韓国風広島お好み焼き

みやま食堂

広島市中区富士見町にあるドイツ料理を中心とした「居酒家」、「ばんざい」。
「昼から本場ドイツビールをぐいぐい飲めこの野郎」と、公序良俗に反した大変けしからん挑発を繰り返している。そんなお店を取り締まらねば、なるまい。お店にあるビールを全部没収し、胃袋の中に収めよう、という企画を立てます。
ただ、おかでんが広島にいるタイミング、しかも昼間から酒飲んでオッケーよん、というのを探すとなると、3月28日(日曜日)一択、となります。
それでも良ければ、誰か「昼から飲るぜ」メンバー募集。
たまにはますゐだけじゃなくて、それ以外の店も良いでしょ。
ソーセージが多種多様にあるので、そいつらを全制覇するのも楽しそうだ。
お酒が飲めない方も、「酒飲みと一緒じゃなくちゃ、これだけのソーセージを食べる機会ってないよなあ」と感慨に浸れるチャンス。ぜひお越しください。

・・・こういう気合い入りまくりの告知を「アワレみ隊OnTheBBS」のオフ会検討委員会スレに掲載したのはよかった。最近お前の人生全部「一目均衡表」の雲の下じゃねぇか、というくらいテンションが低いおかでんだが、珍しくやる気を出した回。ちょうどこのオフ会企画を前後して、「アワレみ隊大運動会」「アワレみ隊伊豆大島」があったので、たまたまゴールデンクロスしていた時期だったようだ。

しかし、参加者を募って、いざお店に予約の電話をしようとなった時点で問題発覚。日曜日はお目当てのお店、営業しとらんかった。がっかり。

その結果、迷走したあげくに土壇場で西区福島町にある「みやま」というお店に行くことになった。おかでんが広島の短期出張のついでのオフ会であり、当日早朝に夜行バスで広島入りするといったドタバタ状態。そのため、お店についてはほとんどわからぬままの現地に向かうことになった。

福島町といえば一昔前までは食肉市場があり独特の雰囲気を持っていたが、現在は移転したためにその空き地を中心に再開発された。そのため、新しい街のような古い街のような、不思議な風情がある町並みになっている。

われわれが目指した「みやま」もそう。看板には「お好み焼き みやま」と書いてあり、いかにもおばちゃんがお好み焼き焼いてます、というこれぞ広島なお店なのだが、その割には「自宅の一部を改造してお店にしました」風でもないし、お店っぽくない、三角屋根の一戸建て建築。あたりの再開発が行われた時点で、建て替えが行われたのかもしれない。

ええと、ところで今日はお好み焼き食べるんだったっけ?

オフ企画名は「Bier und Wurst 広島春の昼酒まつり」となっており、とりあえず昼酒飲もうぜ、というコンセプト。だから、ソーセージだろうがお好み焼きだろうが、カツーンと心地よく杯をあおる事ができればそれでいい。しかし、広島には星の数ほどあるお好み焼き屋の中でここがチョイスされるとは、渋すぎるぜ。

白菜キムチとカクテキがのっけから出る

今回のオフ会は、地元広島のクレイジーピエロ氏、きた氏の参加で合計3名による開催。こういう地元密着型のお店は、さすがに広島出身のおかでんでもおばちゃんとのあうんの呼吸がわからない。地元の方に任せた方が良い。

このお店には来たことがある、というクレイジーピエロ氏に注文は一任する。

店内はお好み焼きを焼く鉄板を取り囲むカウンター席と、長机のテーブル席と、お座敷席。テーブル席はパイプ椅子で、床はコンクリートで色気はない。

・・・と、おかでんが観察できた店内の様子、ここまで。厨房に背中を向ける状態で座っていたし、このあとクレイジーピエロ氏と店のおばちゃんとの掛け合いで怒濤の料理ラッシュ。とてもじゃないが、それ以外を観察している余裕なんて無かった。結局このお店のお品書きすら一切見ていないくらいだ。

