってくる。こういう気分になればしめたもの、クスリの効果なんて胡散臭くたって痩せることができる。

さて、今回の「減肥杜仲茶」の場合どうか。(1)該当せず、(2)該当せず。あれれっ、クスリとして全然意味を成していないではないか。

案の定、なんだか張り合いが無くなって来たなと感じるまで4日間。まーいいか、飲まなくてもとサトリの境地に達するまで一週間、「あっ、まだこのお茶あったんだっけ」と記憶が大脳のシナプスから切断されかかるまで二週間足らず。エアコンの「急速冷房」ボタンをオンにした時みたいに、すーっと熱は冷めていったのであった。

「一日2リットル近く飲め」と書かれているやり方に従わなかったワケで、なんだやっぱり痩せなかったじゃねーか、とメーカーを攻めるのはお門違い。ひょっとすると、ルールに則ってれば劇的に痩せたかも知れないしそうじゃないかもしれない。こればっかりはわからない。

まあ、「お茶」として飲む分にはこんなもんか、ってな感じの飲み物だったけど、これだったらよっぽど烏龍茶でも飲んでいた方がマシじゃなかろうか、って気になってくる。いや、やっぱり違うぞ、いくら安売りとはいえ千円以上のお金を払って買ったお茶だ。ふつうの良心的なお茶ってもんは、どう考えたってこの半額で変えるはず。やはり、高いってのはそれなりの「ダイエットに対する期待料」ってものが含まれているのだろう。じゃ、この期待料がみすみす無駄になってしまったおかでんの立場っつーのはどうなんのよ、まったく。

ただ、一つ言えるのは若干の利尿作用があったということ。この利尿作用で体重が減る、という効果はあるだろう。まあ、利尿作用で痩せるなんてのは「スポンジをしぼって水を出す」程度の事で、またすぐ水につけりゃスポンジは水分を吸って元の状態に戻ってしまう。あんまり意味のないことなんだな。昨年10月に試してみた「ギムネマ茶」は、利尿作用という点で劇的効果を上げた。劇的な効果が上がるんであれば、利尿作用ってのも悪くはない。しかし今回のように中途半端な利尿作用があってもねえ・・・。「おっ、やっぱり体重減ったじゃない」って、いい気にさせるだけで本質的には何ら解決策になっていないんだから。やるんだったら徹底的に、「わっ、わっ、痩せてる!こりゃがんばらないと」と本人を焦らすくらいじゃなくてはね。

ということで、この「減肥杜仲茶」の判決はクロ!

でも、「これからダイエットはじめたいんだけどさて」という方には、スターターキットとしてちょうど良いかも知れない。痩せクスリと称するものがいかに効き目が無く、いかに高価なものかってのを最小限のダメージで教えてくれるから。

(つづく)

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