コンビーフ恵方巻

恵方巻なんて流通小売の陰謀だ、そんなものに便乗するのは情弱の極み!と息巻いていた時期が僕にもありました。

でも今じゃ、すっかりこういう季節のイベントごとには便乗するようになった。人間が丸くなったというよりも、「世にあるしきたりに乗っかれば、なんとなく一年楽しく過ごせる」というダラけた精神の賜物だ。

本当は、毎日がハッピー、毎日がアニバーサリーで過ごしたい。でもそんな陽キャじゃないし、そこまでの気合いも体力もない。となると、バレンタインだの恵方巻だのハロウィンだの、昔は「ケッ」と一瞥していたものでさえも自分の生活に取り入れるようになる。結果的に僕もハッピーだし家族もハッピーだ。なんだ、誰も損してないじゃないか。

※恵方巻が毎年大量フードロスを生んでいるイベントで問題があることは承知してます。それはそれで問題なので予約制を増やすなど対処してほしい。

で、今年は僕ら家族が愛してやまない精肉店「千駄木腰塚」の恵方巻ですよ。コンビーフの恵方巻ですよ。

そもそも恵方巻の由来さえ何がなんだかよくわからんし、今年は北北西とか言われても知るかよ、と思ってるわけですよ。そこにコンビーフですよ。このごちゃまぜ感がいい。そもそも、神道なのか仏教なのかさえよくわからない習わしだし。

コンビーフ握り寿司があるくらいだから、太巻きにしても美味いに決まってる。若干お高いが、内容が内容だけに大変満足している。

夫婦そろって同じ方向を向いて、無言でこの太巻きを頬張っているのを弊息子は不思議そうな顔をして眺めていた。何か特殊な儀式が行われている、と0歳児ながらもわかったのか殺気を感じたのか、一切口出しせずに静かにコトが終わるのを見守っていた。

(2022.02.03)

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