とりあえず生ビールを頼む。3人なのになぜか5杯。おばちゃんが「なんで?」と不思議がったが、「いやもう、一杯目は一息で飲んじゃうんで、すぐに無くなるんですよ」と解説するしかない。「でもビールは冷たい方がおいしいでしょうに」とたしなめられるが、いやー、ビールがぬるくなる前に一杯目が消滅しちゃうんで。で、「二杯目まだかなあ」と待っている「間」がなんだか拍子抜けなので、ここは一気に俺は二杯頼む、と。

よい子のみんなに注意しておくが、一気飲み自慢をしているわけじゃないぞ。単に、大口径の排水溝が喉に装着されているので、ビールの流れが大層よろしいというだけのことだ。

ビールを頼んだところで、クレイジーピエロ氏が立ち上がってお店のガラス張り冷蔵庫の中身を物色しはじめた。冷蔵庫の中には、朝鮮料理店ではよく見かける、「ステンレス製の小型バケツ風容器」に入った料理がいくつか並んであった。

「おっ、雲白肉(ゆで豚バラ肉の薄切り)がある。おばちゃんこれちょうだい」
「そのままでもおいしいけど、鉄板で炒めてもおいしいよ」
「ああそれもええね」
「両方にする?」
「ほうね、それでお願い。あ、あとキムチとカクテキ。これも・・・」
「今日は○○もあるんよ」
「ならそれも」

なんだか冷蔵庫の前でぱんぱん注文がされていく。さすが地元民かつお店経験者。クレイジーピエロ氏は、厨房カウンターのところにも行って、

「おばちゃんこれは?」「ほうなん?」

なんてやりとりしている。多分未経験者かつ小心者おかでんは、このお店に来てもお好み焼きだけ食べてこそこそ退却していたと思う。店の隅っこの席に陣取って、お店の雰囲気とか来客者とかそういうのを観察ばっかりして。

先導者がいると大変にありがたい。たまに、

「おかでん隊長、おばちゃんああ言うてますけど、どうします?」

と聞かれるんで、

「それ、魅力。いっときましょう」

とオールオッケーをするだけだ。全く機能を果たしていないアホなファイヤーウォール状態。インバウンドもアウトバウンドも全く監視していない。

ただ、広島のこの手の「お好み焼き屋」において、アホみたいに飲み食いした結果財布がすっからかんになる、という事はありえなのでその点安心。

最初にやってきたのは、キムチとカクテキ。よく考えたら、これって朝鮮料理だよな。お好み焼き屋、という看板とのれんだったのに、非常に珍しい光景だ。

広島のお好み焼き屋で、「とりあえずの酒のアテ」というのは、「牛すじ煮込み」だったり「すじポン(すじ肉とこんにゃくをポン酢であえたもの)」が定番だし、季節に応じて小いわしだの牡蠣やエリンギなどを鉄板焼きにして提供する。できるだけ鉄板の上で完結する料理の方がお店としては楽だし、「うちはお好み焼き(&鉄板焼き)の店だ」と筋が通っている。おばちゃんが自宅改装して営業しているような店は公式な酒肴メニューは無いことが多いが、頼めば「トッピングメニューのものを単独で焼いてアテにできますよ」といってくれるのが普通。だから、砂肝とか海老とかイカ天(イカスナックのこと)などがアテになる。

しかしこのお店の場合、わざわざ手間暇かかる漬け物系、しかも鉄板とは無縁の朝鮮料理のキムチでまずはビールをお楽しみくださいときたもんだ。面白い。初めて見た。おばちゃん一人で漬けこんでいるんだろうか?だとしたら大変だなあ。

「いかんっ、これはビールがすすむぞ!」

予想外のキムチでビールがうまいうまい。これは大変にうれしい誤算。

繰り返して言うが、これ、「冷蔵庫の中をのぞき込んでブツを見つけた」クレイジーピエロ氏がいなかったら多分スルーされていたはず。いきなり「肉玉そばをお願いします。あ、あとビール」なんて頼んで、所要時間30分のお昼ご飯になっていた可能性あり。感謝。

