2013年、γ-GTPが1,400という即入院レベルまで肝機能を悪化させたため断酒した僕は、かれこれ8年間お酒を飲んでいない。
ここまで肝臓が悪くなってもまだお酒を飲んでいたような性分なので、一生断酒を続けることになるのだろう。かすかな希望として、「子供が二十歳になったら、親子で乾杯できるといいな・・・」と考えがあるのだけれど、あまり期待はしていない。
子供が二十歳のとき、僕はすでに60代後半だ。
いくらアルコールに対する依存が再発したとしても、物理的に飲める量が少ないだろう・・・という目論見なのだが、社会人生活に一区切りをつけて暇を持て余している老後だったらお酒は危険だ。昼から飲んでしまいそうだ。
ノンアルコールビールを飲むという現在の人生も悪くないと思っているので、今後ずっとこのままで生きていくのだろう。
僕がもっぱら飲んでいるのは、「アサヒ ドライゼロ」だ。大してうまいものだとは思わないけれど、炭酸のキレが良いので好んでいる。僕にとっては、「ビールを飲みたいけど今日は我慢しなきゃいけないので、かわりにノンアルを飲む」という代替飲料ではないので、インパクトが大事だ。喉がシュワシュワしたほうがいいので、キリン零壱のようなこっくりとした味や、サントリーオールフリーのようなすっとした味ではときめかない。
じゃあ炭酸水でも飲んでろよ、と言われそうだけど、炭酸水だと泡が粗い。バチバチと喉に当たって、痛い。その点ノンアルコールビールはきめ細かい泡なので、心地よく喉を通り抜けていく。ノンアルビール同様の泡が出るジュースだったら、喜んで僕はそっちも飲むだろう。

そんな僕が最近発見して驚いたのがこれ。
「BIERE DES AMIS(ビアー・デザミ)」。ベルギーのノンアルコールビールだ。
これはホップの香りが爽やかで、麦の香ばしさもあって、「ああ、久しぶりにうまいものを飲んだな」という気になった。これは秀逸。
売っていたのは、広尾界隈の外国人駐在員やお金持ち御用達のスーパー、「NATIONAL」。
特に何かを買うつもりなく冷やかしに入ってみたのだけど、これを衝動買いした。そして飲んで大満足した。すばらしい。
でも、お値段も相当すばらしい。普段遣いは無理だ。ネットで買っても、1本500円以上する。
普段遣いには厳しいので、1本100円程度で買えるドライゼロを楽しみつつ、祝祭の日にはこれを飲みたい。
どうしてこんなに美味いのかと思ったら、ドイツのノンアルコールビールは「一旦ビールを作って、そこからアルコールだけを抜いたもの」だからだ。いや、全部が全部そうだとは限らないけれど。
ノンアルコールビールは、国内大手メーカーのものしか見当たらなかったけど、最近はぼちぼち出てきているようだ。ただしスーパーでは扱っていないので、見つけられれば儲けもの、といった感じだけれど。
ドイツのノンアルコールビールでよく知られているのは「ヴェリタスブロイ」というのがある。
ただし僕にとってはこれは「薄い」と感じた。あくまでもドライゼロのわざとらしい発泡感と比べて、の話だけれど。物足りなさは感じたけど、マジなビールを日常使いで飲んでいる方々からは好評なようだ。たぶん、味覚の感性では僕よりもマジ飲みの人たちのほうが優れているはずなので、きっとうまいんだと思う。
我らが愛してやまない足立区の誇り、激安スーパーABS(えびす、と読む)でこのヴェリタスブロイが1ケースで1500円くらいで売っていたのでケース買いしたことがある。なんでこんなに安いんだ。
クラフトジン、クラフトコーラがあちこちで生産され、ご当地土産になっていたりする。僕個人としては、「クラフトノンアルコールビール」がたくさん世に出てきてくれればいいなあ、と切に願っている。
(2021.12.08)
コメント