ビールぐいぐい実況中継

11月13日 23:14

今日は趣向を変えて、生放送状態で更新していこうと思ってます。文章を書きながら、どんどん掲載していきます。

今まで、ICレコーダーでその状況を録音しておいて、ネタ執筆時にリアルにそのときの状況を再現するという手法はやったことがありますが、今回はICレコーダーなんて面倒なメディアの仲介は抜き。今、その場でやっていることをそのまま掲載しちゃおうと。

何をやろうとするのかは、次回更新時にお伝えします。リアルタイムで更新されていく様を見られた人は、ラッキー・・・なのかなあ。たぶん違うような気がする。

11月13日 23:22

いやね、今日はキリンビールの新作「キリン毬花(まりばな)一番搾り」の発売日だったんですよ。一体どんな味なのか、1カ月以上前から楽しみにしていたんで、その味見レポートをリアルタイムで掲載しちゃおうと、まあこういうわけだ。

毬花、という響きを聞いて、誰もが「マリファナ」を連想してしまう。僕自身、知人に「今日は毬花一番絞りの日なんですよ」って話題を振ると、「何?マリファナ?」と100%の確率で聞き返されてしまった。 どうも名前の付け方がえげつない。商品企画をやったキリンの人たちは、「マリファナ」と聞き間違える事を全く想定していなかったのだろうか。それとも、「その方が話題性があって良い」なんて上層部を説き伏せたのだろうか。

「今日、毬花飲んだぜ」とか「よーし、今晩は毬花軽く飲っていくか!?」という職場の中で、通勤電車の傍らで、繰り広げられる犯罪まがいな響きの会話が、斬新でありかつ注目を集めるきっかけとなる、なんて広告代理店は説明していそうだ。

11月13日 23:31

では毬花とは何か、というと、要するにホップの事なんですな。なーんだ、だったらわざわざ聞き慣れない「毬花」なんて名前にしないで、「ホップ」ってすりゃいいじゃーん、なんて今思ったお前。そうだお前だ。それは安直だぞ。「キリンホップ一番搾り」 誰が買うよ、こんなかっこわるいビール。何となく発泡酒っぽいではないか。 でも、「キリン毬花一番搾り」だと、何となく優しい印象、受けませんか?

しかし、話は根元に戻る。「ホップなんてどのビールにも入ってるではないか、何を今更」という疑問がわき起こる。しかし、この毬花一番搾りは摘み立てを瞬間凍結にしたものを使っているらしい。普通のビールは、温風乾燥されたものを用いることから、風味の点で全然違うというのが売りだとか。 ある雑誌に書いてあった、毬花の広告記事によるとその風味はこう表現されていた。 そのときの試醸品を飲んだ研究所員によると、「驚愕の味、まったく新しい味わいであった」という。

毎日仕事でビールの味ききをやっているであろう研究所員でさえ「驚愕」で「まったく新しい味」だったというのだから驚きだ。きっと、塩の代わりに砂糖が入っていた、とか冷や奴にしょうゆをかけるつもりがソースをかけてしまった、という類の驚愕とはまたひと味違うのだろう。これは、楽しみだ。

11月13日 23:43

ここまで読んで、何となく不気味に感じる人もいるだろう。なんだか、キリンビールの受け売りというか、宣伝に荷担しているぞお前、と。いや、そんな気はさらさらないんだけど、リアルタイム更新にした手前一つ大きな問題がありまして。 買ってきた「毬花」、全然冷えてなかったんよ。 今、冷凍庫で急速冷蔵中。それまでの時間稼ぎをせにゃならんのよ。あんまり台所事情のぞき見せんといてや。

ま、それはある意味真理なんだけど、それとは別に僕は純粋にキリンのこの商品を歓迎したくって、さ。 最近、発泡酒がよく売れているのは大いに結構な事なんだけど、そのとばっちりでビールが売られなくなってきているんだな。スーパー、コンビニに行ってみるといい。たくさんの種類のビールが並んでいるように見える。おお、季節限定ものも結構出回っているな。感心感心・・・。と、待ちたまえ諸君。よく見るとほとんどが発泡酒なんだな。店によっては、国産ビール4強の一角であるはずのサントリーモルツすら置いていない店がある。うう、売れていないってのは悲しいねえ。 一昔前は、春夏秋冬季節限定のビールを競って出していたというのに、今やビールの新商品はほとんどなし。せいぜい、秋にキリンが「秋味」、冬にサッポロが「冬物語」を出す程度。ビールに余計な広告宣伝や商品開発でカネをかけたくないとしか思えない。