ほうれん草と小松菜のナムル、タコキムチ、タコの炊いたん

あれれ。おばちゃんがうれしそうにあれもこれもと小皿を運んできたぞ。

あっと言う間にテーブル上は朝鮮料理店になっていく。おい、軒先の「オタフクソース」ののれんは一体何だったんだ、というくらいの潔さ。

どうやらおばちゃん、朝鮮にルーツがある方らしい。

朝鮮料理は小皿でいろいろ野菜が食べられるからうれしいよなあ。ナムルとか美味。和食だってもちろん野菜はふんだんに使うが、こうやって「酒飲むぜ」モードの人の前に、和食・野菜小皿料理がゴトゴトと並ぶことはない。和食もっと頑張れ。

多分和食で同様のことをやろうとすると、おひたし系、煮転がし系が中心になるのだろう。根野菜料理は案外ビールのアテには向かないとおかでんは思っているので、もう一息何かが欲しいところだ。

話がずれた。目の前の皿に集中。料理のネーミングはクレイジーピエロ氏によるものを採用。左の皿から時計回りに、「タコキムチ」「タコの炊いたん」「ほうれん草と小松菜のナムル」。タコを安く仕入れられたのだろうか、タコ料理が二つも並んだ。

(皮付きの蒸し豚を使った)豚キムチ

目の前に現れる料理について写真を撮ったり感心したりコメントしているうちにさらに次の皿がやってくる。わんこそば状態ではないか。ただし、わんこそばの場合は「食べ終わったら次のそばが盛られる」。このお店の場合は、容赦なくどんどん料理がやってくるのだった。いかん、ボトルネックになっているのはわれわれの口だ。どんどん食べ進めなければ。全体最適化されていないぞ。「ザ・ゴール」を読み直して出直せ。

そんな中おばちゃんが持ってきたのが、「豚キムチ」。

冷蔵庫にあったゆで豚をキムチと一緒に鉄板で炒め、盛りつけた一品。すげー。ここで、このお店がお好み焼き屋であることを実感。鉄板には常に火が入っているわけであり、こんなものを手元の食材で作るのは造作ないことだ。

しかもこの豚キムチのすばらしいのは、鉄板で炒めたおかげで汁っけがなく、非常に香ばしく仕上がっているということだ。自宅のフライパンで作ると、どうしても汁っぽくなるのだけど、見よこの豚肉の威風堂々っぷり。もともと薄切り肉ではないので、炒められようがなにされようが、型崩れを起こさないタフガイであるよ。

さあここでもうビール切れですよ。さすがにキムチ類を食べ続けると、塩分のせいで喉が渇く。追加でビールを。おばちゃんに手間かけさせるのは申し訳ないので、次からは瓶ビールにシフト。

「もう飲んだん?あんたらよぅけえ飲むねえ。早すぎなんじゃない?」

おばちゃん、目を丸くして驚く。ここでの切り返しその(1)、おかでんの場合。

「おばちゃんの料理がおいしいから、ついついビールが進んじゃうんですよ」

はい、及第点はあげられるけど、ありきたりすぎてつまらないコメントですね。さすが営業職ですね。次。その(2)、クレイジーピエロ氏の場合。

「医者からビールを飲むように言われとるんですよ」

むちゃくちゃだ。普通、医者という職業の人は「酒はやめろ」としか言わない。しかし、ビールを飲め、と言われているとは。

「瓶より生の方がおいしいじゃろ、生にしんさい」

と言われたが、

「じゃあ自分でビールサーバーから注ぎますからお構いなく」

という訳にもいくまい。12時近くになってきて、店内は若干お客さんの数が増えてきた。おばちゃんにつきっきりになってもわらうわけにもいかんし、瓶ビールは安くて美味いし、ここは瓶でお願いした。

「ああ、ジョッキは置いといてください」

ジョッキを片付けようとするおばちゃんと制止するおかでん。

「ジョッキで、瓶ビール飲みます」

何が何だか訳のわからん、変な集団だと思われたかもしれない。

夫妻肺片

「おお、これは夫妻肺片ですね」

次にやってきたお皿は、なんだかいろいろな内臓肉が入っている。夫妻肺片?

