年末座談会-野郎共のクリスマス-
(2000.12.24/東京・板橋)
登場人物
師匠:飲み屋のおねーちゃんに歳は40過ぎと冗談を言ったら、「やっぱりそうなんだー」と信じられてしまい相当ショックを受けている人。
おかでん:最近アルコール依存症ではないかと真剣に悩む、酒飲み。しかし、最近はビール以外のお酒をほとんど飲まなくなった。
おかでん 「暇人さん、いらっしゃい」
師匠 「余計なお世話だ。ほっといてくれ」
おかでん 「でも、クリスマスですし。お越し願ってほいほいと顔を出すんだから、よっぽど暇だったんでしょ」
師匠 「おい、誇張してはいかん。ちゃんと私は『先約がある』って断ったはずだぞ」
おかでん 「でもそのとき、目が泳いでいましたぜ、師匠。それを見て、『あ、こりゃ大丈夫だ』って確信しましたもん」
師匠 「スケジュールを頭の中で思い出していただけだっつーのに。で、今日は何だい、また大食いの報告かい?」
おかでん 「いや、大食いは最近やっていないんで、まあお茶濁し企画っつーかとりあえず近況報告と今後の展望について、軽くトークしようと思ってこの席を設けました」
師匠 「何もクリスマスにやるこたぁ無いじゃないか、そんな企画」
おかでん 「暇だったもんで」
師匠 「・・・寂しいな」
おかでん 「余計なお世話です、ほっといてください。僕は敬虔な仏教徒なんです」
師匠「最近じゃお寺でもクリスマスパーティーやるところがあるらしいけどな」
おかでん「えっ、そうなんですか?じゃあ僕もそんなところです」
師匠「主張がころころ変わるなあ」
半額シールが貼られたクリスマスオードブル盛り合わせおかでん 「まあとりあえず飲み食いできるように買い出しはしてありますんで、どうぞ」
師匠 「ちょっと待て、これは何だい?」
おかでん 「ええ、さっき駅前スーパーのお総菜コーナーをのぞいてみたら、こんな面白い料理があったのでついつい。」
師匠 「容器はピザで、中は・・・ピザと、フライドポテトと、フライドチキンと鶏の唐揚げの盛り合わせか。」
おかでん 「たとえて言うなら、クリスマス皿鉢料理って感じ」
師匠 「どう見ても、クリスマス用お総菜の売れ残りをひとまとめにしたって感じだぞ」
おかでん 「失礼な、ちゃんと商品札見てくださいよ」
師匠 「何々・・・『オードブル』。おい、この料理の組み合わせでオードブルはちょっと無理があるだろ」
おかでん 「そのトホホぶりがまたイカすと思いませんか?」
師匠 「わびさびの境地ってヤツか。しかも、この自称オードブル、半額シールが貼られているし・・・確かにトホホ過ぎて逆に愉快だな」
おかでん 「でしょ?でもこの料理、すごくシンパシー感じるんですよね、なぜか」
師匠 「・・・お互い売れ残り、って事でかい?・・・」
おかでん 「・・・・・・。」
師匠 「ところで、大食いチャレンジはどうしたのかい?最近やってるって話を全く耳にしないんだけど」
おかでん 「やる気が無くなったってワケじゃないんですよ。このコーナーもおかげ様でなかなか好評でしたし、ネタは欲しいところなんです、本心としては」
師匠 「あ、好評なんだ。じゃ、どんどんやっていかなくちゃダメだろう」
おかでん 「でも、大食いってその場のノリで『よーし、やっちゃうぞ!』って感じなんですよ。ほら、過去4回のチャレンジも、そのうち2回が成り行き上急きょ決行してますし」
師匠 「よし、ならばその場のノリがあればいいのだな。それ、せっかくのクリスマスだ、この自称オードブル早食いを今やれ!さあやれ!」
おかでん 「勘弁してくださいよ、まずいものを好きこのんでたくさん食べる気はさらさらないっすよ」
師匠 「おい、そのまずいものを私にご馳走しようとしていたのは誰だ」
おかでん 「あっ」
師匠 「あっ、じゃない。まあいいや、で?最近はその成り行きってのが全くないの?」
おかでん 「無いわけじゃないんですが、やっぱり大食いってのは一人でやってもつまらないんですよ。でも、知人に同行を願っても、大抵は嫌がるんですね、馬鹿馬鹿しいって」
師匠 「孤高の人だなあ。で、結局一人で挑戦するのもバカバカしくって、ネタにならないわけだ」
おかでん 「そういう事です」
師匠 「オードブルってのはだな、メインとなる料理の前にちょっとつまむ軽食ってものだと思ってたよ」
おかでん 「いや、その認識は間違ってないと思いますよ」
師匠 「冷めたピザをもさもさ食べていたら、なんかもうどうでも良くなっちゃった」
おかでん 「ダメですって、この後メインディッシュがあるんですから」
師匠 「お、何が出てくるのかな?」
おかでん 「じゃーん。ポークチリビーンズの鍋でーす」
師匠 「あのなあ、何でクリスマスにこんなものを出すんだ。普通だったら鶏の足とか七面鳥とかケーキとか、そんなものがあるだろう」
