シフォンケーキを人生で初めて焼く

シフォンケーキを焼いてみた。

100円ショップで紙の型が売られていたので、それを衝動買いしたからだ。

しばらくパントリーの中に放置されていたが、クリスマスを機に型を使ってみることにした。

まず驚いたのが、シフォンケーキってベーキングパウダーを使わないレシピがあるということだ。「マジで?それであんなに膨れるの?」と驚いてあれこれ調べてみたら、ベーキングパウダーを使うバージョンも存在し、どっちもアリらしいけど、無しでもイケるらしい。

ベーキングパウダーなしだと、薄力粉、牛乳、卵、グラニュー糖に少量の油程度の材料となる。あれっ、これって台湾カステラを焼く時と同じレシピだ。へえ、そうなのか。知らなかった。

台湾カステラなら何度も焼いたことがあるので、バババッとこしらえていく。電動泡だて器がわが家に導入されて以降、お菓子作りのハードルは随分と低くなった。

しかし、いざ紙の型で焼いてみて、はたと困った。紙にびっちりと焼き上がったシフォンケーキが張り付いているからだ。紙をベリベリと剥がそうとすると、一緒にケーキも崩壊してしまいそうだ。

どうやら、冷まし方に問題があったか、空気の抜き方に問題があったか、いずれにせよ正しくない作り方をしてしまったらしい。今更どうにかリカバリーできるものではないので、えーい仕方がない、とばかりに一気に型の紙をバリバリと剥がす。

すると案の定、ボソボソになったはげ山のシフォンケーキが出てきた。うーん、イメージしていたものと違う。

スポンジケーキだったら生クリームでデコレーションして隠ぺい工作をすることができる。しかしシフォンケーキは素の状態で勝負できるケーキだ!デコレーションはしない!と断言していたので、はげ山がむき出しでクリスマスの食卓に登場することになった。

むしろ味わい深い。おかでん家的でこれはこれで良い、と自画自賛する。僕ら団塊ジュニア世代というのは、バブル時代にブイブイ言わせてきた上の世代の人たち、およびマスコミたちのクリスマス礼賛文化に対して冷ややかな目を向けていた。もちろん迎合した陽キャもいたけれど、「ケッ」と敢えて背を向けた僕みたいな陰キャもいた。

その頃の体験と価値観を未だに引きずっていて、「敢えてクリスマスにしょぼいことをやる」のがカッコいいような気がする。この歳になっても、未だにそうだ。だから、見栄えが悪いクリスマスは、まるで「クリスマスをハックしてやった」感を感じ、満足している。

とはいえ、単にボソボソのシフォンケーキだけだと残念なので、カットフルーツ盛り合わせパックをスーパーの果物売り場で買ってきて、それを添える。うん、これでまあなんとなくサマになったかな。

(2022.12.24)

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