後で調べたら、もともとは四川料理で、捨てられていた牛の内臓肉を勿体ないとして料理にした夫婦にちなんだ名前だという。イスラム教徒である回族の夫婦だったらしいが、豚肉至高主義の中国では牛の内臓肉というのは当時格安で手に入ったのだろう。

よって、使われているのは胃袋やら腸やらなんやら入っている。ちなみに「肺」は入っていない。もともと「捨てられるはずの肉」ということで「夫妻廃片」という名前だったそうだが、料理名で「廃」はどうよ、ということで「肺」になったんだとか。

もうこの時点で壮観

一体ここは何屋だ。

ひるむわれわれを一気に圧倒しようとするお店のおばちゃんを前に、われわれはただひたすら呆然としつつビールを喉に流し込むしかないのだった。

繰り返して言う、このお店の看板には「お好み焼き」と書いてある。そして、暖簾にもお好み焼きと書かれている。しかし現実はどうだ。これ、焼き肉屋か朝鮮料理のお店としか思えないじゃないか。

そして、この皿を見て、「ご飯が進みそう」と思うもよし、「ビールが何杯あっても足りない」と思うもよし。今回のオフ会参加者の場合、後者だ。

なお、このお皿は一皿200円だそうだ(豚キムチはもっと高いと思うけど)。べらぼうに安い。手間暇のかかりかたを考えたら、飲食店としてはもうけにならんのではないか?・・・で、その「もうけにならん商品」をうれしそうに「これもある」「あれはどうだ」と次々とこっちに出してくるおばちゃん。酒飲みにはたまらん。

そして、お皿の種類が多いので、いろいろつまめるのもうれしい。こういうとき、おかでんの日常フィールドである「一人飲み」の限界を感じる。多人数だからこそ、「ちょっとずつあれこれ」楽しめる。

柔肝煮付け

柔肝煮付け。

このあたりから、こっちが頼んだものなんだか、「こういうのもあるけど・・・」「もらった!」と売り言葉に買い言葉でオーダーしちゃったものだか、おばちゃんが「せっかくだからこれも食べんさい」と差し入れてくれたもんだか、わからなくなってきた。

中にはおばちゃんが「これは昨日作った余り物だから」というものもあり、とにかく「海を埋め立てるために土砂をどんどん海に沈める」かのごとく、大物量作戦なのだった。

「おなかがいっぱいになったので、もうお酒が入らないよ!」とならないのが面白いところで、ますます調子に乗ってビールがすすむ。

途中から「おばちゃん勝手に冷蔵庫からビール持ってくで」と言って、ビール瓶をセルフでわれわれの卓上に運び込むようになっちまった。

胡瓜と三つ葉の辛味ゴマ和え

胡瓜と三つ葉の辛味ゴマ和え。

内臓肉やらタコやら、ぐにぐにしたものを食べていたので、口を少しさっぱりさせたかった。その話を聞きつけたおばちゃん、「ならばこれを食べんさい」と、頼んでもいないサラダをこしらえて持ってくるサプライズっぷり。

すり鉢に入っているワイルドなサラダ。サラダにも唐辛子が入っているところが、かの国の調理法は徹底されている。どうして海一つ挟んでこんなに食文化が違うのか、不思議だ。