おかでん 「いや、ポークチリビーンズは赤いから、ちょうどクリスマスに向いていると思って」
師匠 「もう今日は馬鹿負けしてるよ、全く・・・」
おかでん 「まあ、そう言わないでもういっぱい、ぐいっと」
師匠 「そういえば、さっき『成り行きは全く無いわけじゃない』って言ったよな、じゃチャレンジはあることはあったんだな」
おかでん 「まあ、ありました」
師匠 「じゃ、それを報告しないとダメじゃないの。アンタ会社でホウレンソウって習わなかったの?報告、練習、相談をちゃんとしろ、って」
おかでん 「師匠酔ってきている・・・ちなみに練習じゃないですよ、連絡ですってば」
師匠 「そうっ!連絡だ、連絡。キミはそれが抜けているのだよ、ほら早く連絡しなくちゃ、ほらほら」
おかでん 「へぇい。では」
【チャレンジ1:BIG台湾焼きビーフン60秒完食挑戦】
居酒屋の大皿メニューであった焼きビーフンを60秒で食べると宣言、挑戦したが焼きビーフンのもったり感の前にあえなく玉砕、80秒かかってしまい敗北。
【チャレンジ2:「寿司王国」再挑戦】
前回68カン食べた寿司王国に、再チャレンジ。今度は100カンを目指した・・・が、店に着く前に寄り道をしてしまい、到着した時には店が閉店していた。
【チャレンジ3:大盛り炒飯10分完食挑戦】
全てのメニューの量が通常の2倍はあるという中華料理屋で、大盛り炒飯(米の量にして2合以上)を10分で平らげるという挑戦。ちなみに、この挑戦は既に肉野菜炒め定食(こいつも半端じゃなく量が多い)とビール少々を飲んだ後に行われた。
結果は、6分強で完食。同席していた同僚からご祝儀として千円を強奪。しかし、店の人からは冷たく接された。しばらくはこの店の敷居はまたげそうにありません。
【チャレンジ4:「寿司王国」再々挑戦】
今度こそ、と寿司王国に早い時間に出かけたら、今度はまだ店が開店していなかった。店の前で、開店準備で看板やら何やらを出していた店員が渋い顔をしてたばこをすぱーっと吸っているのを目の当たりにして、何か急にやる気がなくなってしまい、退散。
おかでん 「ってな感じです」
師匠 「何だ、その『ってな感じです』ってのは?よくわからんぞ」
おかでん 「いや、だから、後でweb上に掲載する事を考えて」
師匠 「ま、結局ロクな挑戦をやってないし、ロクな結果も残せていないって事じゃないか端的に言えば」
おかでん 「ぐは。厳しい指摘ですがそれは事実」
師匠 「しかし時間制限がより厳しくなってきてるんじゃないの?」
おかでん 「結局、大食いだけじゃ、同席した人の誰もが興味を示さないんですよ。単なる意地汚い豚野郎、って扱いで。でも、この大食いにタイムトライアルの要素を入れると、見ている方としてはがぜんスポーツライクに思えるらしいです」
師匠 「オリンピックイヤーだったしな、今年は」
おかでん 「あんまり関係ないと思いますが・・・。確かに、ひたすら大食いやっているのを端から見ていても面白くないですが、時間制限があると時計をちらちら見ながら『あと●分!』って楽しめますからね。スリルがあるし、自分もタイムキーパーという形でこの闘いに参加できる」
師匠 「でも、おかでん君としてはそういうシチュエーション、不本意なんでは?」
おかでん 「不本意ですねえ。時間を短く区切れば区切るほど、汚い食べ方をせざるを得なくなりますし。大食い野郎の永遠のテーマは、いかに美しく食べるかだと僕は思ってますから」
師匠 「で、2001年はどうするの?」
おかでん 「とりあえず、アホなタイムトライアルはもう嫌です、来年は酔った勢いでも無益なチャレンジはやらないようにします」
師匠 「だなぁ。そんな事やって成功しても、君の評価は下がるだけだし、何の得もないからな」
おかでん 「2001年は、とりあえず3つの課題を持っています。一つ、寿司王国にて寿司リベンジマッチ。二つ、庄屋ジャンボカツカレーリベンジマッチ。三つ、わんこそば挑戦」
師匠 「とりあえず過去の清算をしないことには次に進めないって事か」
おかでん 「そういうことです。で、その後にわんこそば」
師匠 「まあ、でもそうは言ってもまず2000年をクリアしない事には2001年を迎えることもできないだろう」
おかでん 「ん?どういうことですか師匠」
師匠 「早くこのオードブル、平らげてしまいなよ」
おかでん 「あっ、まだ残っていたんだ・・・」
師匠 「売れ残った人による、売れ残った料理を食べるクリスマスで、なおかつまだ売れ残っている。もうどん底だな、この料理」
おかでん 「トホホ・・・」
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