そんな中、限定醸造ビールとして敢えて「毬花」を出すというキリンの心意気はとても良いと思った。「うちはビール一筋」とかエラそうな事を言っていながら結局発泡酒「本生」を出したり、ビール一筋じゃなくって実際は「スーパードライ」一筋なんじゃないの?ってくらい新商品を投入しないアサヒビールよりかははるかにカッコいい企業に見えた。 だからこそ、消費者サイドからこういう商品の登場は歓迎し、盛り上げていかなくちゃいかんのではないか、とかように思うわけであります。どうか清き一票を・・・あれ、もう衆議院の補欠選挙は終わったんだっけか。

11月13日 23:54

さて、時間稼ぎはこれくらいでいいかな?そろそろ、本題に入りましょうか。毬花の味覚チェック。

ここまでの文章で、富士山より高いところにまで持ち上げられてるんだ。そりゃあイマイチな味だったらさぞやこっちだって気合い入りますぜ。どういう形でけなしてやろうか、と。 とりあえず、冒頭で「バカヤローっ」って叫ぼうか。いや、それだと芸がないな。 「うむ、マリファナの方がまだ美味かったな」と書こうか。「おい、じゃあお前は麻薬をやったことがあるんか!」というツッコミが入りそうで入らない、微妙な文章だな。

いや、そんな心配をするよりも、美味かったときにどう形容するかだ。 「ウメーッ!」「ぷはーっ」「ううむ、う、う、うまーい」 いまのうちにいろいろ考えておこう。安易に「ウメーッ」を使うと、何となく椎名誠チックで残念だし、かといって「激しくウマー(゚д゚)」と形容してしまうと2ちゃんねらーみたいだし。

とりあえず、今冷凍庫をのぞいてきます。そろそろビールが冷えてもいいでしょう。何も僕、悪いことやってないもん。いい子にしてたんだもん。

11月13日 23:58

なんかだんだん己のキャラがおかしくなってきつつあるような気がする。ビールを前にはやる気持ちを抑えられないみたいで。 ええと、今冷凍庫見てきました。 全然冷えとらんかった。 ぐは。 とりあえず、誰を処刑すればいい?誰にあてつければいい?お前?お前か!

そういえば、冷凍庫いっぱいについた霜をとろうとして、冷蔵庫の電源を落としていたんだっけ。帰宅直後に復旧させたんだけど、まだ冷気が安定しとらんかった。 不覚だ。会社クビにされちまいそうなくらいの不覚だ。

11月14日 00:00

気を取り直して、ビールのつまみを準備しようじゃないか。 ご機嫌なビールを飲むからには、ゴキゲンなつまみじゃなくっちゃ。ということで、豆腐とかビーフジャーキーは却下。これから餃子焼くことにしまーす。しばし待て。

・・・おい、日付が変わってしまったぞ。一体この時間に何をやってるんだ、僕は。

11月14日 00:15

ん?今餃子を焼きながら気づいたのだが、これって調理に案外時間のかかる料理じゃないか。 しまった、すぐにでもビールを飲みたいというのに。

思い出せ、ラーメン屋で「ラーメン、餃子、ビール」を頼んだ時の事を!! まず、ビールがやってくる。ちびちび飲む。やることがない。ううむ、ビールだけ飲んでもねえ・・・。しらばくして、「はいラーメンお待たせしました」。ううむ、ラーメンを肴にビールを飲め、と。まあ、ラーメン屋なんだから当然なんだけど、ビール飲んでると麺が延びる。ううむ、ううむ。

で、中途半端な状態で飲み食いしているうちに、忘れた頃になって「はい餃子です」。あっ、お前いたんだっけ?という存在。その時点では、既にビールはほとんど飲み終わってるし、ラーメン食べてそこそこ胃袋もふくれているわけであり、お前一体何しに来たの?もういいよ、今更・・・。っていう悲しい扱いを受けてしまう訳ね。

こちらとしては、やはりビールが出てくるのと同時に餃子を食べたい!もちろんできたてのを出せコノヤロー!という欲求はあるわけだ。 瞬間で焼ける餃子って発明されたら、大売れすると思うですよ。誰か真剣に開発しないのか?大金が目の前に転がっているぞ、今がチャンスだ、ほら!