サラダだけど、フォークではなくスプーンが添えられている。スプーンで男らしくがっつりサラダを食べる。かきこむ。

サンチュ

サラダでお口直しのつもりだったのだが、唐辛子が入っていたため正直微妙な仕切り直し。

・・・と思ったら、今度はサンチュがキター。おいおい、絶対お好み焼き屋じゃないぞ、ここ。サンチュといえば焼き肉を焼くもの、と相場が決まってる。別にサラダに使おうが、野菜炒めに使おうがそれは個人の勝手だが、創作料理のお店でもない限りは、サンチュは焼き肉と永遠のカップルだ。何でこんなものが。しかも、ちゃんとコチュジャンまで用意されているしー。

蒸し豚(鉄板で温めて)

このサンチュ、一体何に使えばいいんだ?・・・と思っていたら、豚キムチとして先ほど登場したゆで豚リターンズ。今度は単体で鉄板焼きにされてまたお皿に盛られてきた。

「これをサンチュで巻いて食べるとおいしいんよ」

はっはっは、もう笑うしかない。おばちゃん、僕らにいろいろ気を遣いすぎ。なんだか昼間っから酒飲んで呵々大笑している奴らがいるぞ、しかも体格がいいし、結構大食いっぽいぞと。そんなわけで、おばちゃんの気合いスイッチが入ったらしい。

われわれの他にもお客さんはいるけど、その人たちには普通にお好み焼きを提供しつつ、焼いている片手間にこっちの様子を見に来たり、追加の料理を持ってきたり。

おばちゃん、たれ持参

たれをかけるとこれまた美味い

豚肉にコチュジャンをつけつつサンチュで食べよう、としていたらおばちゃんが間髪入れずに次のネタを持参。

「これをかけて食べると美味いよー」

といって、抱えてきた容器の中には、たっぷりのたれ。ポン酢ベースで、ネギ、ごま、唐辛子などがこれでもかと投入されている。一体これだけのたれを使い切るためには、何十キロの豚肉が必要なんだろう?お好み焼きにあるまじき、在庫量だ。これで商売始められるぜ。全部豚肉にオンしてしまうのは残念なので、一部の豚肉をサンチュ用に待避させてからたれをかけてもらう。うん、うまか。うまかよ。これはいいなあ、焼き肉のたれみたいな甘っ辛いこってりが出てきたらいい加減食傷気味だが、なんとさわやかな事よ。もともと豚肉が、三枚肉とはいえ既にゆでてあるのでさっぱりしている。それに加えて酸味があるたれなので、食べやすいことこの上ない。つまりだ、酒がもっと進むって事だよ!追加でビールだ。ええいもうなるようになれ。

海苔の煮付け、大豆モヤシのナムル

もうこの頃になるとお店のご厚意なんだか、展示見本市なのか、在庫処分市なのか、なんだかわけがわからなくなってきた。

のりつくだ煮に豆もやしのナムルまで出てくるありさまで。こののりつくだ煮、一見和風なのだがここにも唐辛子が入っているという徹底っぷりで、さすがだ。このお店からオタフクソースを取り上げてもおばちゃんは平然としているかもしれないが、唐辛子を取り上げたら「それだけは勘弁してくれ」と懇願されるかもしれない。

のりつくだ煮、これは美味そうだがちょっと塩っ辛い気もする。清酒飲みならそれでも良いのだろうが、ビール飲みってそんなに塩分は必要としないものだ。

「これはご飯しかないでしょう!」

のりを前にきっぱり言う人約一名。えー?ビール飲んでる最中ですぜ。ご飯ってあんまりでしょう。もうシメる気満々ではないか。それってビール飲みとしてどうなのよ。確かにご飯に海苔ってよく合うけどさぁ。

「ご飯半分で。いや、三人で分けて1/3くらいでいいから」

やる気満々だ。まあ、それ以前にこのお店に白米なんて都合の良いモノがあるはずが・・・

ご飯キター

うわあ。本当にご飯が出てきた。

おばちゃん用意周到すぎ。というか、われわれの話を逐一チェックしとるー。マンツーマンディフェンス、どころか、おばちゃんはその他のお客さんの接客や調理を担当している上にわれわれ3名の言動までちゃんと見極めている。ええいこの人は聖徳太子か。

