いいぞォ、山小屋はいいぞォ【仙丈ヶ岳】
全31話。8月はまるごとこの記事で終わった。
2017年10月の出来事なので、かれこれ3年も前の話だ。しかし、登山記については、時間が遅くなってもちゃんと記事にしていこうと思っている。というのも、「おかでんの人生目標=日本百名山を全て巡る」ということだからだ。だから、ちゃんと記録として残していきたい。
もっとも、このサイトが安定軌道に乗る前に登った山については、記事がない。金峰山、瑞牆山、谷川岳・・・といった山々がそうだ。さすがに20年以上前の登山記を今更書く気にはなれないので、これはもう文章化は諦めているけれど。写真だって、昔だからほとんど残っていないし。
ただ、「日本百名山を全部登る」という野望は、2020年時点で揺らいでいる。というのも、2019年に結婚したからだ。独り身のときとちがい、予算も時間も相手への遠慮が出てしまい、なかなか行くのが難しい。さらに2020年はコロナで登山がままならなかった。今後、「死ぬまでになんとか100座」というのができるかどうか、かなり怪しくなってきた。そうなると、人生目標をどうするか、マジで今悩ましいところだ。
パートナーのいしは「行ってきていいですよ」と言ってくれているんだけれど、「じゃあ屋久島の宮之浦岳に登ってきます」となるととんでもなくお金がかかることになる。僕ら夫婦は独立採算制ではなく、完全にお財布を同一にしている。しかも、過去に稼いできたお金も、未来に稼ぐ予定のお金も、全部だ。そして、お小遣い制でもない。資産管理ソリューション「MoneyFoward」で全ての銀行口座、証券口座、iDeCoや退職金、保険までガッチリ一円単位で管理している。お小遣い制ではないぶん、むしろ僕なんかは遠慮してしまって、服一枚買うのも遠慮してしまう。
でもそれで良いと思っている。奔放にお金を使うということには、僕は罪悪感がある。今日もちょうどストレッチ屋さんで80分のストレッチを受けてきたばかりだけれど、身体が楽になったという気持ち以上に「ああ、自分だけ高額なお金を使ってしまった」という気持ちの方が強い。
話がずれた。
仙丈ヶ岳の旅行記については、かなりウキウキで文章を書くことができた。北沢峠から有るき始めるまでは、いろいろ情報を事前収集する手間があって筆が重かったのだけど、登り始めたら楽しかった。やっぱり登山記はいい。書いていて楽しい。
コロナ時代において、「観光地に行ってきました」という観光旅行記というのは書いていてなんだか虚しい気持ちになる。だからなんなんだ、という気がしている。一方、自然を相手にする登山記は、マインドフルネス感があって、それをシンプルに文章にすればいい。あれこれ補足説明とかしなくていい。
口述筆記
じつは今回、初めて「口述筆記」にトライしてみた。
勝間和代氏が、自分の執筆活動において口述筆記を使っていて、作業効率が上がったという話は前から知っていた。興味があったので、昨年から旅行中、スマホを使って「Google音声入力」を使ったボイスメモの書き起こしを使うことがあった。しかし結論としては「うん、使いづらい」ということで、断念した経緯がある。
僕の場合、タイピングが非常に早いので下手に口述筆記をやるよりもそもそもタイピングの効率が良かったりする。そもそも音声入力による効果が薄い。
Google音声入力は、さすがGoogleだけあって抜群の認識能力を誇り、十数年前に僕が時代を先取って口述筆記にトライしていた時代とは雲泥の差だ(当時は、Dragon Speechというソフトを買って使っていた)。しかし、頻繁に入力モードがストップしてしまい、ペースを掴んでペラペラ喋っていたら入力されていなかった、という残念な状態が頻発した。
また、録音するたびに、スマホの日本語入力をATOKからGoogle音声入力に切り替える手間がかかり、面倒でかなわなかった。性能はとても良いのだけれど、うまく口述筆記するアプリが付いてきていないという状態。
そんな中、新しく発見したのがこれ。VoiceIn。
https://note.com/startupm/n/nf67d8cecedd5
Google Chromeの拡張アプリで、Chromeに組み込まれる。で、僕のようにChrome上で記事を書いている人間だと、Chromeのアドレスバー右隣にできるボタンを押すだけで、音声入力が開始される。精度はかなりいい。改行とか句読点はつけられないけれど、文字の変換精度はぎょっとするくらいいい。
旅先でボイスメモとして使うには向かないけれど、PCでがっつり記事を書くにはちょうど良さそうだ。ついに最終兵器が出たか!と僕は色めき立った。
しかし、現在はこれを使っていない。いつでも使えるようにはしているけれど。
というのも、記事を書く際は、写真を見ながらになる。旅行記の場合、写真のExif情報を見て何時何分か確認するし、写真を拡大したり前後の写真を行き来しながら、当時のディティールを思い出したりもする。そうなると、PCは写真を大写しする画面として使いたい。できれば、音声入力はスマホで行いたい。
というわけで、結局スマホで音声入力ができるアプリがやっぱりほしいね、ということに戻る。しかも、そのアプリを立ち上げたら、自動的に文字入力モードがGoogle音声入力に切り替わるやつ。
そんな都合のよいものはなぜかないんだよなあ・・・と思いながらネチネチと探したら・・・あった!
