[ヘッドライン] 名店が集まる意味

※2002年春から夏にかけて存在していた「ニュースヘッドライン」コーナーの記事を再掲しています。

2002/05/29(水)  20:45:34
■大阪に食のテーマパーク 名物店集め7月開業(リンク先現存せず)

今まで、「ラーメン博物館」「カレーミュージアム」といった食のテーマパークは存在した。しかし、これらの大成功がありながら、第三、第四の食のテーマパークというのはあまり聞いたことがない。不思議なものだ。・・・と思っていたら、ついに食の都大阪が名乗りを上げた。その名も「なにわ食いしんぼ横町」というらしい。

この「食いしんぼ横町」が他のテーマパークと違うのは、単一商品をテーマに据えていないという事だ。いかやき屋、オムライス屋、カレー屋、たこ焼き屋・・・様々なお店が軒を連ねるというから一風変わっている。従来型単一食テーマの場合、「せっかくだから」と何軒もハシゴしていくうちに胃袋以前に精神的におなかいっぱいになってしまいそうだが、ここならそういう事もなかろう。カレー食べた後に、腹ごなしに一口餃子を頬張って、なんて「サイドチェンジ」ができるので、1日中楽しめるかもしれない。「食い倒れ」という概念そのものをテーマとして据えることができる大阪ならではの強みだ。東京などその他地域でやったら、単なる飲食店街の域を超えない。スーパーマーケット併設のフードコートと何が違うの?なんて言われるのがオチ。

でも、実際そうなんである。「昭和40年頃の大阪の下町をイメージした町並みを再現」とかで、なんとかテーマパークとしての体裁を整えようとしているけど、そういう細工をしないと単なる飲食街以外の何者でもない。屋台村とどう違うの?と問われれば答えに窮してしまう。せいぜい、「出店しているお店の本店はそりゃもう有名なお店でねえ」、というステイタスといったところか。いや、それだったらそれで有名なお店を集めた飲食店街を作ればいいだけの話なんでは?なんて突っ込まれると、さてどう回答すればいいのやら。

ただ、人間面白いもので、「この地域一帯は有名なお店がたくさんあるんですよぉ」と紹介されるのと、「はいここは食のテーマパークです」と紹介されるのでは、断然後者の方が来場者のファイティングスピリットをそそられる。「テーマパーク」として、その存在を物理的・思想的に密閉した瞬間に、人間って「全店制覇したい」とか「ハシゴしてみたい」と思うようになる。四国八十八カ所だって、ある意味テーマパークだ。「八十八カ所」という枠組みがなければ全然人気がでない陰気くさい(失礼!)寺なんだけど、枠組みがすぽんとはまると途端にお遍路という概念が発生する。

ということで、そこそこ成功すると思う、この食いしんぼ横町。しかし、限界もあると思う。ラーメンやカレーといった単一メニューで勝負するテーマパークなら、満腹になった客は帰るしかないわけだが、食いしんぼ横町のように、お食事となるものから軽食まで様々なメニューがあると、一人あたりの滞留時間が長くなる。結果的に、週末は混雑しまくってお客イライラ、という。

さてさて、7月にオープンするというので、誰かものは試しで行ってみてください。僕の予言通り混雑しまくりなのか、それとも快適な空間なのか。

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