
この一カ月の間、広島に行ったり来たりしたり、滞在していたので広島での外食回数が多かった。写真を撮っていないお店も当然たくさんあったが、撮れたものを記録としてこのページに留めておきたい。
まず最初は焼肉店の「叙寿苑」。なんか似た名前の高級焼肉店が東京の方にある気がするが、きっと気のせいだろう。うんきっとそうだ。このお店も、高級焼肉店の部類に入るようで、通された席は個室だった。
個室で焼肉。
何か良からぬ事を画策したくなるが、その「良からぬこと」が思いつかなかったのでやめにした。初めてのシチュエーションにつき、想像力が至らなかった。


左は、100g3,150円の牛タン。桁が一つ違ってるんじゃないの、目を見開くお値段。でも、さすがに値段が張るだけあって、肉の大きさ、太さが一般的な焼肉屋の牛タンの追随を許さない。いままで食べてきたぺらっぺらの牛タンって一体何だったんだ。何しろ、焼いたら肉が波打ってしまってたもんな。それに比べ、こちらの牛タンは、火が通ってもどっしり、ずっしり。味だって、素人目でも分かる旨みの深さ。ああ、至福。僕今日、牛タンとご飯だけで十分です、ビールもその他の肉もいりません、という気にさせられた。
右の写真だって侮れない、・・・けど、何の肉だったっけ。特上ロースだったかな。これも100g3,150円。もう好きにして。
でも、ここまでいい肉を焼いても、「ああおいしいね」「すてきだね」で終わってしまうんだな、ということに気が付いた。やっぱり焼肉の醍醐味(だいごみ)は、安い肉でも何でも、わいわい言いながらがーっと焼いて、「ほらそっち焦げそうやんけ、早く食え」ってやってるのが楽しい。


地鶏やハラミ、カルビなんぞも、通常の価格概念からヒトケタ高いお肉を頂戴いたしましたが、大変においしゅうございました。ただ、やっぱ焼肉っつーのは、同世代の人間で、なおかつ同じくらいの量を食うヤツと行くのが一番楽しいんだろうなーと思った次第でござい。食が細くなり、「おいしいものを、ちょっとだけ食べられればそれでいいや」という両親と行くと、どうしてもペースがあわない。おいしい肉にありつけるのは大変に有難いことだけど、それ以上の「焼肉の楽しみ」を犠牲にしている気がした。
すまん両親。親に罪はないのだが。

広電西広島駅前にある「てっぱん屋」。まだ比較的新しいお店だ。以前、「特許製法」だか何だかで、お好み焼きの上にトンカツを載せるという、どう考えてもそりゃやりすぎだろう的料理を提供しているお店があったのだが、敢えなく廃業してしまったらしい。その後釜として入ってきたお店。
立地条件は悪くないのに、なぜかゲンが悪い場所なのでこのお店も大丈夫かしらん、と心配はしていたのだが、どうしてどうして、大繁盛しているじゃございませんか。
一階席がいっぱいだったので、二階席に通される。若い店員さんで切り盛りされていて、お客さんいっぱいで大変なのにニコニコ愛想がよいオネーサンがとても清々しかった。そのおねーさんに進められるままに「空くじ無しのくじ」を引いたところ、3人で「1,000円割引券」「500円割引券」「ししゃも無料券」をゲットした。もちろん次回からの利用になるわけだが、太っ腹だ。


このお店、関西風のお好み焼き屋さんみたいに各テーブルに鉄板が用意されているものの、その上で調理するということをしない。一階の厨房で作った料理を、アルミホイルを皿代わりにして運んでくるという仕組み。じゃあ、鉄板はなんのためにあるの、というと、料理の保温のためだったというからくり。賢いんだかそうでないんだか、よくわからん。
繁盛しているお店なので、料理が出てくるまで相当時間がかかる。それだったら、生の食材を各テーブルに運んで「自分で焼け」ってやった方が効率いいしお客さんも喜ぶんじゃないの?と思うが、どうなんだろう。後かたづけの手間暇などを考えたら、あまり賢くないのかもしれない。
それは兎も角、料理。基本的にはお好み焼き屋なのだが、酒肴になるような焼き物類が豊富に用意されている。
最近すっかり牡蠣三昧な日々を送っているわたくしは、牡蠣三種盛り。牡蠣ベーコン炒めと、牡蠣のおろしポン酢と、あともう一個何だったか忘れたが、その三種。
右の写真はちゃんちゃん焼き。


エリンギ炒め、豚キムチ。


サーモンタルタルに、焼きそば。コンセプトめちゃくちゃな、いい加減な注文だなあと写真を並べてみてつくづく思う。

ちょうど宮崎が鳥インフルエンザで大変な事になっていたので、宮崎応援キャンペーンを勝手に制定し、宮崎地鶏のたたきを頼んでみた。ほぼ食後、といった段階になって卓上に届けられたのだが、その量の多さに一同閉口。結構なボリュームだった。

舟入幸町電停そばにある、汁なしたんたん麺のお店「きさく」。
たんたん麺一本で勝負しているという、大変に男らしいお店だ。醤油ラーメンやとんこつラーメンのようにまだ市民権が得られているとは思えないラーメンを専門に扱おうというのだから、よっぽどの自信があるとみた。
店頭には、「まぜればまぜるほどおいしいよー!」と、納豆の宣伝ではないかと勘違いするようなキャッチコピーが書かれている。
それにしても驚きなのはお値段で、ノーマルで480円、大盛りで550円。安い。いくら広島で地価が東京なんぞより安いとはいえ、こんなに安くて驚くやらありがたいやら。


