[ヘッドライン] 明治の亡霊

※2002年春から夏にかけて存在していた「ニュースヘッドライン」コーナーの記事を再掲しています。

■無理やり感は否めない!? 茨城県警が暴走族逮捕に使った「明治の亡霊」とは
(リンク先現存せず)

暴走族同士のタイマンで多数の重軽傷者が出た事件に対して、誰も身内から告訴する人間がいなかったため(そりゃそうだ)、警察が「決闘罪」という明治時代に制定された法律を持ち出して関係者を逮捕した、という。

1889年制定というから、2世紀も前の法律がまだ生きていたというのには驚きだが、それを覚えていて、わざわざ今回の事件に適用しようと提案したブレーンの存在にも驚かされる。茨城県警はトンチがきいているなあ。・・・え、こういう時に「トンチ」っていう表現は正しくない?うむ、でも何となくそういう表現が正しいような気がした。

過去の記事をさらってみると、事件は4月3日、なんと30人対30人の戦国絵巻状態で大乱闘をやらかしたらしい。さすがにこれだけの大規模な戦争を無視するわけにもいかず、決闘罪という古めかしい法律に頼ったということか。

ちなみに、決闘罪とは以下のとおり。

決闘罪ニ関スル件

第一条【決闘を挑んだ者・応じた者】
決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ミニ応シタル者ハ六月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ十円以上百円以下ノ罰金ヲ附加ス

第二条【決闘を行った者】
決闘ヲ行ヒタル者ハ二年以上五年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス

第三条【決闘によって殺傷した者】
決闘ニ依テ人ヲ殺傷シタル者ハ刑法ノ各本条ニ照シテ処断ス

第四条【決闘に立会った者】
1  決闘ノ立会ヲ為シ又ハ立会ヲ為スコトヲ約シタル者ハ証人介添人等何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ五円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス
2  情ヲ知テ決闘ノ場所ヲ貸与シ又ハ共用セシメタル者ハ罰前項ニ同シ

第五条【挑みに応じない者を誹毀した者】
決闘ノ挑ミニ応セサルノ故ヲ以テ人ヲ誹毀シタル者ハ刑法ニ照シ誹毀ノ罪ヲ以テ論ス

第六条【刑法との比較】
前数条ニ記載シタル犯罪刑法ニ照シ其重キモノハ重キニ従ヒテ処断ス

いやー、時代劇ですな。こんな法律を定めないといかんほど、昔は殺伐としていたという事か。傷害罪はすでに同時期に存在していたわけだから、敢えてこのような独自法を制定しなければ、決闘を抑止できなかったという事になるわけだ。

なお、本来であればツッコミどころ満載!な法律であり、「10円以上100円以下の罰金?安ぅ!」とか言いたくてしょうがないところ。しかし、現在の法律では重禁錮(懲役の事)に付加する形で罰金刑を科すことはできない事になっているらしく、実際は払わなくていいらしい。ちぇーっ、ツッコミ入れたかったなー。

(2002.04.22)