「音声文字変換」というアプリだ。
https://support.google.com/accessibility/android/answer/9158064?hl=ja
まさに、アプリを立ち上げるとすぐにGoogle音声入力ができる。これで、PC画面を操作して写真を見たり、参考情報を調べるためにネットサーフィンをやっていても、途切れなく口述筆記ができるようになった。
すごいのはその制度で、僕が言いよどんだ言葉も、いい間違えた言葉も、ちゃんと正しい日本語になおしてくれることだ。一旦は僕が喋った通りに画面に表示されるのだけれど、ワンテンポ置いて「あれ?今の日本語は間違えたっぽいよね?じゃあ直しておくね」とばかりにカーソルが逆戻りし、文字を訂正する。まるで人間が操作しているようで、びっくりさせられる。
技術はここまで進歩したのか!と呆れる。今年、「DeepL翻訳」というAIを使った言語翻訳ソリューションの翻訳精度にビビりまくったけれど、それに次ぐ驚きだった。
ちなみにDeepLを使ったことがない人は、使ってみるといい。自分の日本語が、見事な英語になるのは壮観だ。主語が欠けているなど、構造的に欠陥がある言語の日本語なのに、なんでちゃんと翻訳できてるんだ?と驚かされる。
https://www.deepl.com/translator
いっそのこと、このDeepLを使ってアワレみ隊OnTheWebを多言語対応にしてやろうか、とマジで思ったくらいだ。無駄にロシア語とかポルトガル語にしてみたりして。
それはともかく、口述筆記はこうして今回初めて仙丈ヶ岳の記事で実戦投入された。冒頭、やや文章が硬いのは、口述した言葉をできるだけ活用しようとしたからだ。しかし、途中でそれは諦めた。全然文章のダイナミックさがないからだ。
口述筆記を成功させるためには、喋る前に構成をしっかり考えておく必要がある。提案書をお客様の前でプレゼンするようなものだ。喋りながら考えれば、時間が節約できて楽だよね!なんて甘いことを考えていたら、結局殆どの文章をリライトすることになり、時間が二倍かかることになる。
今回がまさにそう。
途中から、全部の文章をこれまで通りのタイピングでやり直した。口述筆記の文字をそのまま使った場所は、ほとんどない。文章を書き直す際に、参考情報としては役に立ったし、予行演習にはなった。しかし、タイピングを省略するということは全くできなかった。
回を重ねていけばうまくなるんだと思う。しかし、回を重ねようにも、家で家族がいるときには口述筆記は難しい。恥ずかしいからだ。あと、外出先のカフェなどでも口述筆記はできない。結局、この文章も今カフェで書いていて、口述にはなっていない。まずは環境を確保しないと。
テレワーク中、仕事の資料を作成する機会は当たり前だけど膨大な量、存在する。しかし、業務上の内容をこういうクラウドサービスに垂れ流すのはセキュリティ上アウトなので、それはできない。
あと、この「音声文字変換」アプリ、もともとは聴覚障害を持つ人が生活の質を上げるために、ということで作られたという経緯がある。なので、短い会話単位で文字起こしをするという前提のUIだ。
このため、口述筆記を想定した作りにはなっておらず、膨大な言葉を喋り倒したあと、それをコピーするのにものすごく苦労した。なにせ、Gmailなどの別アプリに展開する機能がないし、文字列をコピーする際に「全てを選択」というモードがないからだ。なので、だーっと画面スクロールさせながら文字列を範囲指定しコピーし、GoogleKeepなどの別アプリに保存し、そのgoogleKeepをPCの画面で開き、ブログを書くための画面に転記する。それを何度も繰り返すことになった。途中で抜けが出たりして、「ギャー、核心部分の文章をコピペしそびれた!」なんてこともあったし。
まあ、新しいことをやるのはスキなので、今後も凝りずに口述筆記は続けていきたいと思っている。
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