お好み焼きでご飯、というのは広島ではまずあり得ない組み合わせだ。大阪では「お好み焼き定食」があるが、広島にはそういう概念はない。そばないしうどんがお好み焼きの中に入るから、敢えてご飯は必要とされていないのだった。しかも、空腹状態にあわせて「そばW」や「そばトリプル」がオーダー可能。だから、お好み焼き屋を標榜しているお店で、ご飯がスタンバイしているというのは非常に珍しい。

広島のお好み焼き屋は、利益確保のために鉄板焼き屋的な業態をとることが最近増えている。しかしそれでも、「焼きめし」だの「焼きおにぎり」を売りにする店って、知らない。

くどくど書いたが、何が言いたいかというと「ご飯とのりつくだ煮、うめー」って事だ。サプライズゲストだったご飯だが、うまいうまい。箸休め、というかビール休めになった。これで口の中をいったんさっぱりできたので、さあ引き続き飲むぞ、という気になれる。

もうこの辺になると満腹中枢がアルコールのせいで麻痺してきており、少々のご飯モノが入ろうが関係なくなってきていた。

エノキダケの汁までキター

しかも、お吸い物まで出てくるありさまで。

多分、これまで出てきた各種小皿料理をおかずに定食を構成したい、というニーズがあるのだろう。だから、「お好み焼き屋」を標榜はしているこの店だけど、ご飯も汁物もあるというわけか。

お好み焼き(肉玉そば)

ここでお好み焼き登場。

ただ、もうテーブル上が大混乱状態で、食べるペース以上に料理が追加でやってくる。しかもこっちがオーダーしていないものも含めて、だ。

「ああ、そういえばここ、お好み焼きだったね」的感じでこのお好み焼きには箸をつけず、しばらくは目の前のその他小皿をつついてばかりだった。さすがにお好み焼きに取りついたら、胃袋が完全にキャパオーバーだ。まずは小ネタ的料理をちびちび食べつつ、もう少し飲み続けたい。

・・・まだ飲むんかい。

これだけ料理が出てくると、もうね、飲むしかないんスわ。

肝心のお好み焼きの味については、正直ほとんど覚えていない。ごめんうそだ、「全く」覚えていない。

この期に及んで焼酎ボトル

誰だ焼酎を頼んだやつは。

念のため言っておくが、おかでんは全力で阻止したぞ。多分。おそらく。

しかも瓶ごと、今更頼んじゃうんだもんなあ・・・。

料理がこれだけ並ぶと、お酒もそれなりに飲まないと不平等であるというのは事実。差別反対。食べ物に見合っただけの量、飲み物よこせ。

しかし、この期に及んでボトルですか、そうですか。

朝鮮式の「また会いましょう」のポーズ「また来てよ。絶対だよ」

とおばちゃんに何度も念押しされる。格好の残飯処理班発見!という感じか。ええ、もう昨日の残りものでも、作りすぎたものでも、美味いモノでもそうでないモノも何でも食べますよ、ええ。へらへらへら。もう酔っ払っちゃって、何がなんだか。

おばちゃんは別れ際に指を奇妙に絡ませてきた。そのしぐさが、何ともエロい・・・ことはない。さすがに。あと半世紀時代が前なら、ときめいたかもしれない。ええと、これは何。

聞くと、「朝鮮式の指切りげんまん」なんだそうだ。これをやったら、また合いましょうという意味になるんだって。へー。

お店の前でおばちゃん(とクレイジーピエロ氏)

最後、お店の前までわざわざ見送りに来てくれたおばちゃんと。

店頭を改めて確認するが、どこにも朝鮮料理とは書かれていない。ゴハンあります、みたいな定食屋チックな表示もない。どう見てもお好み焼き屋。不思議なお店だ・・・。

でも、地元密着型のお店が多い広島のお好み焼き屋。まあこういう事があっても何らおかしくはないのだろう。「隠れた名店発見!」などと、遠方から駆けつけるような東京界隈のラーメンフリークに類する人は、広島にはいない。

