パンもカツもデカい。コストコのカツサンドがもたらす満足感と苦悩

コストコのお惣菜コーナーに行くと、いつも何らかの新商品が置いてあるから心がときめく。

たぶん、同じ味の料理がコンビニのお弁当売り場で売られていても、ほとんど気を留めないと思う。でも、コストコだと「おっ!?」を思わず足を止めてしまう。

それは、とにかくボリュームが多いからだ。そしてその分、具が大きいからだ。

「大きい!すごい!」という驚きが、「欲しい!」という気持ちの原動力だと思う。そもそも僕らはコストコに「大きい!」と驚くためにやってきている。驚こうと身構えている状態なので、新商品を見るとオーバーに驚くし、必要以上に買いたくなる。

さらに、仲間と一緒に訪れている場合、「量が多くてもシェアすればいいから」という考えが働き、新商品を買ってしまう。誰がその購入について責任を取るのか、曖昧なままに。

この日買ってきたものの中の一つが、極厚のトンカツが挟まったカツサンドだった。見てよこのインパクト。これを見た瞬間、「頬張ったら幸せになれそう!」と思った。だって、なかなかこれだけすごい量のカツサンドって見る機会がない。全体の量もすごいし、一切れのサイズもすごい。何もかもすごい。

しかし、ワクワクしたのは買ってきてダイニングテーブルに上げたところまでだった。

というのは、一切れ食べたらそれで結構お腹がいっぱいになってしまったからだ。カツだけでなく、パンも分厚いので1切れで十分な満足感が得られる。

それは利点でもあり、残念な点でもある。なぜなら、コストコ帰りの僕らは、「さあ!今から買ってきた食材をあれこれ食べるぞ!」という宴会の心構えでいるからだ。なのに、あれこれ食べるつもりがこのカツサンド一切れで意欲が落ちてしまうとは、全くの不覚だった。

あと、食べ物はデカけりゃいいってもんじゃないな、とこのカツサンドを食べて冷静になった。パンも、カツも、野菜も、全部分厚いのでそれぞれが口の中で独立して主張をする。お陰で、「サンドイッチ」を食べている感じがしなかった。僕の口の中でそれぞれの食材が縄張り争いをしているような印象だった。

みんな無口でモグモグとこのデカいカツサンドを食べ、「なるほど」と意味不明な納得の言葉を述べ、残りはラップしてお持ち帰り&冷蔵庫行きとなった。

(2023.03.21)

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