そういえば遺伝子検査の結果、記事にしていなかった【ジーンクエスト】

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検査キットを手に入れたときは、イキイキとして記事にしていた遺伝子解析サービスの「Genequest(ジーンクエスト)」。

記事の最後に、「結果が出たら、当たり障りのない内容についてここで報告しますんでー。」と書いておきながら、そのまま1年以上放置されていた。

忘れたわけじゃなくって、いつも頭の片隅にこのことは覚えていた。でも記事にするのがおっくうだったので書いていなかった。

結論を先に言う。結果が楽しみだったにもかかわらず、見せられたものは「はあ、そうですか」という内容でしかなかった。「見て!僕ってこんな特徴があるんだよ!」と人にネタ提供できるようなものはあまりなかった。

これは僕があまり特殊な遺伝子ではなかったから、とも言えるが、それを差し引いても結果は微妙だった。

検査キットを提供している会社およびサービスの名誉のために強調しておきたいのは、サービスそのものは誠実に行われていると思う。しかし誠実であるがゆえに、占い師がバキッと未来を予言するかのような切れ味鋭い検査結果は出て来ない。

「COVID-19重症化リスクが通常の人と比べて1.29倍高い」

という検査結果を見て、僕は「はあ・・・そうなんスか」としか言いようがない。「お前は新型コロナをこじらせて来年に死ぬ」などと占い師に予言され、自分の余命に思いを馳せるのとはわけが違う。

一事が万事、こういう結果がずらーーーーーーっとたくさん並んでいるので、そうなんですかーへー、という感想以上のものがなかなかないのだった。


検体を送付してからしばらくして、「結果が出たのでwebサイトを見てくれ」と通知が来る。

で、ウッキウキでwebサイトにアクセスしてみると、「結果を見る前にまずは問診に答えてくれ」と言われ、そこからクッソ大量のwebアンケートを答えさせられる。健康面や生活習慣など設問は多岐にわたり、アンケート慣れしている僕でさえうんざりする分量だ。

そんな健康に関する問診をこなした後、ようやく遺伝子解析結果が表示され、「あなたにはこういうリスクがあります」とか言われても、そりゃあ僕は仏頂面ですよ。「うん、知ってた。さっき問診でもそう答えたし」という内容ばっかり。

問診の答え方によって結果の表示が変わるとは思えない。だって表示される結果は「遺伝子解析」だから。問診の影響を受けるはずがない。

でも僕としては、遺伝子解析によってなにか自分の近未来が見えるんじゃないか、という期待がある。それがダークサイドに堕ちるものであっても、ハッピーなものであっても。しかし開示された情報の殆どは「うん、そうだよね。それはわかってる」というものだった。

または、「平均的」という結果がずらーっと並んで「はあ、そうスか」としか言いようがない内容だったり。

おそらく、この遺伝子検査って、もっと若いうちにやるのが良い。

僕みたいに40代後半になってからこの検査をやっても、今更新しい発見は少ない。リスクがすでに顕在化しちゃってる部分があるからだ。

たとえば僕はアレルギー鼻炎のリスクが高い、と指摘されたが、すでに幼稚園のときから毎週病院に通院して治療していたので今更遅い。

かといって子どもにこの検査は受けさせられない。18歳以上が対象となっているからだ。なので、成人になって、今後のライフプランを計画したり医療保険に入るかどうか検討する際に活用するのが良いと思う。

結婚を考えている相手がいる場合、結婚前にお互い遺伝子検査をして情報を見せ合うというのが好ましい場合もあるだろう。お互いが遺伝的に持っているリスクを予め把握して、それにどう対処していくか手を取り合って事前に考えるためのものとして活用できる。

ただ、それは綺麗事で、やっぱり「こんな遺伝子の人とは結婚できない」と排除方向に使われてしまうことが多いだろう。なかなか検査と家庭内への開示タイミングは難しい。

結果の中には、「性格」というものもある。

疾患よりも興味をそそられるジャンルだ。遺伝的に自分のキャラクターがどのように形作られたのか、気になる。

しかし、ここは他の結果以上に歯切れが悪い。

「好奇心」という項目だと、「一般的なタイプ」「低めのタイプ」「より低めのタイプ」という3パターンに分類されており、僕は「一般的なタイプ」だとされた。一般的ってなんだよ。

「好奇心が人よりも旺盛」というパターンは用意されていないので、現時点においては「好奇心旺盛遺伝子」の存在はまだ明確になっていないのか、それとも存在しないのだろう。逆に、好奇心が低い遺伝子というのはあるっぽい。

とはいえ、この調査結果について詳細を見てみると、もととなる研究がヨーロッパのものであり、日本人に当てはまるのかどうかは不明だった。性格と遺伝子を直結させるのはなかなか難しそうだ。


このサービスは、結果に対して少なくとも僕は思ったよりもときめかなかった。それでも、面白いサービスだと思う。マッチする人はいると思うので、主に若い人こそ試してみるといい。

この会社が誠実なのは、新しい遺伝子研究が発表されると、その結果を踏まえて検査結果が随時追加されていくということだ。一度検査したらそれでおしまいではない。より詳細に、多岐にわたって結果が増えていく。それに追加料金がかからないというのがいい。

ちなみに先日、「パクチーの味の感じ方」という項目が追加になって、僕は「パクチーが苦手な可能性はより低めのタイプ」の遺伝子だと教えられた。お、おう・・・。この手の「だからなんなんだ?」という項目もいっぱいあるので、楽しめるっちゃあ楽しめる。そんなサービス。

(2023.03.31)

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