汁なしたんたん麺の大盛り。大盛り、という割にはちょっと量が少ない気もするが、たんたん麺という性格上これくらいが丁度飽きのこない量なのかもしれない。ご飯もサイドメニューとして存在するのだが、面白いことにジャーは客席側に置いてあって、自分でよそうというセルフサービス形式になっている。そのせいか、早くいかないとご飯は売り切れになるということなので要注意だ。
さてこのたんたん麺、お薦めされるままによくかき混ぜて食べる。花椒の香りがふわんと立ち上がり、食欲がかきむしられる。あの「シビレ感」を嫌う人が日本人には多いのか、多くの四川料理では花椒を遠慮する傾向にあるが、ここは「万人受けする程度までは」花椒が入っていて、軽く舌先がシビレる。あと、辛さもぐいっと押し寄せてくるので、こりゃいいです、旨いです。青ネギが強烈な辛さとシビレを緩和させてくれるし、とてもおいしいお店だと思った。

的場町電停前に、讃岐うどんの旨い店があるという。「乃きや」というお店だ。昼時になると行列ができるというくらいだからなかなかなものだ。交差点の角地にあって、お店自体はそれほど広くはないが、外に面してうどんうちをしている職人さんの姿が見える。手打ちだ。
開店直後の11時過ぎに訪れてみたら、「おうどんはちょっとまだ時間がかかってしまうんですよ」と言われた。見ると、まだうどんを切っているところ。なるほど、これ幸いとビールを注文しつつ待つことにした。


天ぷらをつまみにビールを飲もうと思っていたのだが、何やら厨房をゴソゴソやっている。「・・・あれ。天ぷらって今から揚げるんですか?」「ええそうです、揚げたてをお出しします」「あ、そうだったんスか」
てっきり、セルフの讃岐うどん屋のように、揚げおきの天ぷらがあるのかと思っていたので当てが外れた。しまった、これではビールの相方がいないではないか。
「おでんならすぐに御用意できますが」
イケメンの店員さんに指さされた方向にはおでん鍋が。なぜかこのお店、全員がイケメンな若いおにーさんたちだ。きりりとしていて、かっこいい。それは兎も角、ああ、おでんがスタンバイされているあたり讃岐うどんですねえ、ってことで、厚揚げと牛筋をセレクト。お会計は後で「2個、おでん食べました」って精算時に自己申告、というあたりも讃岐風で大変に愉快。


おでんでビールを飲んでしまったので、天ぷらが来たときには途方に暮れてしまった。しゃーないのでお酒を一合追加。こんなに飲むつもりは無かったのだが。
で、うどんですが、大変においしゅうございましたよ。ゆでたて、ということもあって、もちもち感最高。いや、「もちもち」と形容するより、「むっちり」と形容した方が良いかもしれん。とにかく、おいしかった。

あまり全国区としては知られていないが、広島には独特のラーメン文化がある。尾道ラーメンというのは比較的有名だが、広島市にも、広島市ならでのラーメンがある。そもそも、広島では「ラーメン」と呼ばず、「中華そば」と言う。
最近じゃ、激辛つけ麺の方が有名になりつつあるようだが、どっこい、昔ながらの「中華そば」もしっかりと地面に足をつけて地道に商売をやっている。関東の用に、犬も歩けばラーメン屋にあたるというほどの密集度は無いが、ところどころ、この手の中華そば屋をみつけることはできる。
有名店としては、「陽気」「つばめ」「すずめ」なんてのがあり、この広島滞在中全店訪問したのだが、写真撮影したのは「陽気」だけだったので、このお店だけ紹介しておく。

余計なトッピングなど存在しないので、「一つ!」と注文すれば話が通じてしまう。
具は、もやし、ねぎ、チャーシュー。メンマも入ってたっけな。
もやしは、こちらの地方でよく見かける細めのもの。ひげが長い。東京界隈で見かけるもやしより一回り細いので、食感が全然違う。
麺は中細のストレートで、九州のラーメンに近い印象。ただ、スープは、九州のとんこつラーメンと東京の醤油ラーメンを足して二で割ったような印象で、とろみもあって一種独特。甘みが比較的強い。これ、病みつきになる人は病みつきになるだろうなあ、と思う。

井口電停の前にあるうどん屋もおいしいという話を聞いたので、出かけてみた。
「凡蔵(ぼんくら)」という名前で、なんとも自虐的な名前だ。いや、「こんな店にまで食べに来るお前らがボンクラじゃボケェェェ」ということなのかもしれんが。


釜揚げうどんが無かったので、天ぷら湯だめうどんにした。あと、ちく天(ちくわの天ぷら)が旨いという話だったので、そちらも注文。ちく天、旨かった!うどんより旨かったぞ、と言ったらお店の人に怒られるか。ちくわを天ぷらにすると、堅くなるという印象があったんだけど、このお店の場合ぷるんぷるんしたまま揚がっていて、食べていて至福の時なんですよこれが。

呉市に用事があって出かけた時に立ち寄ったお店。特に何か先入観があったとかいうわけではない。
尾道らーめん 鼓六家、だそうで。

それにしてもよく食うなあ、というセットをえらんじゃってるな、我ながら。
(2007.02.18)
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