やっぱり地図は手放せない1:カーナビコンプレックス

カーナビ全盛のご時世。

今、どれだけカーナビが普及しているか、知っています?2001年6月末時点で、累計出荷台数はカーナビ:760万台 VICSユニット:310万台 にまで達しているというのだ。
出展:auto ascii / (財)道路交通情報通信システムセンター

運転席の脇にはいつもカーナビがニコヤカに微笑みかけて、というのが当たり前の光景になりつつある。 時代は変わったものだ、僕らが子供の頃だとSFでしかあり得なかった「機械が行き先をナビゲートする」という事態が、「カーナビですけど何か?」ってさも十年選手のごとく平然と受け入れられているんだから。

こうなってくると、「カーナビもっている奴」と「もっていない奴」の間でコンプレックス刺激しまくり光線をお互い発しあうという冷戦が始まるのではないかと今から興味津々だ。

ほら、昔あったじゃないですか。パワーウィンドウが普及した時に。

パワーウィンドウがない車の人は、それを悟られないように料金所で窓を開けるときは「さも電動で窓を開けているかのごとく」振る舞ったという。

顔はにこやかに、料金所のオッチャンに愛嬌を振りまくんだけど死角になっている右手は、必死にくるくる回転させて窓を開けるというテク。ここで、腕全体を使って窓を開けるとその動作でバレるので、手首だけでさりげなくノブを回転。非常に高度な技術を要するんである。

名付けて、「白鳥の泳ぎ」テクニック。涙なくしては語れません。

コンプレックスとは、人をそこまでやらせます。

カーナビでもこれと同じようなテクが生まれるのだろうか?

[パターン1] 男なら見栄を張れ編
カーナビのハリボテがカー用品店で発売される。
移動しても地図がいっこうに変わらないので、ずっと後ろを走っている車にはバレる。また、駐車しているときも地図が表示されっぱなしなのでやっぱりバレる。

[パターン2] サイバーパンク編
ヘッドマウントディスプレイを装着。カーナビと言い張る。
視野が狭くなって危険な上に、言葉で説明しないとカーナビであると理解してもらないので、あまり意味はない。
上級編として、延髄あたりにパソコンから延びたケーブルを何本か突き刺す「攻殻機動隊」というテクニックがあるが、ますます他人には理解されないのでコンプレックスの解消にはならないだろう。

[パターン3] 東海道本線駅名制覇天才少年編
狭い日本のどこでも俺の庭だぜぇということで、日本全国の地図はすべてインプット済みでカーナビなんかいらんと言い張る。
ツッコまれないように、毎日12時間ロードマップと格闘。新しい道路ができると非常に困る。

[パターン4] 妄想編
ネズミ取りレーダー探知機をカーナビだと言い張る。

[パターン5]妄想編その2
PHSドラえホンの「今どこサービス」をカーナビだと言い張る。
しかも、「このカーナビは22世紀を先取りしているんだぜぇ」と訳のわからない自慢もする。

パワーウィンドウは、十数年前まではカローラの最高級グレードにようやくオプションでつけることができたくらいの「高級品」。それが21世紀の今じゃ、軽自動車でさえ標準装備となっている。

10年後、カーナビはどこまで普及しているのだろう。

カーナビが普及すればするほど、苦しくなってくるのがロードマップだ。

もちろん、カーナビ搭載車にだって必ずロードマップの1冊は常備しているだろう。しかし、昔のように地図とにらめっこして行き先検討、というドライバーの血と汗と涙が染みついた地図はもうそこにはない。せいぜい、助手席の人が食い散らかしたポテトチップのカスや油がところどころついている程度。

このまま、ロードマップは地盤沈下するのか?

いや、待て。今回、われわれ取材班(誰だよ)は、非常にイカしたロードマップを発見したのであった。こんなロードマップを一度目にしてしまうと、もう地図を隅から隅まで読まずにはいられないという、そんなオモロい奴を。

次回、「やっぱり地図は手放せない PartII:ボケとツッコミ編」

乞う、ご期待だ!

(2001.10.08)

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