冷凍広島風お好み焼きを食べてみて思ったこと

冷凍お好み焼き

実家から、「冷凍の広島風お好み焼きをそちらに贈ることができるけど、いるか?」と聞かれたので二つ返事で「欲しい!」と答えた。

広島出身の僕としては、すっかりお好み焼きからご無沙汰していて寂しく思っていたところだ。いただける、というなら大歓迎だ。

僕のパートナーであるいしと僕との関係が深まったのは、「自宅近辺の飲食店を仕事終わりに開拓しようぜ」仲間としてだ。そんな中、「ちょっと自宅からは遠くなるけれど、本格的な広島風お好み焼きを出すお店があるんだけど行ってみない?」と誘ったことからお互いが意識しあう関係になったんだと思っている。たぶん。そんな料理、お好み焼き。

冷凍のお好み焼きが広島駅や広島空港でたくさん売られていることは知っていた。そして、銀座にある広島県のアンテナショップでも売っている。でも一度も買ったことがなかった。だって、ワクワクしないもん。

とはいえ今回貰えるとなれば、これまでの食わず嫌いはあっさり卒業だ。ありがたく食べることにした。

しばらくして届けられたお好み焼きは、ギョッとするくらい大きな箱に入っていた。なんだなんだ何事だ?とおもったら、ご丁寧に5枚も入っていた。ありがたい、というか恐れ多い。クール便で送られているし、お値段は相当高かっただろうに。

お好み焼きは、「みっちゃん総本店」。観光ガイドで取り上げられないことはない、広島におけるお好み焼きの超有名店だ。地元民が愛しているかというと、たぶん「観光客が多くて行列が出来ているので、食べない」人の方が多いんじゃないか。だって、広島には数百メートルおき、いやもっと近い距離でお好み焼き屋が存在するから。なので地元民は行列店を避ける。お好み焼きは調理するのも、食べるのも時間がかかる料理だから。

それはともかく、広島を代表するお店の一つであることは間違いない。そんなお好み焼きが自宅で食べられるのは嬉しいことだ。ありがとう弊ママン弊パパン。

みっちゃん

ただ、開封してみて「おや?」と思った。

きれいな黄色い玉子の薄焼き。まるでオムレツのようだ。

広島のお好み焼きは確かに玉子を使うが、こんなきれいなものじゃない。溶き卵を使うわけじゃないからだ。白身と黄身がぐちゃっとしているのが普通だし、お店によっては玉子は半熟状態で仕上げるのを良しとするお店もある。いずれにせよ、玉子の味のコントラストは結構大事だし、食べる人にとって楽しい要素だ。

しかしそれだと、商品としては見栄えが悪かったのだろう。その結果、広島出身者からするとちょっと不気味に見える、そんな玉子ラッピングになっているのだった。

あと、外箱は大きいけど、量が非常にチンマリしている。万人受けするように小さく作ったんだといえばそれまでだけど、本来もっとボリューム感がある食べ物だ。生地の下には、キャベツたくさんともやしある程度がみっちりと入っていて欲しい。・・・だけど、冷凍食品なのでそれは高望みなのか。

電子レンジで温めて食べる。

お好み焼きが入っているトレイがそのまま電子レンジに入れられるし、食べるときはお皿がわりになるので便利だ。洗い物が少なくて済む。

食べてみて思ったのだが、「広島のお好み焼き的なものが食べられる」という理解に基づいて箸をすすめれば、おいしく食べることができる。しかし、本格的な広島の味の再現を期待していたら、ちょっと違う料理なので「あらら?」と思うことになる。そもそも、キャベツの千切り、もやしといった野菜を冷凍にするというのは分が悪い。さらには、大阪のお好み焼きとは違う、小麦粉の薄い生地は電子レンジで蒸らされると食感が悪くなる。

たぶん、野菜の量が少なく感じたのは、万人受けを狙ったのでもケチったのでもなく、電子レンジ加熱を前提とした冷凍食品ゆえの限界なのだろう。僕の考え過ぎかもしれないけれど。

あと、お好み焼きには豚バラ肉がマストアイテムとなる。そのために結構油を含んだ料理となるのだけど、これにはそれがない。ものすごくヘルシーな食べ物、という印象に仕上がっている。だから、余計「見たことがあるような、ないような食べ物」に感じたのだろう。

懐かしい味を楽しめたか、というとなんか違う感じ。そんな不思議な料理だった。

(2022.04.16)

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