ええと、何の話だっけか。 そうそう、思い出した。結局、餃子ってのは「遅刻常習犯」な存在なんだな。味そのものはビールとベストマッチングにも関わらず、ビールさんとの登場タイミングが致命的にズレる。この悲しさ。すれ違ってばっかりの遠距離カップルみたいなものだろうか。「君の名は」みたいなものだろうか。

おっと、とか言ってる間に餃子が焼き上がってきましたぞと。今回は、きっちりビールと邂逅させてやっからな、しばしまっとれい。では、ビール準備に入ります。

11月14日 00:24

毬花一番絞りの外観

はい、お待たせしました。ようやくここからが本番ですよー。

毬花一番搾り、登場。ようやく冷凍庫も冷えてきて、ビールが飲める状態になって参りました。

餃子のほうも、ぱりっと香ばしく・・・危ない、後もう少しで焦げるところだった。 準備完了ってことで、では飲みましょう。 果たして、「驚愕の味」は本当なのか?「全く新しい味」は信じていいんですか刑事さん! ここから先、ビールで酔っぱらってしまい執筆が中断するおそれがあります。10分以上更新がなかったら、 恍惚の世界へ旅立ったか、居眠りしてしまったかのどっちか。諦めてください。 では、開封してみましょう。

11月14日 00:34

しゃこっ。 今、開封した。くんかくんか、ええと、臭いは特に変わりないみたいだけど、いつもよりも青っぽい臭いがするような。気のせいか? では、飲むぞ。それ。 ん?んん? 味が薄いような気がする・・・。

11月14日 22:00

いやあー。おそれたとおりというか、期待は裏切らないというか、更新がストップしてしまいましたな。ビールを飲んだ直後から(苦笑)。

味がイマイチぴんとこなかったので、「あれ?あれれ?」って何度も飲み直しているうちに、眠たくなってきちゃって。もう、どうでもいいや・・・って。別に酔いつぶれた訳ではなく、酔ったために急速に疲れが出てきてしまったというのが正解。

で、報告途中だったビールの味なんだけど。 何々?広告によると「みずみずしい味わい」だって?ああ、そりゃみずみずしかったよ。 っていうか、水っぽかったけどな。水水しい。 コクが無い!コクが無いんだよママン! だから、飲んだ気がイマイチしないのだな。バドワイザー的な感じといえばいいのか、どうか分からないけど、とにかく「薄い」という印象が第一。

もともと、一番搾りはラガーと比べて薄い味わいだったわけだけど、「試しにどこまで薄くしたらお客さんが怒るか試してみました」って制作されたんじゃないかというくらい、水水しいんだなこれが。恐らく、ホップの芳醇な香りと苦みをストレートに表現するための措置なんだろうけど・・・ううむ?香りも苦みもあんまり、しない。 あんまりにも期待とはずれていたので、「きっとにおいのかぎ方が間違っていたに違いない」と自ら深く反省。まるで新蕎麦を食べる時みたいにズズズっとビールをすすり、飲んだ後に鼻に向けて吸った空気をすぱーっと吐いてみた。何か下品な飲み方だなあ、今こうして文章にしてみると。

で・・・ああ、するする。確かに、ホップの香りがする。そりゃそうだ、ビールなんだから。 ええとね、普通のビールよりも、ホップの香りが青っぽい、草っぽいような印象は受けたけど、きっと誤差の範囲だと思うので断言はやめとこう。あんまり自信がない。しかし、そこまでフガフガやってようやく判別可能ってどういうことよ。 おい、「驚愕の味」、どこ行った。 「驚愕の味」を期待して飲んでみたら、全然驚愕じゃなかったので驚愕してしまった、という訳の分からない状態だぞー。生煮え状態のこの僕の気持ちをどうやって静めてくれるんだ、おーい。

この文章をしたためていたら、ちょうど机の横に昨日の飲みかけの毬花一番搾りが放置されていた。飲みかけたまま放置されているのを飲むのは気分的にイヤだが、ぬるくなったビールはまた違った味わいがあるかもしれない・・・と思って、飲んでみることにした。

あ、なるほど。ふーん。昨日飲んだ印象とはちょっと違った。もちろん、味が薄いのは事実なんだけど、香りはしっかりと青臭かったし、味は・・・味は・・・ええと。分かりません。 恐らく、ほかのビールとはちょっと違うんだろうけど、これ以上味覚について深追いすると、「おかでんの舌は靴べら以下」ということが発覚してしまうので、この辺でやめておく。

結論:毬花一番搾り、期間限定なのでとりあえず一遍飲んでみるべし。ただし、キンキンに冷やすと非常に水っぽく感じるので、冷やすときはほどほどに。味は、まあ、味覚に優れている人でないとわかんないと思う。

実況中継やった結論がこれかよ。意味ねーっ。

(2002.11.14)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください