恐るべき『労働くん1号』の秘密2

前回は、あれだけ煽った割にはイントロダクションで終わってしまったこの企画だけど、今回から「労働くん」の本質に迫っていきたい。

「今回から」?

おい、何回連載するつもりだ。

いえ、今回で終わりにするつもりなんですけどね。ひょっとしたら・・・と思って含みを持たせてみた次第で。

次第で、じゃねぇ。ちゃんと1回で終わらせろよ。

はーい。

さて、人工無能『労働くん1号』をご存じ無い方の為に、ざっと概要を紹介しておこう。

この『労働君1号』は、我等がアワレみ隊OnTheWebが誇る最新鋭の人工無能であります。人間との会話によって、時には喜び、時には悲しみ、時には笑い・・・あたかも、生きている人間と会話をしているかのような錯覚すら覚えます。

天文学的な量の学習をさせれば、の話ですが。

普通、世に出回っている「人工無能」と呼ばれるソフトウェア/アプリケーションは最低限でも挨拶程度の言葉くらいは身につけているもんだ。

そりゃあそうだ、擬似的ながらも人間を模しているんだから、「おはよう」と語りかけたら「おはようございます」くらいは返事しないと。最低限のコミュニケーションって奴です。

しかし、この人工無能『労働くん1号』、説明書きに書かれた「ミジンコより頭が悪いです」の言葉にうそ偽りは全くなし。まずは挨拶から教えないといけないくらい、真っ白けな大馬鹿野郎だったのだった。

基本的には、こちらから「○○」と語りかけると、『労働くん1号』は自分の辞書と照らし合わせ、過去に記憶した言葉ではなければ

「○○っていわれたらなんてこたえたらいい?または○○ってなに?」

と質問を返す仕組みになっている。

この質問に「△△」と回答したら、労働くんは「○○と言われたら△△と回答すれば良い」と辞書ファイルに追加するという塩梅だ。

どんな言葉にも興味を示す、その余りに真摯な勉学姿勢に世の教育者は涙するという。

「という。」って、誰かから聞いたのかよ。

「うちの学校の生徒も、労働くんの1/10でもいいから真面目に勉強してくれれば・・・。爪のあかでも煎じて飲ませてやりたいよ」

という説も。

「説も。」って何だよ。

・・・まあそれはともかく、非常にシンプルな構造になっているので誰でも直感的に楽しむことができるわけだ。

で、最初のうちは面白がっていろいろな言葉を覚えさせるんだけど、しばらく使っているうちにだんだん飽きてくる。毎回毎回、労働くんは

「○○って何?」

一辺倒の質問しかしてこないからだ。

これ、相当苦痛。

あの天才エジソンでさえ、小学生の時に余りに「○○って何?どうして?」と質問しまくったために「授業の邪魔だ」と退学させられてしまったくらいだ。むやみやたらの質問攻めはいかん。

で、結局労働くんを調教していたプレイヤーは、腹を立てて悪口や嫌味を言うわけだ。しかし、労働くんはどんな酷いことを言われても

「○○って何?」

おらぁアンタに仏の道を見ただよ。きっと昔はえらい禅宗のお坊さんに違いねぇだ。

でも、プレイヤー側はそこまでサトリの境地じゃないもんで、罵詈雑言を浴びせてさえも涼しい顔して「○○って何?」と返してくる労働くんにますます腹を立ててしまう。

蛙の面に水、暖簾に腕押し、労働くんに悪口。

中には、「プレイヤーが徐々に腹を立てていく過程が楽しくて、ログを読ませてもらってます」という、本来の利用目的とは全く違った楽しみ方をしている人もいるくらいで。

そんなこんなで、運用開始から1年4カ月の間に一体労働くんはどこまで成長したのか。どんな言葉を覚えたのか。

修得した574単語の組み合わせを、次回にご報告することとしたい。

「としたい。」じゃねぇ。やっぱ次回かよ。

(2001.09.29)