ちなみにお会計だが、あれだけ飲み食いして一人4,000円いかなかったと思う。

ただ、これを読んでいる方で誤解してほしくないのは、このお店は席に座れば自動的に今回のようないろいろなサービスがあり、おばちゃんとの掛け合いがあるというわけではないということだ。たまたまわれわれはおばちゃんと波長があったので、結果的になんだか割安になったようだが、これが当たり前だと思って鼻息荒くお店に突撃しないこと。それはぜひお願いします。

天ぷら屋が店の向かいにあった

このオフ会について話題にした際、おかでんから

「そういえば(みやまの)近くにうどん屋らしいんだけど、中華そばとか天ぷらも扱っている店があるんだよ。天ぷらってなんだか不思議だな。店内に入った事がないから中身はわからないけど」

という話をしていたのだが、その件について回答がクレイジーピエロ氏からあり。

「この辺は天ぷら、言うたらホルモンの天ぷらの事を言うんスよ」
「え、そうなんですか?白肉の天ぷら、みたいな?」
「いや、白肉に限らず、いろんな部位のホルモンが天ぷらになるんですよ」

面白いなあ。これも、今は移転してしまった食肉市場の関係なのだろう。「天ぷら」と聞いたら、普通は「海老」とか「かき揚げ」などをイメージする。しかし、この界隈では「天ぷら」といえばホルモンに衣をつけてあげたものを指すとは。

「結構この界隈、そんな店多いっすよ。ほら」

指さす先には、確かに「天ぷら ますい」という店があった。よりにもよって、われわれが滞在していた「みやま」の真正面に天ぷら屋があるとは。

しかし、「天ぷら」専門店があるとは。あ、いや、待て。これもさっきの「みやま」と一緒で、実はいろいろな料理を扱っているのかもしれない。

今度は、「広島市西区における天ぷら事情」について調べて食べてみたいものだ。

酔っ払い

はっぴでまた酒を飲む

麻辣商人

汁なし担々麺、しかもご飯つき

十分飲み食いしたので、このまま酔っ払いどもは三々五々解散すべきだった。しかし、酒のせいで満腹中枢が麻痺している人間に歯止めという概念がない。

きた氏が「(この近くにある、蕎麦店の)はっぴに行こう」なんて言い出した。誰か止めて。

念のため言っておくが、おかでんは「もうやめとこうや」派閥だったのだが、ずるずると引きずられる形で「はっぴ」へ。わざわざお店に電話をかけ、「これから3名がいきます」なんて宣言して退路を断つありさま。

で、蕎麦なわけだが、「まあ、蕎麦前といいましてネ」なんて言って、お酒頼んじゃうの。おーいキミイ。「大丈夫大丈夫、三人で一合だから」。いや何が大丈夫なんだかさっぱり。

蕎麦をたぐって、さあここで解散ですね、となるはずだったのだが、いったん会話の中で飲食店の話題が出てしまうともう収集がつかない。「じゃあ次はそこに行くしかないでしょう」なんてなって、次はタクシーで中距離遠征し、汁無し担々麺のお店「麻辣商人」へ。一体今日はどれだけ食べてるんだ。

麻辣商人では大盛り+ご飯というやけっぱちなオーダーをし、しかも卓上にあるラー油やら花椒をしこたまかけてしまったので「ううう」とうめきながら。これが決定打となり、ようやく打ち止めと相成った。

なんだったんだ、この酔っ払いオフは。「昼酒オフ」という名にふさわしい、大変に昼からけしからんオフとなった。普通、「昼酒」といえば、うららかな日差しを愛でつつ、缶ビールいっぱいくらい、というのが相場だ。しかし僕ら、一体どれだけ飲んだ?いや、それ以上にどれだけ食べた?あまりにアホらしくて、むしろ感動した一日であったよ。

ちなみに帰宅後、泥のように昼寝した。ぐったぐた。でも、楽しかった!

(2010.03.29)

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